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扇風機のモーターの音、 なだらかな羽音が鳴った、 祭囃子の甘い掛け声、 手足が踊り始め。 夏の光 差し込まれてく、 軟らぐ涼風を添えて、 どうして蝉はこちらを向いて、 繰言を鳴くの? 籠を取り、 小網を担ぎ、 草原を駆けてました。 それは幼い自らの、 様なモノであり、 燥げば跳び回る程、 紅く燃え上がるのです。 それは道に咲く梔子が、 囁いた通り、 暮れ六ツ時になればもう、 我が家へと帰るのです。 後は野を超え山を越えと、 何処はと決めず駆けている、 妄想勾配猛進者が、 看板を下げる。 視神経に収容された、 数多の木々のざわめきが、 歓ぶ様にこちらを向いて、 凪がれるのでしょう。 籠を取り、 小網を担ぎ、 鈴虫を捕ってました。 それは幼い自らの、 様なモノであり、 燥げば跳び回る程、 紅く燃え上がるのです。 それは道に咲く梔子が、 囁いた通り、 暮れ六ツ時になればもう、 我が家へと帰るのです。 駆け寄り方が、 想い出せなくなりました。 全て只の思い出。 それは幼い自らの、 様なモノであり、 燥げば跳び回る程、 紅く燃え上がるのです。 それは道に咲く梔子が、 囁いた通り、 暮れ六ツ時になればもう、 我が家へと帰るのです。 柔らかな記憶。 沢山の思い出に、 触れようとしていたのか。