全てわたしの時です。
映画館 | 55 | |
1191 | 造られたモノたちは、 描かれてる儘に、 それぞれの時を流して、 心を掴んでくる。 絵の中に在る感情、 願いが叶うフィクション、 何時からか問い掛けてきて、 捨てた夢を拾った。 注がれた作者の熱意が、 只管に闇に映るのだ。 人を引き寄せ、其の今描き、 運命のドアを開く。 暗い広い 部屋で奏でる、 懸命の秀作に、 見入っていた、 引き込まれてた、 全てわたしの時です。 人の夢は伝い、 これにそっと色落とし、 虚しさすら感じながら、 夢幻にしてゆく。 見える筈のない意味を問う者、 意味を殺してきた悪い声も、 押し留めて、零した時は、 また儚く揺らめいて。 四辺形の箱庭に映った、 ふと惹かれてた心、 また 操られ しかし自意識、 空想に身を任せて。 流れゆく時に誰かが、 「この物語の本意とは何か?」 過去に見つけた、感動をまた、 ここに映したくて。 暗い広い 部屋で奏でる、 懸命の秀作に、 見入っていた、 引き込まれてた、 全てわたしの時です。 四辺形の箱庭に映った、 ふと惹かれてた心、 また 操られ しかし自意識、 全てあなたにわたしの時を。 |
gT²(2π)⁻¹ | 49 | |
885 | 感覚の外で、跪いていた。 目癈の虫がただ、何かを知らせに来るのです。 翅を持たぬヒトは、 滅びて征くのです。 忘れられた過去は、 雨と共に流れた。 其れは、わたしの誤ちに乗じて、 穢れた真実を洗い、創り返る様で。 刹那の、時の狭間。 例え其れが、儚い物語でも、 悲しみに沈んだとしても。 冷たい海の底で春風を、 感じていたい。 憾みに塗れたバケモノが、 詩に溶けて、 水底の街、 暗澹の声に浮かんでいたい、 果ての先へ。 |
夢眺望 | 37 | |
673 | 明らかに燃ゆる 時化た疑問詞 雨模様の踏切と 創られた火蹴り 次第に包み隠す、 鮮明な火蹴り。 プラシーボの波紋は、 躰を握る。 怪訝を介し 今宵を泥む 電柱を 霧と共に 先を見失う儘に 真を惢え、 汝の刻を呪い、 嫌う筈の己を、 嘆き只殺すか。 厭世が摂理、 白々明けの乖離と、 鎖で閉じた運命を、 鴉に見做し。 怪訝を介し 今宵を泥む 電柱を 霧と共に 先を見失う儘に 真を惢え、 汝の刻を呪い、 嫌う筈の己を、 嘆き只殺すか。 厭世が摂理、(化現を介し) 白々明けの乖離と、(今宵を泥む 殿中を) 鎖で閉じた運命を、(錐と共に 迷え) 鴉に見做し。 |
邂逅 | 80 | |
1738 | 言葉の裏に隠された、 見え透いた悪意が鼓動を刺す。 言葉が放たれた時、 誰かの背中を押す。 高い、高い場所を目指し、 愚かな夢を想う。 気が附けば、足場を失って、 邂逅を果たすでしょう。 言葉を軽く着飾った、 傷附いた善意が鼓動を絞める。 言葉を誤解し責める時、 誰かの神髄を焼く。 高い、高い場所から降り、 愚かな夢が叶う。 気が附けば、心が抜け落ちて、 邂逅を果たしました。 騒めく影の群衆が、 囃し立て、後込みし、 円を描く。 爪痕も消され、忘れられ、 遺る事も無いでしょう。 |
カモミール | 78 | |
合作 | 2025 | 寂れた道路に居た、 鬱めかしさをまとった暗い機影。 どこか見過ごせなくて、 固く冷たい腕を引いてみた。 共に立つ日々に浮かぶのは、 不安でしょうか? 迷いでしょうか? はじめはなかった筈のモノを、 互いが互いに想う様で。 唯救いたかったの、 /只救いたかったの。 表も裏もないって信じてよ。 /こうすることしかできないの。 お互い様でしょうか、 /使命から逃げ続けた。 私もあなたを信じられずいる。 /信じて欲しい我儘で。 わたしの存在意義なんて、 /逃げ去った言葉の意味は、 分からずじまい。 分からなくていい。 何故か、気付けば此処に居た。 /雨をかき分け辿り着いた、 その場所は同じ寂れた道で。 あなたの肩に触れようとした、 /意識の外で何が起きて、 私は強く跳ね除けられた。 /わたしは何を。 冷たい目で見ていたあなたは、 /思考回路は所詮、 逆らおうとしていたの? /造りモノなのですか。 私の真ん中を突き刺して、 /わたしは、逃げる事は、 雨の青と混ざる赤飛沫。 /許されないのですか。 最後の刻に感じたのは、 /殺戮と云う言葉。 あなたの涙粒でした。 /わたしは目を開く。 闇色に染まる雨の下、 紅色の彼女を見る。 弱さ故、守れなかった。 わたしが弱いばっかりに。 |
分 | 40 | |
901 | 焦げ付いた讃美歌が、 朽ちた大聖堂に響く。 弁えろ、愚者共が。 徒労に過ぎないと知れ。 焼き払え、彼の日々を。 イミさえも残さない様に。 切り落とせ、其の腕を。 死んで終えよ! 光が降りて来た。 全てを包み込む。 誰も抗う事も出来ないのです。 グサリと砕けてく、 盲目の心象。 鴉の羽を捥ぎ、 幾何学に乗せて叫ぶのです。 もう赦されはしないのです。 凍て付いた聲が、 囁いていたのは、 新しい火を、 欲しがる者の解。 円環に手を、 伸ばした先に、 求めたモノは、 其処に。 夢を帯びたエゴを捨て、 言葉を紡げど、 戻りはしないのです。 グシャリと潰れてく、 藍色の鮮血。 家守の尾を千切り、 幾何学に乗せて叫ぶのです。 さぁ皆共に謳え。 光が堕ちて来る。 全てを灼き尽くし。 誰も抗う事も出来ないのです。 グサリと砕けてく、 盲目の心象。 鴉の羽を捥ぎ、 幾何学に乗せて叫ぶのです。 グシャリと潰れてく、 藍色の鮮血。 家守の尾を千切り、 幾何学に乗せて叫ぶのです。 もう赦されはしないのです。 |
芥蔕と✕し | 45 | |
612 | 誰かが睨んだ、 永久の藍鼠。 踊る背格好が、 寂しげで。 誰かが睨んだ、 古の政。 踊る死装束が、 焦げていた。 亦誰も居ない街の隅を 眺め続ている。 然れど、縋って、縋って、縋って、縋って、 届きもしない貴方を唯目指し、 夢にも見ゆる事の無い、 黄昏た蝉時雨。 亦誰も居ない街の隅を 眺め続ている。 然れど、縋って、縋って、縋って、縋って、 届きもしない貴方を唯目指し、 夢にも見ゆる事の無い、 黄昏た蝉時雨。 |
時の名を我が儘に付けたら | 27 | |
420 | 優しい声が其処にあった、 地をかけめぐるあなたの声。 あの日は確か霽れの日で、 瞬きしたらもう消えていた。 時を知らせるかねのねも、 さぁ帰ろうとただ、 静かに伝えてくれたけど、 踏み出すと、 夜が深くなる。 終焉の天は 艶やかな黒で、 動けなかったと 思います。 時の名を 我が儘に付けたら、 はとの音が 聞こえました。 太陽系の外へ、 次々堕ちる此方の影。 叫ぶ声は残らない。 次元の狭間に溶けて逝く。 きえてゆく あかいろのひも つたえても わすれて めをとじていて さびしそうに ないていた かみがなびいた 終焉の天は 艶やかな黒で、 掴まれた所為で 動けずに。 時の名を 我が儘に付けたら、 鳩の音が 聞こえたのさ。 昔の和歌のイミは、 もう遺されず、 きゅうそくに風化してゆく。 灰となり塵と化すでしょう。 終焉の天は 艶やかな黒で、 掴まれた所為で 動けずに。 時の名を 我が儘に付けたら、 鳩の音が 聞こえたのさ。 終焉の天は 艶やかな黒で、 掴まれた所為で 動けずに。 時の名を 我が儘に付けたら、 鳩の音が 聞こえたのさ。 優しい声が其処にあった、 地をかけめぐるあなたの声。 |
分針をおって | ||
2971 | あなたの時さえも剥ぎ、 永い手遅れの終焉は失せて、 高い噪音の踏切が撓む。 野放しの悪意。 型嵌りな思考法も、 劇薬に混ぜた×しである。 堕ちた街の静かな海に、 意味を重ね重ね流すのさ。 真似事に身を任せ踊る。 (ah ah haha haha) 顰笑混じるラジオが鳴らす、 朽ち果てた電子の唄。 分針をおった誰の問が、 そっと、語り掛けた。 不埒も依怙も偽れば、 喜ばれるモノなのでしょう。 日和り揺らぐカミツレが、 一つの世を描いた様に、 廻る針に手を伸ばし、 わたしの所為だと嘆きました。 只秤を曲げる視線と、 照り雨気付く暗がりが十日程。 詠むブランコの方、 見えぬ難路、 尸共の銀河。 分針をおった誰の問が、 そっと、語り掛けた。 不埒も依怙も偽れば、 喜ばれるモノなのでしょう。 刹那に今が崩れ逝き、 己が大嘘を付き続けた。 彼の奇を衒う、 誰かの解は、 愚か過ぎる音でした。 分針をおった誰の問が、 そっと、語り掛けた。 不埒も依怙も偽れば、 喜ばれるモノなのでしょう。 分針を投げ嗤ったよ、 さっと前を向く。 愉悦も自我も逆らえば、 死んで終うモノなのでしょう。 月も陽も出ずる事無く、 鳴り響くは隔世の鐘。 共に踊れたのなら、 戻る理由も棄てて! わたしは赦されますか? |
時/秒 | 35 | |
911 | 巻き戻す事の出来ぬ時計の針が、 真夜中の右上の方向を指し示す。 外へ逝く、ゆらりゆらりと前の方へ、 鐘の音が只只管に欲張っていた。 誰も知らぬ聲と、 解の無い問いを、 固定電話からまた送る、 適切な音程で、 眠らせてくるのです。 どろりとした美しさ、 吐き気の邂逅に、 グサリと刺さる弦、 電線の上の鴉の声に、 目を向けた時終わるでしょう。 動かない光子が重力に引かれ、 掴まれた非合理的ネクロフィリア。 根絶やしにされた無意識が溶け出して、 地の底の暗く遅い時間を知る。 丑三時の予測線、 演算ミスが呼ぶ、 セシウムが失せる刹那、 取り敢えずの適応を、 良しとは出来ないのです。 不透明過ぎる理想、 座標が重なる時、 グサリと染みる心、 二分五厘の確率の数、 目を向けた時終わるでしょう。 誰も知らぬ聲と、 解の無い問いを、 固定電話からまた送る、 適切な音程で、 眠らせてくるのです。 どろりとした美しさ、 吐き気の邂逅に、 グサリと刺さる弦、 電線の上の鴉の声に、 不透明過ぎる理想、 座標が重なる時、 グサリと染みる心、 二分五厘の確率の数、 目を向けた時終わるでしょう。 |
断行 | 24 | |
627 | これを名付けた誰かは、 誰に言われて動いたのか。 見えるを決めた誰かに、 アイは、ありましたか。 行うことを行うたらしめる、 それは、誰が決めたの。 君は、それを見るとき、 何が、そうさせたの。 その理は創られたのか。 小さなその感覚の、 そのひとつが光を吸い込んで、 意思を生み、 闇を生み、 孤独を捨て、 暗がりを捨て、 生を断行したのか。 君が名付けられた理由は、 誰が創ったのか。 見えたと思う君は、 なぜ生まれたのか。 その理(断り)は創られたのか。 小さなその電極の そのたくさんが波を喰らって 意味を生み、 神を生み、 不安を捨て、 不信を捨て、 命を断行したのです。 信じていたかった 誰も知らぬ感覚を 見ることのできぬ未知を 何もすることができるから どうしようもない私は、 捨てたものも多く、 気づいてしまったときには、 決断をしていた。 |
過去免責 | 20 | |
401 | 誰の明晰夢かも露知らず、 蟠りが穴へと落とす、 暗がりが全て飲み下され、 在る時の中へと消えた、 秘密も知られた史実も、(あなたの時の展望を、) 過去の者達に噛み砕かれて、(絶った音波に重く乗せ、) 偏見と都合を混ぜた、(曙見た誰の背を、) 人々を隠す垂幕を知る。(何故故、追いかけるのか。) 時間軸に埋められ失せた屍どもの勇動に 何時か気付いていながらも、 見る振りをして目を瞑る。 走り出し、 足を取られて、 転んだ彼を見れなかった、 わたしを許して。 誰の罪なのかも知らぬ儘、 滞りが耳元で囁く、 明るみに出る黒歴史すら、 あの時の涙に溶けた。 命題と 解法の 戦争と 悲しみは 日光と 月光と 欲望と 悲しみを 秘密も知られた史実も、(当たり前の真実も、) 過去の者達に噛み砕かれて、(怠惰な愚者が捻じ曲げて、) 偏見と都合を混ぜた、(独断の定義で召した、) 人々を隠す垂幕を知る。(我々を騙す囁きを聞く。) 見えた気がした彼の音、 それでももう手遅れで、 ここに残りし四辺形、 全てわたしの時です。 砂上のように崩れた石と、 見ることの無かった糸は、 遅かったと気付きながら、 全てわたしの時とした。 時間軸に埋められ失せた屍どもの勇動に 何時か気付いていながらも、 見たと、嘘をついていた。 動き出す、 誰かの背を追う、 明晰夢の中、 我儘だった、 わたしを許して。 |
残刻 | 119 | |
2587 | 誰かに見せつけられた、 知ることの出来ぬ場所は何処? 誰かが嘘を吐いていた、 そう、騙されて。 あなたに見せつけられた、 知られている場所は何処? あなたが間違えていた様な、 残された時を。 笑う、酷な真実が此処で、 「断りは創られたモノだ」と、 何時までも迷い続けるの、 自分を責め立てる。 残された醜い雨の中、 唯一人落ちていく空模様、 解ける気のしない問答に、 時を溶かすのです。 誰もいないと言われた場所で、 独り教えるあなたは誰? 誰かが伝えたその言葉、 嘘、騙されて。 あなたが見せてくれる音、 それを聴ける場所は何処? あなたの言葉ひとつひとつを、 唯覚えていたくて。 嘆く、刻まれた歌が、 「不可逆を定義付けたのだ」と、 何処までも、追い続けるの。 答えを見つけるの。 残された刻む時雨の中、 又一人堕ちていく宙模様。 見えてしまった模範解答に、 時を溶かしました。 不可逆な残刻さの中に在る、 正すべき間違いで、 時を溶かしたこの刻を、 ここに残すのよ。 |
Tᵀ | 22 | |
402 | 感覚の外で、気付かれていた。 喩え、形が見えなかったとしても、 喜びを知り始めた。 自惚れの中で、躍り続けるなら。 誤ちと御託が独り歩きするのです。 洗われて、馴染んでゆく、 色など持たぬ波の、 シハイシャは騙った。 シハイシャは死んでいた。 認識できず儘の嘆きがふらりと、 何処か向こうへ消えて逝くの。 巫山戯た挑戦の祈りが手遅れとなる程、 前へと進み続くのでしょう。 供花を手向け、心写す度。 奴等の憎悪や羨望は、彼等から逃げて往く。 喪われた終着点を其の向こうに見据えた時、 わたしの最期が独りで燃ゆるのか。 目も鼻も口も肌も、 触れぬ儘チクタクと。 針だけが、刻んでいた。 針だけが、振れていた。 忘れられるのは嫌だ、形を成していたよ。 此処を見ていてくれたよね。 あなたの姿を感じる、 其処に居なくとも。 紛い物である事すら、 楽しくて。 さぁ、感じれぬ流れのイミを連ねて。 其れを罪と言うのならば、 其れを背負い、 生を断行しよう。 鴉がわたしを貪るのだ。 認識できず儘の嘆きがふらりと、 何処か向こうへ消えて逝くの。 巫山戯た挑戦の祈りが手遅れとなる程、 前へと進み続くのでしょう。 認識できず儘の嘆きと音波には、 目が付くことがあるのでしょう。 巫山戯た波が夜に、ふらふらと呑まれた。 シハイシャは朽ちていった。 針だけが振れていた。 |
溟海 | 40 | |
877 | 底に、 解らず儘、 波の音、 響くは。 何も見えず、 されど美しく。 誰が、 其処に居ても、 海の声、 聞こえず。 夢に満ちた、 海星の心を。 深み残り、 凛として、 忘れて、 誰の所為? 懐かしい、 漣を、 想い出していた。 唯、貝殻模様の水明を、 誰もが羨むは、 死んだ言葉。 儚く見えた其の景色。 意味を探し出して、 そして。 答え、 解らず儘、 鳥の声、 注ぐは。 信じていた、 何も忘れない。 誰が、 其処に居ても、 月宿る、 真実。 時に映る、 海月の色彩。 君は其処に、 居るのか、 届かない、 待ってくれ! 何処迄も、 幽玄な、 厳かな瞳。 冥界、滲む淡い虹色に、 溶けた絶海の、 ルルイヱ。 死して尚忌まわしき海嶺。 万波に問い質す意味は。 明鏡止水と淀む恋心。 白波に隠すの。 ネモの怪異泳ぐは、 誰かの夕凪。 意味を見つけ出して。 最期。 |
金縛り[short] | 14 | |
251 | ふと目が冴えちゃってさ 起きれない 夢みたいな心地 (溶け出していく) でも嘘でもなけりゃ夢でもないの 全てわたしの時で (意識の中で) 信じて欲しいの (聞こえていますか) 声も出せやしない (それは夢の中の事) 届く訳も無い 何も見得ない (届かない) 黄昏れた君の瞳 (其処には何も無い) ふと只浮かぶ (されど美しいの) その意味 (歪んで) 意味を棄てた (忌みを為して) 刻まれた所為の裏 (開閉の梁待ちを) さぁ (ねぇ) 思い出して (未だ起きないで) 何が物語だったのかを (わたしの為に今は) 其れが応えだから |
涬溟 | 13 | |
264 | 熏る雲、花曇りと風で揺れる装束。 誰も答えてはくれず。 熏る雲、雨霰と溟を望む。 芥の残滓にもなれず。 輪廻にも辿り着けず、忘れられ、 苦しみ転々と泣き崩れてる。 延々と戯れて、 羅を羽織り佇んで。 閉ざされた現世、未練の中。 只揺らぐ手、透ける瞳と。 歔いていたの。 あなたに会えるその時まで、 唇を噛み締めていた。 熏る雲、花曇りと風で揺れる装束。 君も答えてくれるか。 熏る雲、雨霰と溟を望む。 異質な意味は灰色に。 夢を見る事を覚えて、 存在証明、現見すらない事。 受ける幽艶、声は形にも成らず。 価値を失せた代償を露に過ぎ去る、 時雨に打たれて。 焦げる香りの中。 絆された永劫、視界の中。 躁鬱の目、落ちる様な絵。 ︎声も出せず居たの。 あなたが気付くその時まで、 唇を噛み締めていた。 閉ざされた現世、未練の中。 只揺らぐ手、透ける瞳と。 あなたに会えるその時まで。 絆された永劫、視界の中。 躁鬱の目、落ちる様な絵。 ︎声も出せず居たの。 あなたが気付くその時まで、 涬溟の外で︎唄うの。 |
異質 | 137 | |
2260 | 気が附けば追い掛けていた。 重い憧れを抱いていた。 断行をした。 何も見えず。 雨模様。 這い蹲って、 夢を 追い掛け続けた、 其れは、 物語の世。 輝いて見えた景色は、 夢の中で。 罵倒に苦しんだ。 承認欲求が、 嫌う己の首を絞めた。 泡沫は見つけてくれた。 嬉しかった! 見つけ出した! 居る意味を。 「さあ、」 忌み(意味)を為せ(成せ)。 例え其れが異質だったとしても 誰が何と言おうとも 全てわたしの時だ。 月(陽)は昇らず。 禁じられた海域の詩も、 励ましの言の葉も、 何時か消える。 わたしは一度殺された。 邂逅の中で 飛び降りた。 あなたに解りますか? 信じれますか? わたしの事。 朝月夜が此方を見て、 突き落とされたのでした。 水底から送る言葉。 沈む街灯。 其の誤ちは、誰の所為でもない。 慈悲など無いの。 白鳥は首を斬られ、 亦、 始まる已なのです。 幾度終わろうが、 そう、 一からやり直せばいいの。 見つけてくれて、 本当にありがとう。 是からも、どうか。 夢を見せて。 全てわたしの時です。 |
牢 | 67 | |
1205 | ひとつひとつ、摘まみ上げては、 強く嚙み砕いて軈て忘れる。 フラり、揺れた灯火は、 また大きな禍と成る。 割れた世界は怨み其の物で、 シャーデン・フロイデも満ち満ちて仕舞うの。 表も裏も要らない。 全てを手放して終いましょう。 今直ぐに。 投げつけられた石を見て、 何もかも悟って仕舞いました。 身を投げた。 藻掻いた。 意味等底には或る訳も無く。 只、狂い笑っていた。 鈍器を振り回したのなら、 わたしは救われていたのでしょうか。 教えて下さい。 深い闇に片足を入れては、 水面の歪みを恐れていた。 後に気付き、逃げ出そうとも、 過ちでしか無いのでしょう。 此処は既に檻の中で、 我々は皆極悪人なのだ。 四肢も風情も殺した。 未だに誰かを狙い続けた。 全てわたしの時です。 一人ひとりを鎖に繋ぎ、 忘れる事も叶わず、 死んだ。 溶け出した、 愛は、 エラーに、 黒色に塗り潰された。 許せないよ。 許せないの。 仮想化が首を絞める。 黄昏時の幻聴に、 幻覚に刺された。 誰かの記憶に残るのは、 深淵で薫り焦げ付く牢。 牢。 彼は、笑っていた。 鈍器を振り回したのなら、 わたしは救われていたのでしょうか。 教えて下さい。 また、音を置いていたの。 沈んだ遺跡に咲いていたの。 朽ちる華を強く噛み砕いて、 軈て忘れ去る。 |
嘘を、信じてみて。 | 31 | |
486 | 通り雨過ぐ夜更けに、 足枷の子が独り。 唇を噛締めては、目を瞑る。 黒い影は追い駆ける。 気が付けば、手が触れていた。 捕まって仕舞えば。 胸が徒を吸い込んで、 刺し殺されるでしょう。 解らず儘、手向けられた華を、 契っては破り。 音が聴こえたら逃げましょう、 既に手遅れですが。 全てわたしの時です。 嘘を、信じてみて。 夢現の夜明けに、 手枷の者が独り。 暗闇の眼を只、零しては、 輝く日を追い駆ける。 隠してた刃の先で、 切り刻んでしまう。 其れは。 首が恨み言を謳って、 呪い殺すのでしょう。 動けず儘、破れた置手紙を、 踏み躙り捨てた。 音を聴いたら諦めましょう。 既に死んでいるので。 全て誰の時でしょうか。 嘘を、 全て。 胸が徒を吸い込んで、 刺し殺されるでしょう。 解らず儘、手向けられた華を、 契っては破り。 音が聴こえたら逃げましょう、 既に手遅れですが。 全てわたしの時です。 嘘を、信じてみて。 |
トケイがひとりでまわってるんだ | 25 | |
474 | ゆめの なかの ことですが あしを すべらせて たてなく なって しまいました ここから でられなく なって しまいました きづけば あさも こなかった トケイが ひとりで まわってるんだ ひは まわらず おちてくる もう いしきも きえるんだ きぼうも いみも いらないさ ぜんぶ きえちゃって のこらないから つきも にじんで うかんでる また えがおが こぼれるの みみを ふさいでも きこえるうたも めを とじても みえる しきさい だいだいいろの そらもようを さげすんでも とどかないまま ついえてゆく どれだけの あいだ ここにいて ういて およいで しずんで あるいて ころがってみて それでも なにひとつ かわらないのです きづけば あさも こなかった トケイが ひとりで まわってるんだ ひは まわらず おちてくる もう いしきも きえるんだ きぼうも いみも いらないさ ぜんぶ きえちゃって のこらないから つきも にじんで うかんでる また えがおが こぼれるの きづけば あさも こなかった トケイが ひとりで まわってるんだ ひは まわらず おちてくる もう いしきも きえるんだ きぼうも いみも いらないさ ぜんぶ きえちゃって のこらないから つきも にじんで うかんでる また えがおが こぼれるの |