全てひかりの所為です。
御影 | ||
6702 | 縁の中で漂っていた、 わたしに見つけられないように。 宇宙(そら)の上に浮かんでいた、 あなたの記憶を映していた。 雑音(ノイズ)の中で囁いていた、 わたしに聞き取られないように。 海の底に沈んでいた、 誰かに裁きを求めている様だった。 それ故に救いの手を払ったのだろう。 放つ言葉に意味を持たせた、 あなたの目。 返す言葉は もう何処にも無く。 探し続けた夢や理想は、 あなたの手 その中に堕ちていった。 道の傍で佇んでいた、 いつか見つけてもらえるように。 出口の前で竦んでいた、 いつかの記憶を忘れたくなかった。 発信機(アンテナ)の傍で叫んでいた、 いつか届くようにと願って。 朽ちた。 果てた。 死んで、 消えた。 正義を騙る紛い物が! それ故にあなただけ居なくなる。 戻らない、 見えない。 神は散り灰となるのだろう。 放つ言葉に意味を持たせた、 あなたの目。 返す言葉は もう何処にも無く。 探し続けた夢や理想は、 手の上で、 安らかに眠っていた。 |
[ | ||
3332 | 罅割れた提燈(ランタン)が、 道を照らしている。 歩いていたはずなのに、 気づいたら落ちていたので、 何処で止まるか解らぬ儘、 身を任せるのでした。 暗く染まる視界の外、 無作為に混ぜた。 食み出した夜を朝に変え、 影が消えていました。 小鳥の声が華を捥いだ、 絶えず 戻りもせずに。 何時か聞こえていた街の響は、 那の日に崩れました。 屍が呻き出し、 魂を求む。 棄てられた噐の中、 溢れ出たのは赤い水。 釘付けになり見つめてたら、 溺れてしまいました。 でたらめな方向を指す 澪標に従って、 猶 彷徨い続ける。 其の方が良いのでしょう。 何時か聞こえていた街の響は、 絶えず 戻りもしない。 小鳥の声も遠ざかっていく、 全てひかりの所為です。 残りの声は虚と成った、 一縷の望み迄も。 見るも無残な三日月爾が、 那の日 救われました。 小鳥の声が華を捥いだ、 絶えず 戻りもせずに。 其処で輝いては爆ぜていく、 全て■■の所為です。 乱反射した提燈(ランタン)が、 刺し殺したのか。 |
[[ | ||
3201 | 網膜を殺した人魂、 麗しく幽かに廃れゆく、 為す術なく 月光に融け、 俄に歪みはじめ。 モラルを翻す言霊、 盛られた劇薬に身が叫ぶ、 度し難い故に見限られては、 爛々と睨まれた。 泪は出ず、 遺骨は熄えて、 石竜子(トカゲ)の尾を切った。 それを思い出せなく成った、 蟠る媒体の内側に、 無意味に象られた愛憎が、 愍然と在るのです。 それを御影に捧げて尚、 謂われなく嗾けた生き方に、 不平不満を募らせて、 感けているのですね。 水火器物を一つにせずと、 別々の道路を歩み行く、 テアトルに映る文字列は、 詑かに動き出す。 亡骸を抱え牢に入る、 忽ち風化し崩れていく、 軒並み塵と成り果て腐って、 せせこましく見えた。 意識は飛び、 蛇足を描いて、 石竜子(トカゲ)の尾を裂いた。 それを思い出せなく成った、 蟠る媒体の内側に、 無意味に象られた愛憎が、 愍然と在るのです。 それを御影に捧げて尚、 謂われなく嗾けた生き方に、 不平不満を募らせて、 感けているのですか? 夢との見分けが、 つかなくなってしまいます。 全てひかりの所為です。 それを思い出してしまった、 蟠る媒体の内側が、 無意味に象られて途絶えていく、 愍然たる様でした。 それを御影に捧げて尚、 謂われなく嗾けた生き方に、 不平不満を募らせて、 感けていたのでした。 瞳の奥迄、 侵されていく感触に、 苛まれていたのか。 |
貘 | ||
14808 | 雪冤に浸る許りで、 何が変わるのですか? 嘯を吐いて誤魔化しながら、 教唆犯の幸せを怨んでいる。 滾る血液で運んだ、 不甲斐なさを秘して。 肖る未来とは? 陽りの慈愛とは? 決め倦ねていた、 躄寄る骸に訊ね、 迷い迷い続けていたのでした。 裁かれざる点描画、 令に悖り死を望んで、 雪冤に浸る許りで、 何が変わるのですか? 閑古鳥の囀りを聞き、 実行犯の密けさを嗤っている。 漸 訛伝した聲だけ、 忌み泣き崩れていく。 蔓延る「嫌い」とは? 諫めゆく誓いとは? 非で溢れていた、 罪も罰も殺げど戻れぬ、 嚥下 懺悔 渙然氷釈ならず。 招かれざる水墨画、 幾許の願いが届かずとも、 延命 捩れ軋むのは、 全てひかりの所為です。 虚に廻る時間も、 磔られた写鏡も、 何方道涸れて失くなるなら、 下卑てよいのでしょう。 天誅!裁かれざる点描画、 令に悖り死を望んで、 雪冤に浸る傍観者は、 何か変わりましたか? 延命 捩れ軋むのは、 全てひかりの所為です。 |
[[ (旧) | ||
幾度と無く試行され、 見誤るのは上か下か? なけなしの手紙は途絶えずに、 ドミノは倒れずに。 艶めかしく輝いて、 遺命を辿る共犯者。 のたうち廻れど明日は来ず、 偽物ばかりだ。 薔薇を食み、 関節を折り、 粘膜は残る侭。 それだけ耽溺な心なら、 美しいとは云えないが、 穴が開いて仕舞う程の妄言で、 つまり全てお見通しで、 点滴はいつ済むか? 方法は見つかるのか? 認めた言葉はお気に召す儘に。 何れも残り僅かでしょう。 委託した無駄な永久は、 続く事など無いけれど、 未だ目は眩んで畝で転んで、 でまかせを落として。 おぞましさを感じては、 今の今まで黙り込み、 感覚は甘く鈍って行く。 欠陥品らしく。 瑠璃を断ち、 喉を鳴らして、 乾いた跡を潜る。 それだけ耽溺な心なら、 美しいとは云えないが、 穴が開いて仕舞う程の妄言で、 つまり全てお見通しで、 点滴はいつ済むのか? 方法は見つかるのか? 認めた言葉はお気に召す儘に。 全てひかりの所為です。 這いずり暴れるだけで、 何も成し得ぬまま死ぬだけ。 思い出せずに、 終わっていくのですか? 点滴はいつ済むのか? 方法は見つかるのか? 認めた言葉はお気に召す儘に。 何れも残り僅かでしょう。 デジタルに侵されて、 先駆者は潰れていく。 二の舞に成る前に消え去るべきです。 全てあなたの所為です。 疲れの持ち腐れで、 目を壊していたのか。 |
[ (旧) | ||
ひび割れている携帯の中、 入りこんだら、 いっぱいに満ちていたはずなのに、 衰退していくバッテリーを、 塞き止めては吐き出して、 意味が無くなりました。 足を滑らせ転がり落ちて、 騒ぎ出すまで。 仕方なく繰り返して、 日々を壊すのでした。 小鳥の声 華をもいだ、 絶えず 戻りもせずに。 イタズラなモノクロの街、 いつしか崩れました。 屍を蹴る愚か者共、 居場所はどこだ? 生きていても死んでいるように、 見えてしまうのは誰の所為だ? 腐りかけの魂を、 海に返すのでした。 イタズラなモノクロの街、 絶えず 戻りもせずに。 小鳥の声 華をもいだ、 全てひかりの所為です。 三日月を解くこの先、 舞えず 何も得れずに、 囮の声 さながらでしょう? 全て███の所為です。 網膜を刺激した何かが、 刺し殺していたのか。 |
IMG_0810.mp4 | ||
156600 | インスト曲 |
イドラ | ||
2563 | 目論見から思を乖けて、 偸閑 論う片割れを、 五百 巫蠱い、咎めて、殺した。 賢しらの優しさ。 常磐に締め付けられる、 諦めだとか、 後悔だとか、 それを芥然とするように、 仕向けられたこと、 今は未だ忘れていた。 止まった日々を綴るは、 添えられた虚礼と唖者の朶雲。 五百 弔い、破いて、燃やした。 埋み火に贖う。 宵闇 染まる蜉蝣が、 諦めさせた、 後悔させた、 それに嘱望を立てるように、 仕向けられたこと、 今だから思い出せた。 散った花は舞い戻らない。 拾い上げた碑に、 記された文字は読めず、 罅る。 見上げた碧、 映る𠄔、 糾える記憶ヶ底、 水沫が輝る昃ぎに、 君を置いて、 逃げた。 |
[[[ | ||
4508 | 擦り減らした指先で、 後を追わぬように書き連ねた、 唐紅の導も、 届かず終いで。 潰し伸ばした指先で、 掴み 這い蹲り 叩きつけて、 枷を取り外せど、 戻らず終いで。 捉まえた羨みが、 手放した神灯が、 内訌と謳い、 広がりました。 府会して棄て去って、 逃げて、 生き延びればそれで満ちるか? 彼の偽物微りせば、 一矢も報えずに似非笑われ。 減らず口だ上手くなって、 言鎧に隠れ続けて、 気づく砌、 辻占に飲まれる。 全てひかりの所為です。 喪われた朝と夜を、 一つ また一つと数え乍ら、 凍雲を見上げた、 零つ細雪よ。 然らば愛した落莫へ、 堰を知らぬ儘に溢れ出した、 妄りなる言葉を、 その場に吐露して。 目眩く白黒に、 しどろもどろのラジオに、 阿る許りの、 痴れ者でした。 正しくあれと、 綺麗であれと、 誰かに縛り付けられていた。 罵詈も讒謗も喰い尽くして、 憾みが空で膨らみました。 深入りの代償を払え。 生かされている自覚を持て! 彼の偽物微りせば、 一矢も報えずに似非笑われ。 減らず口だけ上手くなった、 屍蝋曰く、 「たくさんの善のナイフで、 刺し殺されたんだ。」 |
依代の不知火 | ||
3861 | 我楽多の山を宝と呼ぶのも、 不可能の夢を希望と呼ぶのも、 人間性と自意識の顕れ、 呆れ果つのか未だ目覚めずいるのか、 罷りだした執着と詭辯さえ、 未練と与に芥箱へと捨てた、 過去が未来がと講釈を垂れては、 薄々自分を見失う。 燃える海を、 じっと待つ、 じっと待つ。 光る星を、 追いかける、 追いかける。 添えた華を、 捥いでいく、 捥いでいく。 罪を濯うこともせず。 見えた道は崩れ、 片方だけが手招きをする。 引いて寄せて 減って増えて、 行きたくないと叫んだことを、 覚えている? 落として割れた花瓶を拾って、 継いで接いで再構成しても、 今にも崩れそうな体裁を、 支えることで一杯〳 〵だろう? 目に入る物全てに噛みついて、 貌を残して轍を均して 正に型に嵌りしアナフィラキシー 今一度耳を澄ましてみて? 燃える海を、 じっと待つ、 じっと待つ。 光る星を、 追いかける、 追いかける。 揺らいでいた、 水面下 月が霧、 逃げて隠れる事を厭わず。 見えた道は崩れ、 片方だけが手招きをする。 引いて寄せて 減って増えて、 行きたくないと叫んでしまえ! 突き進んで! 全てひかりの所為だ。 憧れた日々から目を背け、 愛した火之影を追いかけて、 幾度も転んで挫けること、 恐れはしないけどさ。 |
盲目 | ||
あなただけが忘れられるのならば、 あなたこそ ここに居るべきなのでは? 嘗てあなただった物へと、 思い馳せ そこで何を言うべきか? 唯 悪だけを集めていた、 悪魔達は笑った。 遥か遠くの心が、 疵物を創り、 成されない儘落ちた。 見限って切り離されても、 意識は消えずに、 途方に暮れるのです。 あなただけが失くしてしまうならば、 あなたこそ 目を取られるべきでした。 嘗て渡した鍵は錆び付いて、 此の世から 出れなくなるというのか? 唯 同じモノに塑像して、 醜くなるのでしょう。 遥か遠くの心が、 疵物を創り、 成されない儘落ちた。 見限って切り離されても、 意識は消えずに、 盲目となった。 |
甦生 | ||
合作 | 4020 | 私は既に 死んでいる様です。 体はじきに 朽ちて腐るのでしょう。 忌み名は既に 決めて在る筈です。 あなたも既に 意味に埋もれるのです。 廻る 廻る 命を、 崩して 常闇の中へ 黒くて深い水の淵に、 薄汚れた手 血まみれ 泥だらけの手を、 何処かへ 隠して 消えたの。 此の世は既に 毒が回り続け 足元さえも 崩れてしまうでしょう。 過去も未来も 脆い移ろいでしょう、 意味も無いから 嘘に縋るのでしょうか? 私は未だ 死んでいる様です。 なのに全てを 感じているのです。 鼓動が今に 打ちかけているのは、 あなたが今も 其処にいるからでしょうか? 廻る 廻る 思案に、 甘ったるい香りで誘われ、 眩しく暗い海の奥へ、 それは私を 包んで 浮かばせていった、 最期で 最初の 泡沫 息をして、 鏡を割る 砕けた眼で、 針を刺し続けた。 宵祭、 辿り着いた、 先で頽れた。 釘を刺せない儘だった。 軈て 時は巡り、 目を醒ました先、 首を回していた。 眉唾に 光刺した、 黝い海の 底で、 其処で浮き上がる。 私は既に 死んでいる様です。 あなたも既に 此処で沈んでたの。 |