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影依り見えず居た、 悲しく背を向けた儘、 戸に縋り付いて、 今も目覚めず繭の中。 唄声も届かない、 幸せな時に、 隠れ続けていたいのに。 咲くの? 言えない筈の、 ホンネの裏側で、 有りもしない涙で濡れている、 幼い言葉、 綴るこの指が、 掠れて動かなくなるまで、 そっと。 五ツ眼刺されていた、 寂しく背けてたのに、 強がり見せつけ 今も隠して繭の中。 泣き声も慰めも、 何も届かない、 その苦しみを教えて。 今は言えない筈のホンネの裏側で、 私達から離れて行こうと、 強がる言葉、 綴るその指は、 あなたに何を見せているの? そっと。