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見馳すその恍惚とした雲梯に、 駆け滑った少し前のコト。 終わりが頭の上を掠り光と為り、 私は顔を顰めてみました。 流れ流す既に融け切る電池に、 両端を塞ぐ様に握り締める、 終りの始る前の翳り闇となり、 私は汚れた腕を袖に通した。 自ら身体を差出していたのでした。 呑まれ服に入る、 海水が心地好く感じ、 少しずつカラダを歪ませている、 触れた事も無いような、 神苑に手を差伸べる、 中で救いを求める声に。 見放すその煌々とした光芒に、 駆け奔った少し前の事。 追われた頭の上を掠り血筋となり、 私の頚を濡らしていました。 剥がれ剥がす素手に融け入る衍字に、 両端を塞ぐ線を潰し捨てる。 終わりの始る前に影に溶け入り、 私は汚れた血筋拭き取った。 自らカラダを蝕んでいたのでした。 崩かけの身体を少しずつ、 固めてゆく時 情移って其の場に泣崩れている。 掬い出された民の、 純白な笑みを看たヨコで、 満足気に微笑む私の。