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罅割れた提燈(ランタン)が、 道を照らしている。 歩いていたはずなのに、 気づいたら落ちていたので、 何処で止まるか解らぬ儘、 身を任せるのでした。 暗く染まる視界の外、 無作為に混ぜた。 食み出した夜を朝に変え、 影が消えていました。 小鳥の声が華を捥いだ、 絶えず 戻りもせずに。 何時か聞こえていた街の響は、 那の日に崩れました。 屍が呻き出し、 魂を求む。 棄てられた噐の中、 溢れ出たのは赤い水。 釘付けになり見つめてたら、 溺れてしまいました。 でたらめな方向を指す 澪標に従って、 猶 彷徨い続ける。 其の方が良いのでしょう。 何時か聞こえていた街の響は、 絶えず 戻りもしない。 小鳥の声も遠ざかっていく、 全てひかりの所為です。 残りの声は虚と成った、 一縷の望み迄も。 見るも無残な三日月爾が、 那の日 救われました。 小鳥の声が華を捥いだ、 絶えず 戻りもせずに。 其処で輝いては爆ぜていく、 全て■■の所為です。 乱反射した提燈(ランタン)が、 刺し殺したのか。