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蛹に籠る青い鳥が、 そっと息を吐く。 誰にも聴こえずに、 独りでな声を唄うから。 何も視えない霧の中に、 佇む丁字路。 呼ぶ声の行く先、 少しずつ歩きだす。 選ぶことで生きて、 それが怖いのに、 時は巡る儘、 朝日は上るのです。 叶わないと呼んだ楽園から、 声を聞いた手を差し伸べて。 あなたが未だ居るのなら、 歩みは止めないでいて。 カナデ、カナデ、お願い。 私に希望を与えてくれませんか? 朝焼けの向こうで睡蓮が、 そっと見つめている。 誰にも頼れずに、 時だけが唯過ぎていました。 提燈もない、 暗い小部屋から抜け出せずに、 冷たい繭の中、 頑なに隠れていた。 雨が体を打ち、 傘すら持てずに、 雲は何時までも、 私の上に居ます。 「■■■■(たすけて)」 初めて声に出したら、 手の温もりを感じたから。 あなたが未だ居るのなら、 歩みは止めないでいて。 カナデ、カナデ、お願い。 私の夢を叶えてくれませんか? 音がする、 心の底から。 感じている、 心臓の音。 血は触れ合い、 内側から響き合う。 あなたが未だ居るのなら、 歩みは止めないでいて。 カナデ、カナデ、お願い。 私に希望を与えてくれ。 あなたが未だ居るのなら、 そっと強く抱き締めて。 カナデ、カナデ、お願い。 私の夢を叶えてくれませんか? 私はずっと、 あなたと共にあるから。