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熏る雲、花曇りと風で揺れる装束。 誰も答えてはくれず。 熏る雲、雨霰と溟を望む。 芥の残滓にもなれず。 輪廻にも辿り着けず、忘れられ、 苦しみ転々と泣き崩れてる。 延々と戯れて、 羅を羽織り佇んで。 閉ざされた現世、未練の中。 只揺らぐ手、透ける瞳と。 歔いていたの。 あなたに会えるその時まで、 唇を噛み締めていた。 熏る雲、花曇りと風で揺れる装束。 君も答えてくれるか。 熏る雲、雨霰と溟を望む。 異質な意味は灰色に。 夢を見る事を覚えて、 存在証明、現見すらない事。 受ける幽艶、声は形にも成らず。 価値を失せた代償を露に過ぎ去る、 時雨に打たれて。 焦げる香りの中。 絆された永劫、視界の中。 躁鬱の目、落ちる様な絵。 ︎声も出せず居たの。 あなたが気付くその時まで、 唇を噛み締めていた。 閉ざされた現世、未練の中。 只揺らぐ手、透ける瞳と。 あなたに会えるその時まで。 絆された永劫、視界の中。 躁鬱の目、落ちる様な絵。 ︎声も出せず居たの。 あなたが気付くその時まで、 涬溟の外で︎唄うの。