: 4002
: 129
暗いままの世界で、 空になった箱に注ぐ、 接な青い空、 見上げては泣いていました。 暗いままの世界が、 何もない地点を示す、 澪びく誰かの声を聞き、 照らし出した。 白く染まりゆく視界、 愛を願うその腕をただ、 伸ばして、 掴んで、 掴めなくて。 不規則な陽を映して、 無いモノとは知らずに、 信じ続け 虐げられて、 何も出来ずに漂うのです。 信号の向かう先で、 そっと息を殺して、 覚まさないで、夢を見させて。 もう少しだけ。 全て名の無い為です。 失われた両の腕、 風船の様に浮かんでは、 眠そうな声で、 惹きつけて離さなくて。 失われた片の眼、 その瞳は何を映す。 個々に描かれた花唄に、 音をのせて。 待ち焦がれて鳴きながら、 ここに気付いてくれますかと、 叫んで、 叫んで、 聞こえなくて。 迷子の唄に誘われ、 御伽を真に受けながら、 幾つもの幻を信じて、 壊れるのです。 不規則な陽を映して、 無いモノとは知らずに、 信じ続け 虐げられて、 何も出来ずに漂うのです。 信号の向かう先で、 そっと息を殺して、 重なった音を飲み込み、 みんなが待っているから。