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硝子の隙間を、通り抜けてた。 目敏い翅を風と共に、 私を探す音を聞いた。 戒めの声に、指を立てるのなら。 自尊心と嫉妬が、叫ぶでしょう。 燃やしつくされ、逃げてゆく、 鶸の口端で、 妖かしと、遊んでいた。 人の子は、笑っていた。 心の在り処を探し、捨てぬべき物さえ忘れ捨て去り、 いずこの扉へ、逃げて行った。 小さき声の妖精が、何千もの魂を、 ひとつの物語を描き出す。 徒然の日々と、遠ざかっていた。 誰かを憂う暇さえも、 無くなる気がしてしまって。 黄金の泉に、手を触れたとき。 悲しみと弱みが、溶けるでしょう。 漏らす息、似せた声、 うなりぐしゃぐしゃと、 顔だけが、笑っていた、 瞳だけが、泣いていた。 かつての居場所を潰してなお、 あなたの前に足跡が無くとも、 未だ何かの所為にするのですか。 失せ物が足掻いている、何度も蹴り落としている。 しばらく行方を晦ましても、 消えることはない。 あゝ、嘘を吐いてしまったようです。 また明日逢えますよ、 だから手を振って。 泣き顔のまま唄わず。 心の在り処を探し、捨てぬべき物さえ忘れ捨て去り。 いずこの扉へ、逃げて行った。 小さき声の妖精が、何千もの魂を。 ひとつの物語を描いて。 心の在り処を探す、摘んだ花の骸に口づけを。 残った翅だけが飛べる証拠。 小さな腕が伸びてゆく、行く宛のない悲しみを。 妖しい人の子が、笑って。 雨の音だけが、響いて。

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2024-12-18(ver.1470)

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