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寂れた平野の村、 ドアを開けてみて、 人など居ない筈なのに、 旅人は躍り出す、 窓際から滑り落ち、 叩きつけられて、 やむ終えず覘いたら、 頭が割れていました。 戯れに描いた文字の中、 独りでに門が折れ、 不可思議な音 小部屋の中、 握って響ました。 不可思議な貌 牡丹の中、 独りでに頸が折れ、 全て虞美の所為で。 見い出た黒い函が、 鋳たくてたまらないのに、 頬先が触れてしまい、 電界と混ざりました。 無意識に建った旗のヨコ、 独りでに軸が折れ、 頬白の声 頭蓋の中、 恋われて凪がれました。 戯れに描いた文字の中、 独りでに角が折れ、 不可思議な音 小部屋の中、 煮切ってとろけました。 全ての罪を小部屋の中、 ひとりでに飲み乾して、 既に、 消え去ってゆく。