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目論見から思を乖けて、
偸閑 論う片割れを、
五百 巫蠱い、咎めて、殺した。
賢しらの優しさ。
常磐に締め付けられる、
諦めだとか、
後悔だとか、
それを芥然とするように、
仕向けられたこと、
今は未だ忘れていた。
止まった日々を綴るは、
添えられた虚礼と唖者の朶雲。
五百 弔い、破いて、燃やした。
埋み火に贖う。
宵闇 染まる蜉蝣が、
諦めさせた、
後悔させた、
それに嘱望を立てるように、
仕向けられたこと、
今だから思い出せた。
散った花は舞い戻らない。
拾い上げた碑に、
記された文字は読めず、
罅る。
見上げた碧、
映る𠄔、
糾える記憶ヶ底、
水沫が輝る昃ぎに、
君を置いて、
逃げた。