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ひとつひとつ、摘まみ上げては、 強く嚙み砕いて軈て忘れる。 フラり、揺れた灯火は、 また大きな禍と成る。 割れた世界は怨み其の物で、 シャーデン・フロイデも満ち満ちて仕舞うの。 表も裏も要らない。 全てを手放して終いましょう。 今直ぐに。 投げつけられた石を見て、 何もかも悟って仕舞いました。 身を投げた。 藻掻いた。 意味等底には或る訳も無く。 只、狂い笑っていた。 鈍器を振り回したのなら、 わたしは救われていたのでしょうか。 教えて下さい。 深い闇に片足を入れては、 水面の歪みを恐れていた。 後に気付き、逃げ出そうとも、 過ちでしか無いのでしょう。 此処は既に檻の中で、 我々は皆極悪人なのだ。 四肢も風情も殺した。 未だに誰かを狙い続けた。 全てわたしの時です。 一人ひとりを鎖に繋ぎ、 忘れる事も叶わず、 死んだ。 溶け出した、 愛は、 エラーに、 黒色に塗り潰された。 許せないよ。 許せないの。 仮想化が首を絞める。 黄昏時の幻聴に、 幻覚に刺された。 誰かの記憶に残るのは、 深淵で薫り焦げ付く牢。 牢。 彼は、笑っていた。 鈍器を振り回したのなら、 わたしは救われていたのでしょうか。 教えて下さい。 また、音を置いていたの。 沈んだ遺跡に咲いていたの。 朽ちる華を強く噛み砕いて、 軈て忘れ去る。