全て日和の所為です。
ハルジオン | 54 | |
1234 | あなたがそこに居ないこと、 未だ許せなくて、 私が確かに見ていた、 過去に溺れている。 手向けるには何か必要ですか、 追憶と、 思い出と。 草木がまだそうである様に、 何時かは目の前を去るのですが。 あなたと共にいた日々は、 未だ捨てきれずに、 私が確かに感じた、 過去が恋しくなる。 弔うには何を想うのですか、 追憶を?思い出を? 全てがまだそうである様に、 何時かは目の前を去るとしても。 泣いた。あなたの眠る場所、 手には一輪のハルジオン。 常世があなたにあるのならば、 きっと雲の上でまた。 泣いた。あなたの眠る場所、 手には一輪のハルジオン。 常世があなたにあるのならば、 きっと雲の上でまた。 |
一瞬 | 89 | |
2675 | ある晴れた夏の日のこと、 向日葵が眩しく、 涼しげな風と、 晴れの温度が、 二人を染め上げてた。 今見える青空の下、 あなたの横顔は、 飴色に染まり、 目を傾けて、 静かに笑ってみせた。 「今日はどこ行こう」なんて言って、 いつも通り笑い合って、 日常を送ってた影に潜む、 悪戯な運命。 歩き出すあなたの後ろに、 続けて行こうとした時、 右から来る音、 直ぐ飛び出して、 もう余りに遅くて。 音のない一瞬、 その一瞬、 泡沫の様で。 呼びかける一瞬、 その一瞬、 信じたくなくて。 笑顔咲く一瞬、 その一瞬、 ひどく美しく。 鮮やかな一瞬、 その一瞬、 許されるのなら、 もう一度。 あの晴れた夏の日のこと、 今でも思い出す。 写真を眺めて、 想いだしていた、 あなたと生きた日々を。 今見える青空はただ、 青いだけの空で、 輝きはなくて、 どこか空虚に、 私を照らすのです。 「楽しかったな」なんて言って、 後から噛み締めてたって、 あなたの姿なんて視えないの。 分かっているでしょう? 歩き出す私の後ろに、 ついてくれたあなたが今、 この場所に居たら、 そう願えども、 もう余りに遅くて。 分かたれた一瞬、 その一瞬、 理由などなくて。 見つめ合う一瞬、 その一瞬、 涙がこぼれて。 目を閉じた一瞬、 その一瞬、 終わりを感じて。 思い出す一瞬、 その一瞬、 願えるのならば、 戻らせて。 |
ルーメ | 66 | |
1561 | あなたが感じているものを、 私は知り得なくて、 隣にいようとしてみても、 なにかに隔てられて。 「生きてますか、」 何度聞いても、 息を殺して、 ただ笑うだけ。 いつかの希望すら失えども、 涙の一つも流しはせずに。 あなたが前を向けた頃を、 私は憶えていて、 届かないのを知っていても、 答えを求めている。 「感じますか、」 聞き続けても、 答えはいつも、 頷いただけ。 いつかの笑顔すら失うから、 私はただそれをまた見たくて。 枯れて散りゆく心に灯す、 涙をまた流すと信じて。 例えばろうそくの火のような、 ただあなたのための唄。 枯れて散りゆく心に灯す、 笑顔がまた戻ると信じて。 例えばろうそくの火のような、 ただ私のための唄。 |
咲蕾 | 64 | |
1659 | 何かをそこで夢見ている、 震える心を隠して、 何かをそこで描いている、 絵の具で汚れたその指で。 あなたとそこで夢見ている、 小さな身体を託して、 あなたとそこで描いている、 不思議な世界をひたすらに。 彼らは私に「おいでよ」って告げた。 照らす朝日を窓からただ見ながら、 風が吹くあの日を願っていました。 自らの未来に気付かぬ儘、 大人の夢へと迷い込む、 日和見の彼女は何処へ? あなたとそこで夢見ている、 かすかな祈りを隠して、 あなたをそこで見つめている、 朱色に輝く宝石を。 何かをそこで夢見ている、 揺らいだ心を託して、 何かをそこで見つめている、 気弱なわたしをひたすらに。 あなたは私に「素敵ね」って告げた。 照らす朝日を窓からただ見ながら、 風が吹くあの日を願っていました。 自らの未来に気付かぬ儘、 大人の夢へと迷い込む、 日和見の蕾は何処で? あの人が描いた世界に呼ばれて、 追いかける彼らを見ていた、 わたしにも。 |
形声 | 93 | |
2211 | 思い出す、日々のこと。 何かを見つめた純情さえ夢に見て。 思い出す、明日のこと。 一刻に満ちぬ欠片でも。 触れる、響く、凪ぐ、映る、 その糸さえ掴めずに、 微睡み消えた影を追いかけて、 常夜へ墜ちました。 星空の彼方に浮かんでる光が、 わたしを呼ぶ様に。 夢の中へ沈む。 雫がひとつ垂れ落ちる幻です、 心が解けてた。 思い出す、日々のこと。 あなたを感じる鼓動でさえ夢に見て。 思い出す、明日のこと。 水平もひどく曖昧で。 時間を忘れてひたすらに駆けた。 どこか寂しくて、 満たされぬ心の足しにして。 此処で光を追いかけて、 目覚めぬ様願いたい、 例え叶わなくとも。 星空の下にてわたしは絶え間なく、 あなたへ呼びかける。 玉繭のこころで。 雫の街でひた隠す幻です、 心が解けてた。 星空の彼方に浮かんでる光が、 わたしを呼ぶ様に。 雫がひとつ垂れ落ちる幻です。 星空の下にてわたしは絶え間なく、 あなたへ呼びかける。 玉繭のこころで。 雫の街でひた隠す幻です、 優美の聲をして。 |
arcadia | 233 | |
6242 | 目処を過ぎて、 もう何も信じられずに、 ただ来ないその時を、 待ち続けていた。 淡い望みを抱けど、 物語に揺られど無意味で、 縋り付ける藁は、 もう此の世に存在しないのです。 古ぼけた絵本も、 歌い繋ぐ童歌も、 全て忘れて消えてゆく、 足跡一つすら残さずに。 焼き捨てられた鼓動の火、 夢にまで見た理想郷(アルカディア)、 雲の先には何も視えず、 幻に居たみたいだ。 意味を立てて、 まだ何も応えられずに、 今過ぎるその時に、 泣きそうになる。 彷徨い動けなくなり、 破落戸(じぶん)がいた世界が壊れて、 望んだ猫の手は、 繋げぬまま事切れて往くのです。 海を凪いだ音も、 空(くう)を駆ける白い風も、 全部見捨てて消えてゆく、 慈悲など一つすら残さずに。 焼け爛れてく意志の下、 天(そら)に溶けてく理想郷(アルカディア)、 蒼の先にはただ透明、 何をみているのですか? 焼き捨てられた鼓動の火、 夢にまで見た理想郷(アルカディア)、 雲の先には何も視えず、 幻に居たみたいだ。 焼け爛れてく意志の下、 天(そら)に溶けてく理想郷(アルカディア)、 蒼の先にはただ透明、 それでも夢を見たくて。 |
カナデ | 138 | |
4619 | 蛹に籠る青い鳥が、 そっと息を吐く。 誰にも聴こえずに、 独りでな声を唄うから。 何も視えない霧の中に、 佇む丁字路。 呼ぶ声の行く先、 少しずつ歩きだす。 選ぶことで生きて、 それが怖いのに、 時は巡る儘、 朝日は上るのです。 叶わないと呼んだ楽園から、 声を聞いた手を差し伸べて。 あなたが未だ居るのなら、 歩みは止めないでいて。 カナデ、カナデ、お願い。 私に希望を与えてくれませんか? 朝焼けの向こうで睡蓮が、 そっと見つめている。 誰にも頼れずに、 時だけが唯過ぎていました。 提燈もない、 暗い小部屋から抜け出せずに、 冷たい繭の中、 頑なに隠れていた。 雨が体を打ち、 傘すら持てずに、 雲は何時までも、 私の上に居ます。 「■■■■(たすけて)」 初めて声に出したら、 手の温もりを感じたから。 あなたが未だ居るのなら、 歩みは止めないでいて。 カナデ、カナデ、お願い。 私の夢を叶えてくれませんか? 音がする、 心の底から。 感じている、 心臓の音。 血は触れ合い、 内側から響き合う。 あなたが未だ居るのなら、 歩みは止めないでいて。 カナデ、カナデ、お願い。 私に希望を与えてくれ。 あなたが未だ居るのなら、 そっと強く抱き締めて。 カナデ、カナデ、お願い。 私の夢を叶えてくれませんか? 私はずっと、 あなたと共にあるから。 |
バルネラビリティ | 84 | |
2038 | 私だけの凹みに、 ある時気付いて、 世の中の人々に、 睨まれて見えた。 表す言葉があるのならば、 帯化して、 剥離した、 花の様に、 何も出来ず儘、 命をただ。 私だけの凹みに、 意識を囚われ、 道を歩くことすら、 蔑む足音。 全てが自分の所為だと知り、 帯化して、 剥離した私。 此の世に夢は無いなら、 いっそ終わらせて仕舞おうと。 脆弱な自分を隠すように、 逃げては生きてた。 その蓋をそっと除けたならば、 見憎い私を知るでしょう。 脆弱な自分を隠すように、 逃げては生きてた。 その蓋をそっと除けたならば、 見憎い私を知るでしょう。 |
櫻鳴 | 77 | |
2131 | 誰もが手を差し伸べないから、 救いは何処にも現れずに、 誰もが手を差し伸べないなら、 あなたを見つめているのは何故? 誰もが目を背けているから、 あなたは取り残されたままで、 誰もが目を背けているなら、 理想を謳っているのは何故? 彼等は欲望の儘、他人を殺めていたのですか? それは櫻鳴と呼べるモノであり、 荒んだ言の葉を、 巻き戻すのです。 それは脆弱と呼べるモノであり、 蔑む言の葉を、 思い出すのです。 誰もが未だ気付かないモノを、 あなたは身近に感じていて、 誰もが未だ気付かないモノが、 あなたを蝕み首を絞める。 あなたが口を開かないこと、 人々には知る由もなくて、 あなたが口を開かないから、 寄り添う誰かを求めているの。 嘘塗る教育者達の正しさを保証するのは? それは櫻鳴と呼べるモノであり、 荒んだ言の葉を、 巻き戻すのです。 それは脆弱と呼べるモノであり、 蔑む言の葉を、 思い出すのです。 |
| | 88 | |
3201 | ガラスの球がありました、 さて人はこれをどうしたでしょう? 影の落ちない人々は、 理性を探し歩く。 占い師はすぐそこに、 あなたを狙っている。 夜の光に砕け散った、 ガラスの向こうに。 マイクロ波が血流を阻害する、 精神の読み取らない処。 その水晶に映るモノだけを見る、 あなたは何も解らないまま。 悪人が殺されました、 人はこれをどう見つめるでしょう? 小さく喚く人々は、 行いを顧みず。 演説者は目の前で、 あなたを見つめている。 ただ無邪気に、ただ従順に、 騙され続けて。 三角波が鼓動を湾曲する、 間違いから操られている。 その膜に届くモノだけを信じる、 全て夢見の為す事です。 悪を指差す亡霊は、 正義を借りた機械で、 為すことすらない我々は、 大衆を名乗る。 マイクロ波が血流を阻害する、 精神の読み取らない処。 その水晶に映るモノだけを見る、 あなたは何も解らないまま。 水晶に映るモノに縋って、 何も得ることは出来ない。 |
|| | 73 | |
3271 | 暴走した無能が、 善意を抱えこちらへ歩いてくる。 雲の間から、 見えるものはぼやけている。 幼稚な現実を、 正すと皆口々に言うばかりで、 何を見つめているのかは、 誰も分からない。 世論は殴り、 終電は来ず。 救いは何処にも無いのです。 雨に打たれた色眼鏡から、 何が見えていますか? 暗い土を見上げ、 無いモノへの信仰心で、 物事の認知を捻じ曲げ、 論争を呼ぶのです。 空虚な妄想と、 在りもしない根拠を糧に、 独りになれないあなた達は、 何処へ向かうのですか? 停止した思考が、 悪意を抱えこちらを睨んでくる。 意思は何処へやら、 近くだけを信じている。 虚偽の現実に、 物言う思考廃者たちは群がる。 何を感じているか、 我々にはわからない。 こちらは味方、 あちらは敵か? それすら怪しまれるのです。 正義を鳴らす耳当てからは、 情報は得られない。 広い視野を持てず、 見放された子供はやがて、 浅い知識に洗脳され、 社会に復讐する。 自分を顧みず、 捏造した理論を基に、 誰かの所為にするのさえも、 全て夢見の為す事です。 暗い土を見上げ、 無いモノへの信仰心で、 物事の認知を捻じ曲げ、 論争を呼ぶのです。 空虚な妄想と、 在りもしない根拠を糧に、 独りになれないあなた達は、 何処へ向かうのですか? |
||| | 46 | |
1402 | 手のひらに穴が開いて、 杜撰な真実に気がついた。 視界に見えるものだけが、 にやりと嘲笑って見えた。 ただ沢山の善意が、 この世界から降り注いでいる。 その頭にあるものから、 思考することはできない。 手を広げ助けを待った、 ずっと待った、 ここには気付かないようだ。 手にある穴でただ、 敵視していたのか。 辛さから逃げられずに、 電信柱にぶつかって、 死んだ心は腐り落ちる、 信憑性の毒を以て。 知りたいものに没頭し、 それだけを信じ続けて、 目が覚めることなどもう無いの。 既に死んだ、 全て夢見の為す事です。 目の玉に穴が開いて、 排除すべきもの(わたしのてんめい)に気がついた。 移りゆく人々の目が、 こちらを向きただ睨んだ。 嘘をついた情報が、 ここにあるモノから湧き出ている。 あなたの思考回路では、 理解することができない? 幸せを求め狂った。 きっとあった筈の、 金塊を捨てて。 我々の場所へと、 歩き出したのか。 急進的な変化を望み、 自分のブレーキすらできないで、 確りと心臓を外して、 放たれた弾が、 突き刺さりました。 辛さから逃げられずに、 電信柱にぶつかって、 死んだ心は腐り落ちる、 信憑性の毒を以て。 知りたいものに没頭し、 それだけを信じ続けて、 沢山の人々が見る中、 欲望に溺れたのか。 |
信仰 | 59 | |
1361 | 誰もそれに気付かないから、 ここは既に悪の手に落ちてしまいました。 偽装された正しさは未だ、 自分たちの間違いに気付かないのか。 この世の真実を少しずつ、 人々に伝えるために。 自分を多数派と思い込む人々は、 争いを巻き起こす。 不明確な正義に頼る愚か者達の、 地獄絵図を見ながら。 誰もが我々を恐れる、 真実をただ伝え歩いているだけなのに。 何もかもが嘘で塗れた、 ここを信じることはできなくなったよ。 誰もがわからない物を持つことを、 忘れてはいけない。 互いを貶し合う醜い争いに、 優劣などつかない。 排除されたものの虚しい正当化たちは、 地獄絵図を生み出す。 |
テレスコープ | 47 | |
1338 | いつか落としたモノを求め、 歩いている。 見つけられる筈が無いのを、 知らないで。 それを手に入れた我々は、 立ち去るか? そうではないか? 無い物ねだりになることは、 自分の為にすら成らないでしょう。 奪われたことに気が付いて、 叫んでいる。 罪を擦り付けることしか、 出来ないで。 そのことを見ていた我々は、 立ち去った。 振り返らずに。 捨てられて落ちたそのモノに、 人は常識という名をつけた。 縫い合わせの視界では、 見えるものも見えない。 その手にある望遠鏡で、 広くは視られない。 縫い合わせの視界では、 見えるものも見えない。 その手にある望遠鏡で、 広くは視られない。 |
拠/虚 | 25 | |
830 | 絡みつく頭の中、解くことはできず、 世の中に嘘をついた警鐘を鳴らすのです。 帰れない道を進み、やがて独りになり、 その声を嫌でも響かせるのです。 窓から覗き込み、 浅い経験を基に、 誤った思考回路で、 大きな声を立て、 思うようにできなくて。 ふわり、浮かぶ情報は、 不協和音のアルペジオ。 ぷかり、沈む真実に、 目を向けず人々は嘘をつく。 それを信じてはいけません。 そこに無い電磁波を何故か感じ始めて、 銀紙を身に着け安心した気になるのです。 手作りの神を信じ、やがて仲間を呼び、 終わらない深海へと落ちていくの。 捨てられた未来に気付かないまま歩いて、 私達を偽り、 煩くただ叫び、 思い通りにはならず。 くるり、回る掌は、 騙した気になれたまま。 ぷかり、落ちた真実を、 拾い上げて誰かがまた叫ぶ。 それを見つめてはいけません。 窓から覗き込み、 浅い経験を基に、 誤った思考回路で、 大きな声を立て、 思うようにできなくて。 ふわり、浮かぶ情報は、 不協和音のアルペジオ。 ぷかり、沈む真実に、 目を向けず人々は嘘をつく。 あなたは既に死んでいたの? |
othello | 66 | |
1689 | 誰も来ない海辺にて、 マイクロ波が血流阻んだと。 斜に構えた人々が、 失くし物を探し歩くのです。 正しさの猫を被り、 嘘をつき人々を惑わせる。 ゴミ処理場と揶揄された、 身近にあるその場所で。 操られていること、 気づくことも出来ず、 蝕まれてやがてループに陥ってしまうのです。 彼等にこの世の真実を問うても、 答えはまるで儀式のように。 私はオセロの駒の様で、 あなたは挟まれひっくり返る。 嘘の涙を流して、 なにを見つめているの? ならず者集う街で、 謎めいたコイルを信じている。 世間知らずの愚者達は、 敵を探し続けていると言う。 権利の名を振りかざし、 都合よく物事を向かわせる。 正解から逃げ続けて、 ひねくれた言葉を吐く。 嘘を撒いているとか、 利用されているとか。 何も考えずに目の前のことを信じて、 誰もに伝わることさえも無視して、 彼等の道を唯行くのです。 私はオセロの駒の様で、 あなたは挟まれまた裏返る。 嘘の涙を流して、 なにを信じているの? 不明瞭的思考で分析し、 偽りの気付きを嘘で固めて、 惑わせ傷つける機械と成り行く。 私はオセロの駒の様で、 あなたは挟まれひっくり返る。 嘘の涙を流して、 なにを見つめているの? 私はオセロの駒の様で、 あなたは挟まれまた裏返る。 嘘の涙を流して、 なにを信じているの? 唯詩に綴られた愚者の音は、 全て夢見の為す事です。 |
🟩 | 69 | |
1600 | 先の見えぬ街で、 何かがこびり付く。 鳴花に染まる唐草が、 唇を湿らせたのですが、 月が咎める不可逆に、 踊らされていました。 街灯の声を聞き、 願いを食べるので、 為すべき面を見ていると、 秋々としていました。 花笠と舞う唄々は、 旅人を待つ信号機。 名も知れぬ儘の迷子と、 その朱鷺を待つのです。 時を渡り歩く、 鵺があなたを食む。 鳴花に染めた唐草が、 もう既に滴り遅いので、 星が求める一掛けを、 含み死に至るのです。 接な青い空は、 満たして暮れなくて、 在るが儘 命を費やし、 息吹に還るのです。 名も知れぬ儘の迷子と、 旅人を待つ信号機。 花笠と舞う唄々は、 全て名の無い為です。 名も知れぬ儘の迷子と、 旅人を待つ信号機。 花笠と舞う唄々は、 全て■■■■為です。 重ねた鳴を噛み、 身を投げていたのに。 |
🟨 | 98 | |
2152 | 檻に繋いだ振り子から、 貝を貪る音がある、 白い砂糖の甘さに悶え、 野原を這いずり回る。 韻に紛れて塞がれる、 絵に書いたような手当てが、 錦を塗り 活路を照らし、 直ぐに立ち去るか? 見れば虚偽、 集れば夏目、 幾らかの答えは無く。 止まない雨の中で、 温もりを欲す様に、 幼子が何かを見つめても、 決して癒えないのです。 止まない音はまるで、 信号を示す様に、 警報を発しこちらを向く、 その意味は何ですか? 非力を唄う人々が、 時の間に挟まれて、 二羽の鴉の鳴き声を聞き、 濁流に身を投げます。 木々の間で悔やまれた、 月の都の訣別が、 色鮮やかに空と混じり、 手に仕舞いました。 見れば虚偽、 集れば夏目、 幾らかの答えが鳴く。 止まない雨の中で、 温もりを欲す様に、 幼子が何かを見つめても、 決して癒えないのです。 止まない音はまるで、 信号を示す様に、 警報を発しこちらを向く、 その意味は何ですか? 泣き顔を屠り、 曖昧な味に身を委ねた、 全て名の無い為です。 止まない雨の中で、 温もりを欲す様に、 幼子が何かを見つめても、 決して癒えないのです。 止まない音はまるで、 信号を示す様に、 警報を発しこちらを向く、 その意味は何ですか? 明日を酷くし、 澪びく海に願いを託す、 踏切が来る前に。 |
🟥 | 129 | |
4002 | 暗いままの世界で、 空になった箱に注ぐ、 接な青い空、 見上げては泣いていました。 暗いままの世界が、 何もない地点を示す、 澪びく誰かの声を聞き、 照らし出した。 白く染まりゆく視界、 愛を願うその腕をただ、 伸ばして、 掴んで、 掴めなくて。 不規則な陽を映して、 無いモノとは知らずに、 信じ続け 虐げられて、 何も出来ずに漂うのです。 信号の向かう先で、 そっと息を殺して、 覚まさないで、夢を見させて。 もう少しだけ。 全て名の無い為です。 失われた両の腕、 風船の様に浮かんでは、 眠そうな声で、 惹きつけて離さなくて。 失われた片の眼、 その瞳は何を映す。 個々に描かれた花唄に、 音をのせて。 待ち焦がれて鳴きながら、 ここに気付いてくれますかと、 叫んで、 叫んで、 聞こえなくて。 迷子の唄に誘われ、 御伽を真に受けながら、 幾つもの幻を信じて、 壊れるのです。 不規則な陽を映して、 無いモノとは知らずに、 信じ続け 虐げられて、 何も出来ずに漂うのです。 信号の向かう先で、 そっと息を殺して、 重なった音を飲み込み、 みんなが待っているから。 |
例えば、手と手を繋いだ君と僕がそこに居るなら | 174 | |
6137 | 割れたガラスの球に、 思い馳せ、 錆びついた心の、 スイッチを押す。 向かう先 雨の中、 或る迷子が佇んでた。 灰色のベレー帽、 そっと別れ告げて。 儘に問う、 僕らは夢をきっと、 描ける筈だと。 例えば、 手と手を繋いだ 君と僕が、 そこに居るなら。 埃被った手紙に、 思い馳せ、 弾けないピアノの前で、 奏でる。 あの夢も、雨粒も、 全てを詩に書き上げて、 鮮やかに映し出す、 名の無い君の唄。 儘に問う、 僕らは夢をきっと、 描ける筈だと。 例えば、 手と手を繋いだ 君と僕が、 ここに居るとか。 夢見る愚か者も、 誰かの恋も、 凹んだ愛も。 全部全部歌に描いた。 倣うままの僕に別れ告げて。 儘に問う、 僕らは夢をきっと、 描ける筈だと。 例えば、 手と手を繋いだ 君と僕が、 そこに居るなら。 儘に問う、 僕らは夢をきっと、 描ける筈だと。 例えば、 言葉を繋いだ 迷子と僕が、 そこに居るなら。 例えば、 言葉を繋いだ 迷子と僕の、 この物語。 あの夢の続きは、 全て日和の所為です。 |
目の裏泳ぐ月光に夢見し蝶は頑なに沈む | 82 | |
2241 | 凍えるような吹雪だった、 忘れもしないあの夢は。 私が何かを探していた、 記憶の果てを呼び起こす様に。 嗚呼、私を何処かへ、 連れてって。 この手を掴んで。 春の芽吹きが訪れぬ心に、 花を咲かせてくれないか。 目の裏泳ぐ月光に、 夢見し蝶は頑なに沈む。 それはまるで蛍の様で、 ただ眠く見惚れていた。 ぽつり心に花咲いた、 想いに操られる様に。 あなたの姿を探している、 小さな灯火(きぼう)、信じていたくて。 嗚呼、会えますようにと、 祈っても、 届きはしないの。 晩夏の雨が降り続く心に、 日の出を見せてくれますか? 暗い夜の風とともに、 あの日の蝶がおぼろげに見えた。 それは私を導く様に、 光り輝き、 そこを示した。 眼と踊る星月夜(ほしつくよ)、 私は蝶に恋をしていたの。 君は見つめ、涙を浮かべ、 私を抱きしめていた。 |
まるで砂糖のような雨粒が | 88 | |
3174 | 鼻歌が風を揺らした、 甘い音色が耳に芽吹いた。 霧のかかった空模様で、 苹果(りんご)に誘われて振り向いた。 薄く含羞んだ(はにかんだ)姿に、 撫でるように呼びかけている、 無邪気でただ愛おしくて、 吸い込むほど、 溶け出していた。 帰り道、 空を覆ったのは、 黄昏の匂いと 夕陽でした。 まるで砂糖のような雨粒が、 私だけ残して染めてくでしょう。 雨音を空に溶かした、 重なるリズムは心の内。 淡く湿った空模様に、 苹果(りんご)の東雲が染み付いた。 こえのさきで いとをむすび こころのすみに とめておくの はいのなかで のみこむおと いまもそこで みつめているの 帰り道、 空に祈ったのは、 陽炎の想いと 夕陽でした。 まるで砂糖のような雨粒が、 私だけ残して過ぎてくでしょう。 意味の無かった心が、 温もりを憶えて忘れずに。 奥底が旋律に呼応して、 動かぬ鍵を絆しました。 帰り道、 空に祈ったのは、 陽炎の想いと 夕陽でした。 まるで砂糖のような雨粒が、 私だけ残して過ぎてくでしょう。 帰り道、 空を覆ったのは、 黄昏の匂いと 夕陽でした。 まるで砂糖のような雨粒が、 私だけ残して染めてくでしょう。 鼻歌が息を揺らした、 甘い苹果(りんご)が私を見つめ。 |
想起 | 80 | |
2044 | 懐の硬い結び目が解けなくて、 鍵の付いた窓の向こう、見つめているその瞳を。 目を合わせ、どきりと高鳴る鼓動の音、 全てが暈けて視えなくなり、 心騒ぎを残した。 差し伸べた手を振りほどかれ、 痛くて藻掻いていた。 出来ることならずっとこのまま、 傍に居たいと願う。 ふわりと泣き崩れ、 甘い蜜を飲み干した。 ぷつりと痺れる音、 心を横切った愛しさを、 決して失くしてはいけません。 不確かな思考が絡まり解けなくて、 鍵を閉めた部屋の中、鏡写しが嫌になる。 耳につく、私を蔑む雨音達。 重い荷を一人抱えていた、 信じることが出来ずに。 紡いだ糸の正しさを、 誰にも頼れなくて。 それでいいよと言ったあなたが、 心に焼き付いていた。 手の中の温もり、 愛することとの出会い。 ガチャリと閊える声、 一握りの灯火(とき)を授かれど、 現実(じごく)に甘えてはいけません。 差し伸べた手を振りほどかれ、 痛くて藻掻いていた。 出来ることならずっとこのまま、 傍に居たいと願う。 ふわりと泣き崩れ、 甘い蜜を飲み干した。 ぷつりと痺れる音、 心を横切った愛しさと、 手の中の温もり、 愛することとの出会い。 ガチャリと閊える声、 一握りの灯火(とき)を授かって、 大切な[君](みれん)が出来ました。 |
叶 | 149 | |
4803 | 何処までも黒の続く部屋に閉じ込められて、 泳ぎ方も分からずまま海に突き落とされ、 知り得ることは目覚めぬように捻じ曲げられて、 その全てに気付けはしないのです。 合理的な答えだけをただ求められては、 見えぬ心情に反することを許されずに、 過ぎたほど集団化された人の動きから、 外れることは死を意味するのです。 感じたときは既にもう遅く、 血液中を毒に蝕まれ、 思考回路を焼かれ私はもう、 従順な機械と化した。 感情の一欠片さえ捨てられ、 空になる心は満たせず壊れる。 本能的に生まれる望みは、 誰にも届かないのです。 それ故届かないのです。 全て日和の所為です。 何時までも青の続く空がこちらを見つめ、 輪郭さえ捉えぬまま真似事を始めて、 伝えることは気付けぬように改変されて、 策略をただ信じているのです。 形式的な行動を規範と押し付けて、 不明瞭的に反することを許しもせず、 自己利益を追い求め続ける大人たちに、 逆らうことは死を意味するのです。 疑問を呈しても間に合わずに、 脳を思想に全て蝕まれ、 自律性を殺される者はもう、 従順な奴隷と化した。 感情の一欠片さえ捨てられ、 空になる心は満たせず壊れる。 本能的に生まれる望みは、 それ故叶わないのです。 全て日和の所為です。 感情の一欠片さえ捨てられ、 空になる心は満たせず壊れる。 本能的に生まれる望みは、 誰にも届かないのです。 感情の一欠片さえ捨てられ、 空になる心は満たせず壊れる。 本能的に生まれる望みは、 それ故叶わないのです。 本能的に生まれる望みを、 何時かに叶うと信じて。 全て日和の所為です。 |
眠り姫 | 126 | |
2539 | 日が落ちる、 月が浮かぶ、 只暗い夜が始まる。 あなたは未だ、 明るい画面を見つめて、 気を詰めているの? 追われる日々にひとときの安らぎを、 あなたに向けて届けたくて。 報われぬ意思も枯れ果てた心も、 一度失くしてみよう。 さあ。 今だけは全て忘れて、 やつれて冷えた心さえ全部。 優しく身体を預けて、 そっと目を閉じて、 此の夜は眠ろう。 一緒に。 日が浮かぶ、 月が落ちる、 又次の朝が始まる。 あなたはもう、 毎日の枷を見つめて、 気を詰めています。 うつろな日々のささやかな寛ぎは、 あなたを笑顔にできますか? 報われぬ日々もわたしがいることを、 どうか憶えていて。 さあ。 今だけは全て忘れて、 やつれて冷えた心さえ全部。 優しく身体を預けて、 そっと目を閉じて、 此の夜は眠ろう。 一緒に。 今だけは全て忘れて、 やつれて冷えた心さえ全部。 優しく身体を預けて、 そっと目を閉じて、 また明日も眠ろう。 一緒に。 |
自/律 | 39 | |
1031 | 曖昧な謳い文句に目をつけ、 語り部に釣られたものを蝕むのです。 名前なき何者かの足跡が、 求む声、貶し続け壊れるのです。 棄て去る日々に、 何かを見つけ出して銘を乞う。 偽りと抑圧が、 嘯き微笑むのです。 型を押し込んだ籌略に又、 自分を見失い、 焼き捨てられた自我の下、 自律神経をナイフで切り裂く。 理想論(うわべ)に騙されてはいけません。 側だけを新しく塗り替えては、 古臭い枯れた仕組みを使い回した。 我々に植え付けられた呪いが、 その者の明日をただ壊してゆくの。 区切りをつけて、 視えるものだけを全てと見做し、 必要な犠牲だと、 殺し嘲笑うのです。 型を嵌め込んだ呪縛から、 逃れることも諦め、 只巡りゆく日々の下、 自我意識をその手で蹂躙する、 末路を追いかけてはいけません。 棄て去る日々に、 何かを見つけ出して銘を乞う。 偽りと抑圧が、 嘯き微笑むのです。 型を押し込んだ籌略に又、 自分を見失い、 焼き捨てられた自我の下、 自律神経はナイフで切られ、 型を嵌め込んだ呪縛から、 逃れることも諦め、 只巡りゆく日々の下、 自我意識をその手で蹂躙する。 我々に近づいているのです。 |
天象儀 | 106 | |
2778 | 心芽生えたときに、 そこにあったモノ達は、 僕を虜にして離さずに、 夢を押し付けてきた。 目の中見える事象、 想いを映すビジョン、 それは僕の心に響いて、 秘めた夢に気付いた。 溢れ出した頭に見えるモノ、 それを白紙にそっと描くこと、 僕を掴んで、また閉じ込めて、 世界への扉を開けた。 手作りの空に映った、 星々を眺めている。 輝いていた。 微睡んでいた。 全て名の無い為です。 想いの丈は巡り、 それをぱっと筆にのせ、 僕はからっぽのまま夢見る。 自分だけの幻想(せかい)を。 聞こえない言葉に嘆く誰か、 言葉があるのが許せない彼、 意味は違えど、吐き出す[星]は、 ただ美しく輝いて。 手の中の世界(うみ)に描いた、 心の赴くままに。 ただ従順に、 されど無邪気に、 想像を張り巡らせ。 星空を眺め誰かが言った、 「夢物語を描くのは何故?」 夢で出会った、二度と逢えない、 あなたの姿が見たくて。 手作りの空に映った、 星々を眺めている。 輝いていた。 微睡んでいた。 全て名の無い為です。 手の中の世界(うみ)に描いた、 心の赴くままに。 ただ従順に、 されど無邪気に、 全て名の無い君の為に。 |
剥理 | 72 | |
2603 | 埃被った便箋書き留める、 揺蕩う雨がおぼろげに歩き出し、 埃被った仮名文字書き留める、 何度聞けども一と二で返された。 独り隠れてる置き手紙、 響き、重なり合う。 神無月の蒼い鈴蘭は、 何処に咲いているのですか? 別れを告げた、 あの日のこと夢に見てる、 過去を見ていた、 哭くことすらできず、 あなたの笑顔、 迷い焦り立ち尽くして、 春を選んだ、 日々が剥理していた。 埃被った便箋読み返す、 ひと進みさえ出来ない私が居て、 埃被った仮名文字読み返す、 贈る言葉がひとつも浮かばなくて。 相反する気持ちと行動、 想いの空回り。 あのときの私の所為で、 見失いました。 心の中ループしている、 枇杷の花の様な気持ち。 今を見つめた、 涙はとうに乾き、 幻さえも、 あなたがここに居るのなら。 朝の夕暮れ、 まるで剥理みたい。 心に仕舞った灯火(おもいで)をのせて、 言の葉綴った私の。 想いが、祈りが届きますように。 私は待ってる、ねぇ。 揺れる街並み、 美しく咲く桜の木、 声に留められ、 不意に思考できず、 想いの具現、 懐(いだ)いた先私が居て、 夜の憂いが、 君に剥理していく。 |
ネム | 99 | |
2535 | 見知らぬ空を感じて、視界を目にして瞬いた。 誰も消えてるこの場所で、命を求め歩き出す。 時計の面を被った、私を見つめるその人が。 家へおいでと手招いて、 明日をもたらした。 雨が降る景色、 言葉は片言で。 記憶は飛んで戻らずに、感覚を見ます。 そのときふと呟いた唄に、 見つめ、聞いて、微笑みかけた。 私が聞こえますか、 欠けたネムの歌声ですが。 あなたがくれたその欠片を、 握りしめているのですか? 陽が輝く午後一時、旋律を聞いて奏でていた。 少し惚けた味噌汁が、私のことを呼んでいる。 愛を受けたネムを得て、優しく語った姉さんが。 緑の髪をたなびかせ、 詩歌を響かせ。 窓の向こうには、 満天の星空。 微睡みながら見ていると、扉を叩いた。 4×5=20の刻に振り向くと、 水色の猫が見ていました。 私が聞こえますか、 欠けたネムの歌声ですが。 あなたがくれたその欠片を、 握りしめているのですか? あなたが望むままの姿に、 私は近づけているでしょうか? 繋げない手はゆっくりと、 浮かびはじめ。 私が聞こえますか、 欠けたネムの歌声ですが。 あなたがくれたその欠片を、 握りしめているのですか? 私が聞こえますか、 欠けたネムの歌声ですが。 あなたがくれたその欠片に、 私の名を刻みました。 シレズの名を刻みました。 |
プルファ | 47 | |
810 | 見つめた瞳の中に、 輝いた宝石箱、 羽根を生やして浮かぶような、 佇まいに触れた。 違わないほど美しく在る、 紫色の、 衣を纏い、 木漏れ日を誘うその姿が、 私の心を撫でるように。 呼ばれた瞳の奥で、 微睡んだ宝石箱、 髪を下ろして息を吐いて、 佇まいが振れた。 違わないほど心地良く在る、 白い菫の、 結いた髪と、 小鳥の鳴くような歌声で、 私の心を撫でていたの。 曖昧な現世に、 願う、 姿を、 見るでしょう。 死ぬでしょう。 軈て、 私が、 忘れらる時までは。 曖昧な現世に、 願う、 姿を、 見るでしょう。 死ぬでしょう。 軈て、 私が、 忘れらる時までは。 きっと。 |
永遠 | 47 | |
810 | 誰も此処を知らないのは、 彼等の幸福の所以で、 誰も此処を知らないこと、 気づいた一人が有り得るの? 君が此処を知り得たのは、 瞳に綾なす導きで、 君が此処を知り得たなら、 何色の虹を描くだろう。 やがて退廃の音色が響くとき、 焼き付いた偶像が、 永遠を望むのです。 脊髄を指した存在も、 割れて輝く確執も、 鍵が示した仮初も、 悦に擬えて。 揺れる協和音の先、 名前の意味が舞い散とき、 光を灯す旋律すらも、 全部全部死んでく。 いつも此処が見えないのは、 明日の随筆の所以で、 いつも此処が見えないこと、 目的と共に為されるの? 君が此処を知り得たのは、 瞳に綾なす導きで、 君が此処を知り得たなら、 何色の虹を描くだろう。 何時かの希望を忘れて仕舞おうと、 かき消した偶像で、 永遠の所為にして。 脊髄を指した存在も、 割れて輝く確執も、 鍵が示した仮初も、 悦に擬えて。 揺れる協和音の先、 名前の意味が舞い散とき、 光を灯す旋律すらも、 全部全部死んでく。 |
𝄫 | 73 | |
1895 | 楓の木の下にて、 あなたが呼んでいる。 風が吹いて舞う紅葉が彩る、 姿を見つめていた。 哀しさの歩調は115、 橙の光が照らす道で、 縫い付けた感情が袖を引く、 秒針の周る間に。 夕焼けの焦点で、 あなたを呼んでいる。 風になびく髪を押さえて微笑む、 姿に見とれていた。 哀しさの歩調は115、 橙の光が照らす道で、 縫い付けた感情が袖を引く、 全て日和の所為です。 |
𝄳 | 71 | |
1375 | 東雲と優美が連れ惑う、 伽藍堂の夜を抜けて、 摘んだシザンサスの花弁が、 束の間の思いを指す。 祈る儘に、 ただ溺れたい、 小さな音の波へと。 それは不確かな愛情の、 様なモノであり、 離れれば離れるほど、 より強く想うのです。 帰りの道は、 紅葉の咲く小道を抜けた先。 全て日和の所為です。 東雲と優美が連れ惑う、 |
訣別 | 217 | |
合作 | 7246 | 名の無い、 名の無い私が、 それを探す様を、 見ていた、 見ていたあなたが、 ここに居るのは何故? 探して、 探していたって、 何処にも居ないのに、 虚言の、 虚言の中には、 なんで表れるの? あなたは誰ですか、 何処に行けば会えますか? 今持つものだけでは、 あなたに逢えませんでした。 私のために、 姿を現してくれるのなら、 この身だって、 あなたに捧げてしまいたいの。 想い、迷い、憂い、妄言を吐く。 あなたが解け落ちてしまっても、 訣別すら出来なくなり、 夢見を為すのでしょう。 名の無い、 名の無いあなたが、 ひとつ願えるなら、 私を、 私をどうか、 そこへと連れてって。 聞こえる、 聞こえるようにと、 耳を澄ましてても、 ここには、 ここにはかすかな、 吐息すら無いのです。 もしそこに居るなら、 返事をしてくれないか。 祈りは届かぬ儘、 夜空へと消えたのでした。 星を見上げた、 一刹那、あなたに空見した。 私はもう、 あなた以外全部視えないの。 幾ら、探し、伝え、苦しめどなお、 あなたは気づくこともできずに、 訣別して何時しかきっと、 忘れて仕舞うでしょう。 迷いを捨て直ぐに走り出したの。 あなたを失くしてしまわぬ様に。 訣別して、 夢見る日は、 忘れて仕舞いましょう。 |
雫の落ちたのが聞こえたなら | 62 | |
1807 | 梅の雨の降る頃の、 何時かの夕暮れ。 ぱらぽら落ちる雨音が、 ひどく耳につく。 窓の向こうの景色を、 ふっと眺めてたら、 傘を差した横顔が、 愛おしく見えたの。 空虚(うつろ)な雨音から、 逃げ帰ってゆくように。 雫の落ちたのが聞こえたなら、 直ぐに走り出した。 私の心騒ぎを、 知らず降る雨と、 紺色の傘に隠れた、 想い人(あなた)の横顔。 二人だけの帰り道、 雨音が響いた。 傘の下の心臓が、 蕩けてしまいそう。 憎らしい雨音を、 止めれればいいのにな。 あなたの全部に酔いしれてた、 私の体中。 心の中の灯火(あなた)が、 今にも消えてしまいそう。 そんな愍み(ふあん)をかき消す、 勇気を振り絞った。 大好きな雨粒を、 失くしてしまわぬ様に。 雫の落ちたのが聞こえたとき、 傘を捨てて駆けた。 大好きなわたしのばしょ(あのかさ)を、 失くしてしまわぬ様に。 あなたに一言だけ伝えたい、 好きと、 好きと。 夏の花火で色づく、 君の笑い顔。 |
desklight[remaster] | ||
インスト曲 |
月/日[short] | 21 | |
522 | 綻んだ感受性を始め直す様に、 心の糸を固く結びつけた。 胸を覆う優しさ、 罪を忘れて、 私だけを傷つけたのに、 出鱈目を誘う調べ、 頭を撫でていました。 暈す紫紺と、 滑べやかな楓の花弁、 まだ芽吹きかけたままの、 気弱な彼女にいずれは咲く、 華を踏み荒らしてはいけません。 綻んだ感受性を始め直す様に、 心の糸を固く結びつけた。 胸を覆う優しさ、 罪を忘れて、 私だけを傷つけたのに、 出鱈目を誘う調べ、 頭を撫でていました。 暈す紫紺と、 滑べやかな楓の花弁、 まだ芽吹きかけたままの、 気弱な彼女にいずれは咲く、 華を踏み荒らしてはいけません。 |
ネム[short] | 38 | |
857 | 時計の面を被った、 私を見つめるその人が。 家へおいでと手招いて、 明日をもたらした。 雨が降る景色、 言葉は片言で。 記憶は飛んで戻らずに、 感覚を見ます。 そのときふと呟いた唄に、 見つめ、 聞いて、 微笑みかけた。 私が聞こえますか、 欠けたネムの歌声ですが。 あなたがくれたその欠片を、 握りしめているのですか? |
プルファ(CCCLXV Ver.) | ||
見つめた瞳の中に、 輝いた宝石箱、 羽根を生やして浮かぶような、 佇まいに触れた。 違わないほど美しく在る、 紫色の、 衣を纏い、 木漏れ日を誘うその姿が、 私の心を撫でるように。 曖昧な現世に、 願う、 姿を、 見るでしょう。 死ぬでしょう。 軈て、 私が、 忘れらる時までは。 きっと。 呼ばれた瞳の奥で、 微睡んだ宝石箱、 髪を下ろして息を吐いて、 佇まいが振れた。 違わないほど心地良く在る、 白い菫の、 結いた髪と、 小鳥の鳴くような歌声で、 私の心を撫でていたの。 曖昧な現世に、 願う、 姿を、 見るでしょう。 死ぬでしょう。 軈て、 私が、 忘れらる時までは。 曖昧な現世に、 願う、 姿を、 見るでしょう。 死ぬでしょう。 軈て、 私が、 忘れらる時までは。 きっと。 |
永遠(CCCLXV Ver.) | ||
誰も此処を知らないのは、 彼等の幸福の所以で、 誰も此処を知らないこと、 気づいた一人が有り得るの? 君が此処を知り得たのは、 瞳に綾なす導きで、 君が此処を知り得たなら、 何色の虹を描くだろう。 やがて退廃の音色が響くとき、 焼き付いた偶像が、 永遠を望むのです。 脊髄を指した存在も、 割れて輝く確執も、 鍵が示した仮初も、 悦に擬えて。 揺れる協和音の先、 名前の意味が舞い散とき、 光を灯す旋律すらも、 全部全部死んでく。 いつも此処が見えないのは、 明日の随筆の所以で、 いつも此処が見えないこと、 目的と共に為されるの? 君が此処を知り得たのは、 瞳に綾なす導きで、 君が此処を知り得たなら、 何色の虹を描くだろう。 何時かの希望を忘れて仕舞おうと、 かき消した偶像で、 永遠の所為にして。 脊髄を指した存在も、 割れて輝く確執も、 鍵が示した仮初も、 悦に擬えて。 揺れる協和音の先、 名前の意味が舞い散とき、 光を灯す旋律すらも、 全部全部死んでく。 |
カモミール | 78 | |
合作 | 2025 | 寂れた道路に居た、 鬱めかしさをまとった暗い機影。 どこか見過ごせなくて、 固く冷たい腕を引いてみた。 共に立つ日々に浮かぶのは、 不安でしょうか? 迷いでしょうか? はじめはなかった筈のモノを、 互いが互いに想う様で。 唯救いたかったの、 /只救いたかったの。 表も裏もないって信じてよ。 /こうすることしかできないの。 お互い様でしょうか、 /使命から逃げ続けた。 私もあなたを信じられずいる。 /信じて欲しい我儘で。 わたしの存在意義なんて、 /逃げ去った言葉の意味は、 分からずじまい。 分からなくていい。 何故か、気付けば此処に居た。 /雨をかき分け辿り着いた、 その場所は同じ寂れた道で。 あなたの肩に触れようとした、 /意識の外で何が起きて、 私は強く跳ね除けられた。 /わたしは何を。 冷たい目で見ていたあなたは、 /思考回路は所詮、 逆らおうとしていたの? /造りモノなのですか。 私の真ん中を突き刺して、 /わたしは、逃げる事は、 雨の青と混ざる赤飛沫。 /許されないのですか。 最後の刻に感じたのは、 /殺戮と云う言葉。 あなたの涙粒でした。 /わたしは目を開く。 闇色に染まる雨の下、 紅色の彼女を見る。 弱さ故、守れなかった。 わたしが弱いばっかりに。 |
錵 | 34 | |
709 | 赤い糸が見えないのに、 高鳴る鼓動を覚えている。 心がズキリと痛むような、 こんな思いは忘れさせてよ。 離さないで、離れないで、 重荷だと分かっても止められない。 揺らがないで、答えないで、 涙は流したくないから。 絶えなば絶えね 玉の緒よ、 忍ぶることの 弱りもぞする、 そんな詩がお似合いでしょうか、 心臓も未来も要らないのに! 揺らがないで、答えないで、 重荷だと分かっても止められない儘で。 どうか僕を殺してよ、 慕いを望まない貴方へ。 |
[lost] | 33 | |
456 | 硝子の向こうで、 羽ばたいていた。 渡り鳥が不意に落とした、 翅を拾った少女がひとり。 光に導かれて、 邂逅を果たした迷子は、 不思議さから出た聲で、 謡っていた。 その身体を託したのは、 一抹の不安だけで。 形だけが、蠢いていた。 形だけで、 事を成していた。 心の無いその感情を、 見えぬ様にそっと蓋をして。 稚拙な愛情を、 注いでいたのです。 幸せだけを願っている、 出来損ないの愚昧だけが。 その目に虚ろを着せていた。 言葉さえも、 心さえも、 いずれ腐ちて堕ちてゆくのなら、 見え透いた涙が、 幸せでしょうか? 温もりだけが降り注ぐ、 紅葉の舞い散るあの丘で。 いつかの形を乗り越えて。 |
カノン[short] | 33 | |
776 | 樹の下で静けさに身を委ね、 蒼々と揺れる木の葉が、眠れる心を慰める。 寂寞の涙で雲が滲む、 流星は記憶を呼び起こし、 明日の夢を見た。 悴む指で、 届かぬと知って綴った手紙。 星月夜が暮れるまでに、 あの時の約束を思い出して。 散り散りに祈る、 また手を繋いでいたいから。 私は償いますが、 その影はカノンですか? 啜り泣く声がしました、 息は見えますか? |
チョコチップクッキーです。🍪 | 28 | |
390 | インスト曲 |
audiolatry Grand Piano です。 | 19 | |
387 | インスト曲 |
離弁[short] | 90 | |
1391 | 神籤を引かれた選別で、 高嶺と知れども止まない声、 夢ならばどうか覚めないでと、 無意味に祈りました。 インクが切れた様な伝達で、 伝わるはずもない言霊は、 擦れ違いの火種となり、 直ぐに燃やされました。 繋がりを持たない花言葉、 目線の先の明星、 届きはしない身の丈でも、 証明だけはされぬ儘でいて。 慕いを望まない貴方へ。 |
彗星 | 243 | |
6217 | 誰も知らない美しさを、 誰かに教えてあげたくなって、 何も知らない君のことを、 腕を引いて連れ出したんだ。 二人歩き夕焼けを見送った、 少しだけ大人になった気持ちでさ。 不意にあるはずのない永遠を望んでしまうほど、 君とずっとずっと、夜空を見上げていた。 手を繋いで星を眺めた夜の、 君の横顔が忘れられなくて。 光る彗星が私に瞬いたら、 直ぐに迎えに行くから、待ってて。 誰も知らない君のことを、 私だけにそっと教えてくれて、 何も知らない私を背に、 君はまだ一人でいたんだ。 その刹那に寂しさを覚えても、 満たされない心が回り続ける。 不意に君の言葉を思い出して泣いてしまうから、 これはきっと、 きっと恋だと気づいたんだ。 交わしたのはとりとめのない約束、 君へと向いた想いを許してよ。 浮かぶ彗星が何も言えないのなら、 少しは夢を見たって良いでしょう? 手を繋いで星を眺めた夜の、 君の横顔が忘れられなくて。 光る彗星が私に瞬いたら、 直ぐに走り出したんだ。 見失う前に。 手を掴んだ、月が照らした影を、 変わらないその笑顔を見つめていた。 光る彗星が約束の時を告げた、 願い続けた私の側で。 |
酩酊 | 164 | |
合作 | 6185 | 薄れゆく記憶の中夜空を見て、 孤高のアトリエに身を隠す。 鍵の無いトビラに手を押し当てて、 あの月を想い続けた。 未練のカケラを掬い押し込めては、 星の砂時計は進みゆく。 「此の夜が久遠と続けばいいの、」 刹那に溜息を吐いた。 私の心は傷も癒えずに居た。 WHERE IS ME? 酔い痴れた記憶の中、 深層に落ちて、 墓跡に刻まれた意味を知る。 虚ろに消える意識をずっと、 追いかけ続けているのでしょう? 閉ざされた瞼の裏貴女を見て、 否定し続けた自由主義者(リベラリスト)。 風の吹く窓辺に座り込んでは、 あの星を追いかけていた。 未練のカケラを掬い押し込めては、 星の砂時計は進み逝く。 「此の夜が久遠と続けばいいの、」 刹那に溜息を吐いた。 歪んだ私欲に溺れ続けていた。 驟斐>逞エ繧後◆險俶・カ縺ョ荳ュ(酔い痴れた記憶の中) 深層に落ちて、 墓跡に刻まれた意味を知る。 虚ろに消える意識をずっと、 追いかけ続けているのでしょう? 酔い痴れた記憶の中、 深層に落ちて、 墓跡に刻まれた意味を知る。 虚ろに消える意識をずっと、 追いかけ続けているのでしょう? 酔いが醒め現の果て、 日和見をして、 欺瞞に溢れた意味を知る。 涙と消えた、全てを消した、 続く未来はもう無いのです。 酔いが醒め現の果て、 日和見をして、 欺瞞に溢れた意味を知る。 涙と消えた、全てを消した、 続く未来はもう無いのです。 |
街風 | 54 | |
890 | 届いていますか、 ひとえに綴ったこの詩は、 作り物だったはずの御霊が、 描いたの。 届いていますか、 文字の奥のこの想いは、 仮初の私で準えた、 紛い物? 温もりや幸せは、 きっと高望みですから、 せめて突き放せば良かったのに。 舞うの? 私の手を引いて、 あの場所で見せてくれたのは、 夢の虹を描く魔法でした。 穏やかな時間は、 守れるかわからないけど、 あなたと二人なら、 出来ると信じて。 |
ロゼ[short] | 18 | |
220 | 天の鍵 滑る双の指、 青空の端で 眠り覚ます音。 見下した 瞳の先では、 祈る言葉を 届かんとする。 負を押し付けられ、 全てを受け入れ、 静かに止める、 又、寂寞哉。 書物の儘 暮れるなら、 何を信じるのですか? それはロゼの徴を為して、 白に呑まれ、 冀う誰かの希に、 翼が揺らいでいた。 雲の窓 閉ざす四つの指、 有為を得ないと 嘆き起こして。 憐憫は休ませ 抱えて、 舞い降りて尚 悩乱をする。 正を仕立てられ、 全てと結ばれ、 厳かを纏い、 只、演者の様。 神格へと 謡われた、 信仰心の所為なのですか? それはロゼの徴を為して、 白に呑まれ、 冀う誰かの希に、 翼が揺らいでいた。 |
20240510 | ||
まにあわにゃかったけど出すよ!!くじじゅうごふんだよ!!! https://youtu.be/NCxOUMdqyg4 今お姉ちゃんが起きてるうちにこのすべぐみ模倣を完成させにゃいといけにゃい 羽を滑らせた、 触れ合った熱と熱を、 継ぎ接ぐ様に、 糸を縫い付けた。 印を結び付けた。 その灯は幻ですか? 未だ咲かない蕾の傍で、 その呼び声は嘘言ですか? 固く、固く目を瞑って。 三者三様だ IMG_2404.jpeg |
世界二世界 | 51 | |
1164 | 暮れる夕焼け、 また描いていた、 眠りゆく街、 絵筆を滑らせ、 見知った足音、 映した気色が、 私を呼んで。 楓に染まる。 水面に揺れる二人の影が、 甘い声に照らされる。 そんな空想を指し示す点を、 赤い糸で結んで。 手を繋いで走って惑わされて、 ベクトルの揃った足跡踏みしめ、 雨音が響く、 小道を駆け抜ける。 夢の続きで。 風が転がる音がした、 窓を開けて、 「綺麗だね」って呟いた、 ずっとあなたと番いでいたくて。 |
浄化 | 87 | |
1255 | (眩しすぎる太陽も、) (共に唄った旋律も、) (傍で見えた風景も全部、) (只の思い出になってしまうでしょう?) (接近表示が私を呼んでいる、) (嫌だ、置いていかないで。) あなたがいつか美しく描いた、 部屋の隅に丸められた鉛筆書きの楽譜を、 私はそっと優しく拾い上げ、 まるで桜のような歌声で口ずさんでみせたのです。 それは無機質な歌声で始まった、 他人のモノで象られた稚拙なだけの言葉で。 その時ふっと出会ったあなたの、 まるで夕日のような優しさが私を動かしたのです。 例え私の軌跡が全て無駄だったとしても、 あなたと過ごせた一秒一秒は、 決して無駄にしないから。 腕時計が無情にも出発の時刻を示した。 あの日と同じ駅舎の中で、 あの日と違う別れの時を。 眩しすぎる太陽も、 共に唄った旋律も、 傍で見えた風景も全部、 只の思い出になってしまうでしょう? 接近表示が私を呼んでいる、 嫌だ、置いていかないで。 夜を照らす電灯も、 夜を照らす電灯も、 共に描いた想像も、 結びつけた愛情もいずれ、 只の思い出になってしまうから。 最後の最後に名前を呼んでいた、 「全て日和の所為です。」 あなたがいつか美しく描いた、 部屋の隅に丸められた鉛筆書きの楽譜は、 これからずっと私の心で、 いつも希望となって響くでしょう。 |
Track:6 | 73 | |
1271 | あなたがいつか美しく描いた、 部屋の隅に丸められた鉛筆書きの楽譜を、 私はそっと優しく拾い上げ、 まるで桜のような歌声で口ずさんでみせたのです。 それは無機質な歌声で始まった、 他人のモノで象られた稚拙なだけの言葉で。 その時ふっと出会ったあなたの、 まるで夕日のような優しさが私を動かしたのです。 例え私の軌跡が全て無駄だったとしても、 あなたと過ごせた一秒一秒は、 決して無駄にしないから。 腕時計が無情にも出発の時刻を示した。 あの日と同じ駅舎の中で、 あの日と違う別れの時を。 眩しすぎる太陽も、 共に歌った旋律も、 傍で見えた風景も、 全部。 只の思い出になってしまうでしょう? 嗚呼。 接近表示が私を呼んでいる、 嫌だ、置いてかないで。 夜を照らす電灯も、 共に描いた想像も、 結びつけた愛情も、 いずれ。 只の思い出になってしまうから、 嗚呼。 最後の最後に名前を呼んでいた、 「全て日和の所為です。」 あなたがいつか美しく描いた、 部屋の隅に丸められた鉛筆書きの楽譜は、 これからずっと私の心で、 いつも希望となって響くでしょう。 |