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見えていますか、 燈火の彩は、 未だ明けることのない、 凍てつく夢の中。 見えていますか、 失くした左が、 気にならない程ずっと、 後ろへ居れますか。 その足音には、 誰かに急かされたような、 隠れた悲しみなの、 知りたいのに。 咲くの? 何より美しく、 何より眩しすぎて、 私よりも前で、 咲いて散るのでしょう。 誰かが描いた、 静かな時間を、 もう護れる程強く、 生きて往くのでしょう。 言えていますか、 本当のきもちは、 未だ晴れることのない、 穴あき傘の中。 癒えていますか、 失くした涙は、 身を虫喰むほどずっと、 痛くて辛いもの。 その足元から、 何かを感じ取るような、 隠れた優しさなの、 知ってほしい。 今は何より逞しく、 何より眩しすぎて、 私よりも前へ、 先へ散るのでしょう。 誰かの描いた、 ワガママなシナリオ、 もう壊せるほど強く、 生きていくのでしょう。