全て虞美の所為です。
乱舞 | ||
7419 | 何かがそこで震えている、 濁った夢の先では、 何かがそこで叫んでいる、 虚ろに開いたその口で。 誰かとそこで震えている、 呆けた星の先には、 何かがそこで叫んでいた、 記録をずっと隠してた。 新しい記録に「よろしく」って告げた。 教育と名の付いた牙と刃は、 脊髄を穿り嗤っていました。 言の葉に目覚ましい憂いと、 大人の国から抜け出した、 花唄は何処へ往く? 誰かがそこで震えている、 呆れた夢の果てには、 誰かがそこで嘆いている、 移ろい開いたその足で。 何かとそこで震えている、 湿った道の果てには、 何かとそこで嘆いている、 記録がそっと隠れてた。 古くさい記録に「さよなら」って告げた。 教育と名の付いた牙と刃は、 脊髄を穿り嗤っていました。 言の葉に目覚ましい憂いと、 大人の国から抜け出した、 花びらは何処へ舞う? わたしがそこで嘆いている時、 手招いたその腕が、 わたしをどこか遠くまで。 |
ライズ | ||
4152 | 寂れた平野の村、 ドアを開けてみて、 人など居ない筈なのに、 旅人は躍り出す、 窓際から滑り落ち、 叩きつけられて、 やむ終えず覘いたら、 頭が割れていました。 戯れに描いた文字の中、 独りでに門が折れ、 不可思議な音 小部屋の中、 握って響ました。 不可思議な貌 牡丹の中、 独りでに頸が折れ、 全て虞美の所為で。 見い出た黒い函が、 鋳たくてたまらないのに、 頬先が触れてしまい、 電界と混ざりました。 無意識に建った旗のヨコ、 独りでに軸が折れ、 頬白の声 頭蓋の中、 恋われて凪がれました。 戯れに描いた文字の中、 独りでに角が折れ、 不可思議な音 小部屋の中、 煮切ってとろけました。 全ての罪を小部屋の中、 ひとりでに飲み乾して、 既に、 消え去ってゆく。 |
並べ唄 | ||
8115 | 壁に習った 厭きない者達、 その訓えを 継ごうとする、 横を見ては 誉め合い、 その集団を 作り上げる、 この光景を見た傍観者は、 可笑しな集団だと嘲笑する、 其々が其々に、 輝こうとしている事も知らず。 砂の時計を少女が落とす、 ベクトルの揃った此の世の中、 数多の嘘達を、眺め唄う。 只四つ伸びていた線の、 終わりを私達は誰も知らない。 全て、私達の物です。 縦に倣った 欠けない者達、 その光景を 紡ごうとする、 顔を見ては 好い合い、 その集団を守り上げる、 何時しかの感動、 消える事無く、 ただ呼起すだけの日々、 充ちかけの星、 消えかけの腕、 ナメクジは今日も生きている。 煤塗れの戯言を捨て、 ベールを被った大人を横目に、 欠伸を噛締めた、奈落の底。 只一つ置かれた点の、 終りを私達は誰も知らない。 壊れるモノは直せるのだと知って。 鋭い思考 火種を落とす、 べた一面に広がる残痕、 数多の言の葉を、並べ唄う。 只一つ置かれた点の、 終りを私達は誰も知らない。 全て、 私達の事で。 |
日常非日常 | ||
5202 | 割れた硝子の、 雨が止んでた、 廃頽の街、 太陽の光、 枯れ葉が、 あの子の、 不気味に、 傘にも、 目玉を運ぶ。 光る雨粒。 割れた液晶の隙間から出る、 此の世の闇の固形物、 濡れた電線に照らされている、 みんなのえがお。 逃げた。 走って 走って、 追い越した、 目の前の子の背中を見つめながら、 地面から伸びる、 無数の腐った腕。 もうすぐでゴール。 突き当たった通行止め、 足が疲れて、 後ろを振り向いた、 振り向いた、 それは私を捕食してきた。 |
無 | ||
3727 | 花瓶の足許、 印鑑の翳、 雪に感化した ピアノの様。 点てた碗の湯煙、 逸れた指先、 何処か、死んでしまいそうで。 割れ切った式の片隅で、 割り切れない貸しがあった。 溢れて透通ったみずが、 美しくてたまらない、 体を浮かせば 空に、 空になっていた。 意味の無い歌詞にも、 意味の無い唄にも、 歌い子には、 聴く其の耳は。 全て虞美の所為にした。 |
仮初 | ||
11878 | 見馳すその恍惚とした雲梯に、 駆け滑った少し前のコト。 終わりが頭の上を掠り光と為り、 私は顔を顰めてみました。 流れ流す既に融け切る電池に、 両端を塞ぐ様に握り締める、 終りの始る前の翳り闇となり、 私は汚れた腕を袖に通した。 自ら身体を差出していたのでした。 呑まれ服に入る、 海水が心地好く感じ、 少しずつカラダを歪ませている、 触れた事も無いような、 神苑に手を差伸べる、 中で救いを求める声に。 見放すその煌々とした光芒に、 駆け奔った少し前の事。 追われた頭の上を掠り血筋となり、 私の頚を濡らしていました。 剥がれ剥がす素手に融け入る衍字に、 両端を塞ぐ線を潰し捨てる。 終わりの始る前に影に溶け入り、 私は汚れた血筋拭き取った。 自らカラダを蝕んでいたのでした。 崩かけの身体を少しずつ、 固めてゆく時 情移って其の場に泣崩れている。 掬い出された民の、 純白な笑みを看たヨコで、 満足気に微笑む私の。 |
魔法使い | ||
3743 | 箒星が空に飛んで行った 瓶に映った望遠鏡 少し遠くでそれを眺める 私の実像 見得ず 割れ蕩け 棄てられて途へ拡がって 憾み妬んだ様に 私が呟き 只錆びて朽ちて行った 星くずの様な名の付かないモノ 擬かしく白く貫ける 一時の魔法の様で 惚けた顔をしていた 翠風が原を跳んで行った 人を惑わ蜃気楼 少し近く手をのばしている 私の爪痕 もう足も溶けている様で 塵埃の様な憎まれ行くモノ 早足で黒く貫ける 鳴り止まない時計の針の様で 直ぐに捨てた |
夏々 | ||
3631 | 扇風機のモーターの音、 なだらかな羽音が鳴った、 祭囃子の甘い掛け声、 手足が踊り始め。 夏の光 差し込まれてく、 軟らぐ涼風を添えて、 どうして蝉はこちらを向いて、 繰言を鳴くの? 籠を取り、 小網を担ぎ、 草原を駆けてました。 それは幼い自らの、 様なモノであり、 燥げば跳び回る程、 紅く燃え上がるのです。 それは道に咲く梔子が、 囁いた通り、 暮れ六ツ時になればもう、 我が家へと帰るのです。 後は野を超え山を越えと、 何処はと決めず駆けている、 妄想勾配猛進者が、 看板を下げる。 視神経に収容された、 数多の木々のざわめきが、 歓ぶ様にこちらを向いて、 凪がれるのでしょう。 籠を取り、 小網を担ぎ、 鈴虫を捕ってました。 それは幼い自らの、 様なモノであり、 燥げば跳び回る程、 紅く燃え上がるのです。 それは道に咲く梔子が、 囁いた通り、 暮れ六ツ時になればもう、 我が家へと帰るのです。 駆け寄り方が、 想い出せなくなりました。 全て只の思い出。 それは幼い自らの、 様なモノであり、 燥げば跳び回る程、 紅く燃え上がるのです。 それは道に咲く梔子が、 囁いた通り、 暮れ六ツ時になればもう、 我が家へと帰るのです。 柔らかな記憶。 沢山の思い出に、 触れようとしていたのか。 |
ベーレ | ||
5521 | 御手洗の水の奥に、 棲む小さな羽根、 顔を背けながら、 赤らめる頬。 感じたのか、 考えたのか、 其処に居るのか、 此処に来るのか。 ぬらりと萌ゆその我侭が、 彼女の顔を耀かすのか。 オパールの羽の下、 伸ばす小さな指、 羽を瞬かせながら、 散ってゆく花。 見つけたのか、 手を振ったのか、 其処で呼ぶのか、 此処へ寄るのか。 くらると揺るその歌意のみが、 私の羽も艶めかすのか。 注ぎ忘れたその命は、 貌を出すアベジェの様、 鷺が目もくれず居座るのは、 その芽の愛しさ故。 注ぎ足したその水面から、 揺らめく小さな腕、 こちらへおいでと誘う様に、 頬に触れた両腕。 |
響 | 66 | |
1881 | 頭 捕らえそびれ 見たままの 銃口に指を刺す 湿り滲んでしまった 滴るその汗と血さえも 小さな雪達は埋め隠すのでした 手首 握りそびれ 頭の中 亀裂の入った 地上戦の喧騒 滲み漏れ出てしまった 飛び散る声 その息さえも 劈くような残響に踏み躙られた いつか終わる事を祈った一人の天使 止まった侭 突き刺したヘルメットを 思え出したくも無い 要らないあの日の空気 かつて其処に在った 命じるだけの司令塔の下 ただここに響いた乾いた音のまま 彼方 覗き忘れ 聞いたままの 銃声に指を刺す 座り挫けてしまった 滴るその足 指さえも 小さな雪達は守っているのかな 記憶 捉えそびれ 頭の中 弾痕の入った 人と人の喧騒 湿り壊れてしまった 飛び散る髪 その胸さえも 劈くような共鳴に踏み躙られた いつか消える事を祈った一人の悪魔 止ったのは 突き出したヘルメット 思え出したくも無い 要らないこの日の空気 かつて此処に在った 感じるだけの罪悪感まで ただ僕は響いた静かな声のまま |
天秤にかけて | ||
64576 | 私の罪さえも消し、 旅立つ夜まで影になりて、 白い足跡滲む道へ、 花束を手向けに行くのでした。 有り触れた言葉の花が、 涙のーつで傾きました。 漂う海月に重ねて、 面影は人の波に溶けてた。 蟠る空に浮かぶ罪が、 縋る由無い愁いを語る。 冷笑じみた涙が濡らす、 色褪せた手紙の歌。 天秤にかけた己が声が、 ゆらり、揺れ動きました。 言葉の重みが繋いだのは、 忘れていた季節でした。 仄かに咲くランタンが、 静まる夜に灯りを灯し、 秤が傾いたのは、 あなたの所為だと謳いました。 微睡む草木が誘う仕草に、 揺蕩うその目は澱み融ける。 濃淡に酔い、 突き動かすは、 身を焦がす星の火花。 天秤にかけた己が声が、 ゆらり、揺れ動きました。 言葉の重みが繋いだのは、 忘れていた季節でした。 瞬く間に罪は流れ落ち、 旅立てぬ心は目を伏せた。 溢れ出した知りたがる声は、 寝静まる夜を抜けて。 天秤にかけた己が声が、 ゆらり、揺れ動きました。 言葉の重みが繋いだのは、 忘れていた季節でした。 天秤を捨て駆け出したら、 くらりと目眩がしました。 あなたの涙が紡いだのは、 色褪せた記憶でした。 夜空が反転をした。 影は光と化した。 星々に祈り歌えば、 あの時に戻れますか? あなたに会えるのですか? |
跳梁 | ||
6852 | 盾を穿つ白い槍でゆっくり倒れ込み、 雨も凍る間氷期で見た秘密です、 明け暮れの無い壊れた朝、 戸惑いに隠れて誤魔化して。 忘れたふりして あなたが傷つかないように、 湿った一の指で口を塞いでた。 愛で続ける言葉 河原鳩の羽が落ちて、 パタリ飛び立つのに 五尺二寸の背が伸びなくて、 背伸びしたって届かなくて。 息も潜む白い箱でゆっくり眠り込み、 指も割れる四季終わりに見た秘密です、 明け暮れて来た壊れた夜、 うつろいに隠して誤魔化した。 忘れたふりするわたしが 傷つかないように、 遅れた十の指で耳を塞いでた。 愛で続ける言葉 河原鳩の目が落ちて、 パサリ千切れるのに 六寸二分の羽が伸びなくて、 慰めなんて届かなくて。 忘れたふりして あなたが傷つかないように、 湿った一の指で口を塞いでた。 愛で続ける言葉 河原鳩の羽が落ちて、 パタリ飛び立つのに 五尺二寸の背が伸びなくて、 愛で続ける言葉 河原鳩の目が落ちて、 パサリ千切れるのに 六寸二分の羽が伸びなくて、 私は誰かわからなくて。 |
第四幕終劇 | ||
2213 | 足元を囚われて思考が歪んでいく。 自分が何者かも忘れて。 手首を檻に繋がれ 改竄される精神の底、 メルヘンの便りが差す。 もう動かない。 木の葉が落ちて、 輪廻(キセツ)という名の いのちの行く末を、 あなたに託して。 拾い上げて踏み潰して、 それで救われるのなら。 また芽生えることができるのなら。 |
𝄪 | ||
3750 | 溺れて沈みゆく物と、 託された書の裏に、 無くなるまで煮詰めた爪の朱、 やがて交わるのか。 類いを抱き枯らした声、 清く散って番いとなる、 迷い路の果て狂いましょう。 知らぬべきですか? 剥がれて飛んでいく物を、 さすらうあなたの手に、 無くなるまで溶かした夢、 まだ、すれ違っているのか。 類いを抱き枯らした声、 清く散って番いとなる、 迷い路の果て叫びましょう。 せめてあなたと共に。 |
C² | ||
7183 | 硝子の隙間を、通り抜けてた。 目敏い翅を風と共に、 私を探す音を聞いた。 戒めの声に、指を立てるのなら。 自尊心と嫉妬が、叫ぶでしょう。 燃やしつくされ、逃げてゆく、 鶸の口端で、 妖かしと、遊んでいた。 人の子は、笑っていた。 心の在り処を探し、捨てぬべき物さえ忘れ捨て去り、 いずこの扉へ、逃げて行った。 小さき声の妖精が、何千もの魂を、 ひとつの物語を描き出す。 徒然の日々と、遠ざかっていた。 誰かを憂う暇さえも、 無くなる気がしてしまって。 黄金の泉に、手を触れたとき。 悲しみと弱みが、溶けるでしょう。 漏らす息、似せた声、 うなりぐしゃぐしゃと、 顔だけが、笑っていた、 瞳だけが、泣いていた。 かつての居場所を潰してなお、 あなたの前に足跡が無くとも、 未だ何かの所為にするのですか。 失せ物が足掻いている、何度も蹴り落としている。 しばらく行方を晦ましても、 消えることはない。 あゝ、嘘を吐いてしまったようです。 また明日逢えますよ、 だから手を振って。 泣き顔のまま唄わず。 心の在り処を探し、捨てぬべき物さえ忘れ捨て去り。 いずこの扉へ、逃げて行った。 小さき声の妖精が、何千もの魂を。 ひとつの物語を描いて。 心の在り処を探す、摘んだ花の骸に口づけを。 残った翅だけが飛べる証拠。 小さな腕が伸びてゆく、行く宛のない悲しみを。 妖しい人の子が、笑って。 雨の音だけが、響いて。 |
エム | 1477 | |
合作 | 62041 | 真っ白に揺れている、警告を探し出し。 心成す儘鳶の顔、彗星の重なる千夜。 蛹割れない爪で、何を引っ掻きだして。 遮断桿の上飛び越し、 昨日が遊んだ。 真円の暦と、 それに傅く色。 踵踏まずにて、等号形が。 第一質料と、止揚の意味は、 集まりデンチを巻きました。 幾千の標識が阻むのは、 数多のエムですか? エラーコインは棄てられました、 希望は見えますか? 赤巫女様の耽り、マイクロの冷たい目。 有為転変の緑青は、危険の文字を表して。 速度制限の中、シグナルの霤は。 信号機が途切れていた、 警報機の音。 藁人形が止まる、 還元剤の風で。 星に還る様に、稗は呑まれて。 路線バスたちは影を求めてた、 7×7=49の墓場です。 幾千の標識が阻むのは、 数多のエムですか? エラーコインは棄てられました、 希望は見えますか? 古めかしい凹凸は均すべき。 さもなくば零細の恐れあり。 錆びつく標識達は、 斯く語りき。 幾千の標識が阻むのは、 数多のエムですか? エラーコインは棄てられました、 希望は見えますか? 幾千の標識が阻むのは、 数多のエムですか? エラーコインは棄てられました、 希望は見えますか? 絶望は終りますか? |
フラクタル | 130 | |
合作 | 5296 | 夜明けに見た慟哭に 憂い労う嘲笑が、 また紛らわしく苛立たせ 奮い立たせているのです。 酔い癡れたことはあるのですか。 偶然なのか? 必然なのか? 夜桜舞うその畦道が、 木漏れ日になる峭刻となる。 朝焼け空に輝く 淡く微笑む星の詩、 春が終わり夏の花が咲く 痣となり残るのです。 血塗られたことはあるのですか? 憂鬱なのか? 爽快なのか? 夜桜舞う中その道を、 彷徨いの果て後悔をする。 細流を腕で掻き乱した、 故に深海まで佇んで、 幾つか魁星に泪して、 ひぐらしが鳴いたのです。 細流を腕で掻き乱した、 故に深海まで佇んで、 幾つか魁星に泪して、 ひぐらしが鳴いたのです。 |
物語 | ||
6755 | 誰もが知る物語があり、 誰もそこから先は知らずに、 誰が何をもみ消してたのか、 見ていたあなただけが知る。 あなたがなぞる物語達が、 あなたから先を知らせてる、 あなたが何をもみ消していたのか、 なにに怯えているの? それは砂ばかり広がる三和土の様だった。 石化した瞳が涙を流して、 固まった羽を動かし、 遠い祈りの歌を囁く。 見ず知らずの身体で這う様に叫び、 割れかけの爪で封の開かぬ扉を引掻いている。 いつか知らせる物語があり、 いつかそこから先を想う、 いつか何かをもみ消すのならば、 わたしだけに教えて。 あなたがなぞる物語達が、 あなたから先を知らせてる、 あなたが何をもみ消していたのか、 なにに怯えているの? それは無数に穴の空いた教室の様だった。 石化した瞳が涙を流して、 固まった羽を動かし、 遠い祈りの歌を囁く。 見ず知らずの身体で這う様に叫び、 消えかけの波も二度と消えぬ歴史を描いてる。 |
摘発 | ||
4501 | それはどれほど辛いのでしょう、 全て汚され捨てられて、 それがどれほど辛くても、 見捨ててゆくのはだあれ? それは辺りを血色に染める様で、 ただそこにぺたり座り込んで、 染みたよもや紅のドレスを纏った、 白銅色の人形でした。 波が揺れ姿を残す間もなく溶けて。 身を投げ棄てる、 一人また一人胸を潰して、 混沌を植え付け、 錯乱してく意識の中、 自らの首が背中を見つめていた。 それはどれほど痛いのでしょう、 全て剥がされ晒されて、 それがどれほど痛くても、 傷つけゆくのはだあれ? それは辺に鍵をかけていく様で、 ただそこにひたり座り込んで、 染みたよもや紅玉で出来たナイフを、 白銅色の皮膚に食い込ませた。 悪を殺し心的外傷を対価に救ったとき。 身を投げ棄てる、 一つまた一つ胸貫き、 傷跡を庇って、 錯乱してく意識の中、 精一杯の笑みをただ見せつけて逝った。 |
秋咲き戻ると紅葉は去って | ||
5136 | 私が全て消えるなら、 それは救いかただの紛いで。 堕ちた星を眺めてる、 それに救いは求められなくて。 はないちもんめするおやしろは、 直ぐにお帰りよと、 とんっと背を押してくれたけど、 手を閉じたら、 風に溶けていた。 帰りの空がどれだけ曇りで、 雨や木の葉が吹いて来ようと、 秋咲き戻ると紅葉は去って、 秋刀魚のような匂い乗せていった。 二人走る有為転変、 空の雲が鯨みたいで。 ただひたすらオレンジの道、 それにこころは感じなくて。 こまかく ゆらしたねこじゃらし とびはねて むじゃきになって ときもこえも もうわすれてく たのしそうに えがおをみせた 帰りの空がどれだけ曇りで、 風や木の実が転がって来ようと、 秋咲き戻ると紅葉は去って、 鮪のような匂い乗せていくでしょう。 草鞋履いたあの子に、 今日はごめんねと言えず、 緩やかに時計を待ち、 チャイムの後、 雪も降るでしょう。 帰りの空がどれだけ曇りで、 風や木の実が転がって来ようと、 秋咲き戻ると紅葉は去って、 鮪のような匂い乗せていくでしょう。 帰りの空がどれだけ曇りで、 雨や木の葉が吹いて来ようと、 秋咲き戻ると紅葉は去って、 短い時の中へ消えるでしょう。 私を全て忘れるなら、 私はそれだけ嬉しくて。 |
宴 | ||
4024 | 闇夜の森の奥の、 扉を開けてみて、 血の付いた招待状は、 右のポケットにありますか? いたずらな蝙蝠の、 囁き声に誘われて。 蜘蛛の糸が絡んでる、 南瓜提灯を眺めてた、 それは生きた骸骨が、 わたしを狙ったのでした。 戯れに誘われし人間は皆、 ひとりでに血を求め、 心地よい痛み 頭蓋の中、 従うしかないのです。 誰かの叫ぶ声に、 耳を取られていました、 ノイズ混じりに出てくる目が、 胸骨から溢れてしまいそうで、 南瓜つまみ喰いして、 吸い取られてしまったよ。 漏れ出た赤い液が、 欲しくてたまらないので、 牙先が触れてしまい、 神経を溶かしました。 戯れに侵されし人は皆、 ひとりでに血を求め、 心地よい痛みで頭蓋の中、 わたしを追って来ました。 戯れに誘われし人間は皆、 ひとりでに血を求め、 心地よい痛み 頭蓋の中、 抗えずに堕ちてゆく。 沢山の目が光り、 あなたを待っている。 |
宴宴 | ||
7073 | 蛍光灯の明かりの下、 見知らぬ森の奥底の方、 人を惑わす甘い香りで、 手足が独りでに誘われる。 からだ中に差し込まれてく、 魔なる者の冷たさが、 明滅する意識の中で、 逃げ道を探し出す。 地を彷徨い、 引っ掻き削る、 新たな贄を求めて。 いつも見ていた光景を、 疑ったことはありますか、 赤黒い火が揺らいだ時、 灰へと還ってゆく。 いつも見ている夢の中、 空の意識は扉の外、 もがく腕や足はいずれ、 眠るあなたの元へ。 骸は踊りされど戻らず、 何も知らない街は腐り、 かくれんぼして鬼ごっこして、 捕まったあなたはヒトですか? 湿り続けてる部屋の隅、 魔なる者の潜む息が、 黒い月に映し出されて、 抜け道で待っている。 地を彷徨い、 引っ掻き削る、 迷える贄を求めて。 いつも見ていた光景を、 疑ったことはありますか、 赤黒い火が揺らいだ時、 灰へと還ってゆく。 いつも見ている夢の中、 空の意識は扉の外、 もがく腕や足はいずれ、 眠るあなたの元へ。 帰りの道を、 思い出しても帰れない、 従うしかないのです。 いつも見ていた光景を、 疑ったことはありますか、 赤黒い火が揺らいだ時、 灰へと還ってゆく。 いつも見ている夢の中、 空の意識は扉の外、 もがく腕や足はいずれ、 眠るあなたの元へ。 冷え切った身体で、 沢山齧りつくし、 あなたを待っている。 |
伏臥 (short) | ||
3522 | あなたが見ていた黒い壁に、 小さく開いている圓い穴を、 見つめていた、 透き通る音だけを聴いて、 足音をずっと追いかけていた。 何時しか覚えた牙で、 求めた忘れた色を、 壊して壊してしまった、 後悔の雨粒掬って、 頭を抱えて殴った、 その文その音、 もう誰にも届くことなんて なかったのです。 窓際の囀り散る華達を、 今も未だ隅から眺めているのでした。 ずっと上で翔んでいるあなたの気色教えてよ、 もう戻れないと知った、 あの日こと。 きっと。 |
■●▲ | ||
見ていたような気がした、 足枷を引き摺る私、 開かずの戸にしがみ付いたまま、 鍵だけを捨てました。 走ったような気がしたのは、 腐敗した腕の生える道、 見せられていたのは、 私を撲る彼女の顔。 十の銭を押し込んで、 外れた受話器を握り緊め、 ドアを開ける音、 聞覚えの無い声に泣き叫ぶ私。 不快に音を鳴らした、 喘ぐ細い息、 概念化した彼女の仮名は、 捨てられてく、忘れられてく、 こちらを覗く東雲、 現の微睡み、 目を閉じる様に腕を伸ばし、 連れ込むのでしょう。 泪零す君の顔。 見ていたような気がしたのは、 迫り繰る時間だけ、 聞いていたような気がしたのは、 やけに煩い針の音。 走ったような気がしたのは、 誰も居ない砂利道で、 意味を求めるかの様に、 ただ追いかけているだけで。 凍る声を押し込んで、 ノックもせずただ押し開けて、 それは止め処なく流れていた、 宙ぶらりんと見開く眼。 ただ暖かに故落ちて行く、 誰も止め方がわからずに、 噛もうとした私の外套は、 誰に触れる事も無く透けてゆく。 不快に音をならした、 夜を彷徨って、 概念化した彼女の腕は、 私の腕をつまみ損ね。 こちらを覘く東雲、 現の微睡み、 沢山の私達が、 手を差し伸べてたのか。 |
妹華 | ||
5775 | 影依り見えず居た、 悲しく背を向けた儘、 戸に縋り付いて、 今も目覚めず繭の中。 唄声も届かない、 幸せな時に、 隠れ続けていたいのに。 咲くの? 言えない筈の、 ホンネの裏側で、 有りもしない涙で濡れている、 幼い言葉、 綴るこの指が、 掠れて動かなくなるまで、 そっと。 五ツ眼刺されていた、 寂しく背けてたのに、 強がり見せつけ 今も隠して繭の中。 泣き声も慰めも、 何も届かない、 その苦しみを教えて。 今は言えない筈のホンネの裏側で、 私達から離れて行こうと、 強がる言葉、 綴るその指は、 あなたに何を見せているの? そっと。 |
妹華 (Extended) | ||
5775 | 影依り見えず居た、 悲しく背を向けた儘、 戸に縋り付いて、 今も目覚めず繭の中。 唄声も届かない、 幸せな時に、 隠れ続けていたいのに。 咲くの? 言えない筈の、 ホンネの裏側で、 有りもしない涙で濡れている、 幼い言葉、 綴るこの指が、 掠れて動かなくなるまで、 そっと。 五ツ眼刺されていた、 寂しく背けてたのに、 強がり見せつけ 今も隠して繭の中。 泣き声も慰めも、 何も届かない、 その苦しみを教えて。 今は言えない筈のホンネの裏側で、 私達から離れて行こうと、 強がる言葉、 綴るその指は、 あなたに何を見せているの? そっと。 |
姉華 | ||
2926 | 見えていますか、 燈火の彩は、 未だ明けることのない、 凍てつく夢の中。 見えていますか、 失くした左が、 気にならない程ずっと、 後ろへ居れますか。 その足音には、 誰かに急かされたような、 隠れた悲しみなの、 知りたいのに。 咲くの? 何より美しく、 何より眩しすぎて、 私よりも前で、 咲いて散るのでしょう。 誰かが描いた、 静かな時間を、 もう護れる程強く、 生きて往くのでしょう。 言えていますか、 本当のきもちは、 未だ晴れることのない、 穴あき傘の中。 癒えていますか、 失くした涙は、 身を虫喰むほどずっと、 痛くて辛いもの。 その足元から、 何かを感じ取るような、 隠れた優しさなの、 知ってほしい。 今は何より逞しく、 何より眩しすぎて、 私よりも前へ、 先へ散るのでしょう。 誰かの描いた、 ワガママなシナリオ、 もう壊せるほど強く、 生きていくのでしょう。 |
姉華 (Extended) | ||
2926 | 見えていますか、 燈火の彩は、 未だ明けることのない、 凍てつく夢の中。 見えていますか、 失くした左が、 気にならない程ずっと、 後ろへ居れますか。 その足音には、 誰かに急かされたような、 隠れた悲しみなの、 知りたいのに。 咲くの? 何より美しく、 何より眩しすぎて、 私よりも前で、 咲いて散るのでしょう。 誰かが描いた、 静かな時間を、 もう護れる程強く、 生きて往くのでしょう。 言えていますか、 本当のきもちは、 未だ晴れることのない、 穴あき傘の中。 癒えていますか、 失くした涙は、 身を虫喰むほどずっと、 痛くて辛いもの。 その足元から、 何かを感じ取るような、 隠れた優しさなの、 知ってほしい。 今は何より逞しく、 何より眩しすぎて、 私よりも前へ、 先へ散るのでしょう。 誰かの描いた、 ワガママなシナリオ、 もう壊せるほど強く、 生きていくのでしょう。 |
ケイ | ||
19052 | 竹林に続く道の、灯篭の薄笑い。 斜めに奔る光芒は、額の熱を溶かしていく。 狐の面を被った、人の世の狼が。 小社の中から飛び降りて、 明日を作っていた。 曲線上の息と、 それに触れる怖さ。 見栄の指さしも、届かないのです。 鉄製のバットと子供だましで、 喉と腕首を裂きました。 私の感覚の中、 君はケイでした。 二千円札が濡れてきました、 猫は見えますか? ”ごちそうさま”が聞こえ、陽炎で福笑い。 生で煮立ったコンソメが、粋な感じて溶けていく。 苦痛は地下室では、人成らぬ顔隠し。 ぬいぐるみの綿はなくて、 今日も待ちぼうけ。 丸太越しに眠る、 まるで赤の他人。 声の届かない、舌は動くけど。 アナクロニズムは今でも金剛で、 4x2=8 死人に梔子。 私の感覚の中、 君はケイでした。 二千円札が濡れてきました、 猫は見えますか? どうしても許せはしないの。 真っ黄色、夢の中へ。 真っ直ぐに私だけを。 私の感覚の中、 君はケイでした。 二千円札が濡れてきました、 猫は見えますか? 私の感覚の中、 君はケイでした。 二千円札が濡れてきました、 猫は見えますか? 私だけのモノ。 |
蝕 | ||
7978 | 確かめる二人の命の絆、 足元にわたしの影の音が響く、 首肯さえ出来ずに甚だしくて、 鍵の音が近付き壊れるのです。 燃えて灰となり、 純白の色の、 檻の中から手を招き、 相反する抑揚で、 静謐を祈るのか。 くらりと回る足、 斥力に導かれて、 プツリと途切れる音、 箱の中の夢のその先に、 祈りを捧げてはいけません。 蓋の無い彼等の蠢く姿、 背後からこちらへ来る下駄の響き、 首肯さえ出来ずに甚だしくて、 過ぎ去った心に目が眩むのです。 夢寐に囚われて、 気付かないまま、 回る運命の赤い火が、 公に晒しては、 未熟に感じるのです。 不透明な時雨、 目と目が合わさった音、 ガチャリと閉まる蓋、 熱に揺られ煙突の方、 燃やされ灰になるのです。 燃えて灰となり、 純白の色の、 檻の中から手を招き、 相反する抑揚で、 静謐を祈るのか。 くらりと回る足、 斥力に導かれて、 プツリと途切れる音、 箱の中の夢のその先に、 不透明な時雨、 目と目が合わさった音、 ガチャリと閉まる蓋、 熱に揺られ煙突の方、 狂酔しては舞い戻る。 |
想い | ||
4639 | 利己的な方眼鏡、 曇り空隠す曇り止め、 小さい歩幅を隠せない、 本を抱えていた。 反射的な語呂合わせ、 その場凌ぎの音合わせと、 小さい肩がぶつかり合い、 凪ぐ国道の上。 回る環を擦る穴がみっつ、 駆け入る子供は可憐であり、 石畳は汚れずにいる、 その声をヒビカセてた。 嘶いて近づいては、 三つ子の高鳴りを立てる、 模範と化した心はいずこ、 小さく習い大きく成った。 孤児の子には足袋を履かせ、 三つ子の魂の百鬼夜行、 笑う門にはく福笑いと、 飛んで陽を射る夏の祭り。 寒がりな色眼鏡、 水玉を隠すドット柄、 大きい音がぶつかり合う、 凪ぐ星空を見て。 反射的な音合わせ、 その場凌ぎの語呂合わせと、 大きい歩幅で跨ぐ跡、 物語はいずこ? 滑る環を擦る穴がひとつ、 駆け入る大人も可憐であれ、 和紙畳は汚させずいる、 その声を聞きましたか? 嘶いて近づいては、 三つ子の高鳴りを立てる、 模範と化した心はいずこ、 小さく祓い大きく成って、 かわいい子には足袋を履かせ、 三つ子を労う百鬼夜行、 笑わぬ戸にも福来たれと、 祈り咲いては夏の花火。 誰かの所為にした事、 わたしの所為にした事、 あなたの所為にした事、 誰の責任でもなく。 嘶いて近づいては、 三つ子の高鳴りを立てる、 模範と化した心はいずこ、 小さく祓い大きく成った。 孤児の子には足袋を履かせ、 三つ子の魂の百鬼夜行。 笑う門にはく福笑いと、 飛んで陽を射る夏の祭り。 嘶いて走り抜けて、 心臓の高鳴りにかける、 模倣と化した命はいずこ、 小さく習い大きく成って、 かわいい子には足袋を履かせ、 三つ子を労う百鬼夜行、 笑わぬ戸にも福来たれと、 どうか許して欲しかったの。 |
並べ唄 (short) | ||
2480 | 壁に習った 厭きない者達、 その訓えを 継ごうとする、 横を見ては 誉め合い、 その集団を 作り上げる、 この光景を見た傍観者は、 可笑しな集団だと嘲笑する、 其々が其々に、 輝こうとしている事も知らず。 鋭い思考 火種を落とす、 べた一面に広がる残痕、 数多の言の葉を、並べ唄う。 只一つ置かれた点の、 終りを私達は誰も知らない。 全て、 私達の殊で。 |
2K | ||
6155 | かすかな陰影に、気を取られていた。 一寸先の灯の中へ、 吸い取られて消えていった。 劣情に飲み込まれ、転げ落ちる夢も。 覚めてもそれから先のことを、 愁い続けるでしょう。 たとえ嘘でもいい、それが業でもいい、 忘れて仕舞う前に記して、 狐の子が、覗いていた。 開かずの扉に、縋る様に。 そこに存在する筈も無いもの、 抜けた電源コード、外れた蓄電池。 いつか私を動かしていたような。 何を糧にして、何を汚して、 寂しく並べていく、 愚なる身を捧げた儘。 かすかな残り香を、探し当てる様に。 藁に巻き付いた御守りを、 自ら解き解く様に。 愛情に取り残され、指を挫く過去も。 正しさを唱え砂の奥へ、 埋もれ続けるでしょう。 高が絵空事、高が世迷い言、 壊れて仕舞う前に叶えて、 狐の子は、眠っていた。 開かずの扉に、願う様に。 揺られる先の分からぬ列車に、 誘われていた、惑わされていた。 願わぬ事も全て連れていくような。 かつて名を残し、夜越しの夢を、 片隅で思い出す。 後ろへと並ぶ者が、 恋しくて。 ああ、ついに拾われることの、 無かった鉤括弧でした。 私の頬に添えられた。 果たして誰ですか? 白鷺に水を掛ける。 そこに存在する筈も無いもの、 抜けた電源コード、外れた蓄電池。 いつか私を動かしていたような。 何を糧にして、何を汚して、 寂しく並べていく、 愚なる身を捧げた儘。 そこに存在するか、 信じてもいいのですか。 かつて誰かを乗せていた、濡れた吊り革、 行き先の掠れた切符、 優しく口で咥えて、 狐の子が運んで来ます。 自ら進み迷える様に。 |
見舞い | ||
合作 | 26433 | 久しくなりますが、 見えていますか? 彷徨う果て、 書き記すは即ち、 凛とした視線、 目を逸らし荒んだ、 過ちを足す唄。 風に乗れ、 未だ明は見えず。 もがき苦しみ、 歪もうとも。 祭殿に委ねた身が、 遠い意味を示した。 癖にあらずとも。 風に乗れ、 未だ今日は見えず。 既に遅れて、 しまおうとも。 集合に委ねた身が、 遠い未知を示した。 時が過ぎようとも。 捲るページの先は過ち、 再度過ち、たちまち恥曝し。 拒む路地裏 視線、 手を伸ばす振りをした、 過ちを見た唄。 蔑ろ、濁る眼は。 憤り、 繰り返し、 繰り返し、 やり直し。 そうとした事項に傾いて、 しがみ付く様を見ました。 「風に乗れ」 嫌だ、と背を向ける。 やがて苦しみ、 崩れようとも。 感情に委ねた身が、 遠い位置を示した。 時計が止まる音。 縛り ピンを付ける、 停滞の重みは、 再び戻ること無く。 陽が20を指した頃、 影の向く方を決めろ。 愛とした書き写し、 脊髄の隅まで飲み込んで。 風に乗れ、 未だ明は見えず。 もがき苦しみ、 歪もうとも。 祭殿に委ねた身を、 遠き先に託した。 時にあらずとも。 風に乗れ、 未だ今日は見えず。 既に遅れて、 しまおうとも。 集合に委ねた身が、 遠い未知を示した。 息が切れようとも、 知らぬ灯が見えた。 |
endendendendendendendendend | ||
1320 | 誰かの声がわたしとあなたの、 内緒話を黒く塗りつぶす。 行く宛のない小さな熱を見て、 咲うメイプル色の空を飛ぶ。 例え走った先に何も無い 世界が待っているとしても、 変わらない場所に別れを 告げると決めていたのに。 どうして見つけてしまったの、 わたしの声を。 わすれないで あなたと共に、 わたしはずっと物語の中ですが、 もう少しだけ物語を読んでいてほしい、 きっと誰かが続きを綴ってくれるから。 |
箱庭(short) | ||
のんらな 色、 くなとにきに なる、 赤い実が もにかいんら と叫ぶ、 にかちにのい な私を強く。 しちのに しめてよ。 私だけをずうっと、 だけどもう、 からしら かない どうすれば ににみら ? この星には知り得ないもの、 私達だけのおとぎ話。 ヒミツにしよう、箱庭の中で。 静かに舞う花弁。 |
火種_SBGMremix (short) | ||
2148 | 大きなその指先で、 綺麗にそれを一撮み、 泣きっ面を狙う蜂の如く、 全て悲しくて。 全身を奮い立てて、 羨望の絵空事思ったら、 飛んで火に入る夏の虫如く、 どこか壊れてく。 他人の名誉に泥を塗った、 全て虞美の所為でした。 一つ撒かれた種が芽生えて、 風下へと流れていたら、 人はそれらを、 遠い眼で、 愛し、護っていく儘で。 その終りを眺める事や、 擱かれた意味の詮索までも、 倦厭されて、 海を漂う、 思い出に見えるのです。 |
夢現の記憶。 | 125 | |
合作 | 3508 | 雁字搦めに絡まる、 試作を繰り返しあの天に立つ。 仄めかす緋色の記憶の欠片を、 少女の心を抉りました。 灯火を追いかけて、 古びた鳥居の真下通り過ぎて、 不安を生み出して、 心を燻るのです。 月明かりに照らされて、 不死鳥が飛び立つ跡、 ガチャリ、嵌め込む音、 幻想の中、月の姫が笑う、 恋に縋り砕け散る。 孤独を枯らす血液は、 駄作を変化をし土へと堕ちる。 甦るテトラフォビアの憂鬱を、 ぼくらの体を潰しました。 安らぎを追い求め、 頭上を貫いて故死に至る。 尽きる事も分からずに、 枯れて消えるのです。 フレームから覗き込む、 刹那に終わるのなら、 グシャリ、潰れる音、 夢現で恋の、 洗脳に揺れ、 不可思議に罠を掛ける。 |