Karaz
雷雨 | 90 | |
2216 | 鳴く蝉の音は窓の外で 絹糸に紡ぎ 視界の隅に雑音が 意識体の声で囁く 雨曇りの空は一面に 薄暗いけれど 土に埋まれた心臓が さくさくと揺れ動いている 沛然とやまない雷雨 がかくて降り始めた 屋根瓦に嗚咽する悪夢が したたり落ちていた 徒に冗漫の辞 がかくて降り注いだ はなはだしい 取り越し苦労の せいだろうと思う カラスの群れは窓の内で 音階を作り 世界の隅に私たちが 意識体になりかわる 雨曇りの空は一面に 薄暗いけれど 歌に生まれた合図は あの場所まで届くといいな 沛然とやまない雷雨 がかくて降り始めた 屋根瓦に嗚咽する悪夢が したたり落ちていた 徒に冗漫の辞 がかくて降り注いだ はなはだしい 取り越し苦労の せいだろうと思う 沛然とやまない雷雨 がかくて降り始めた 屋根瓦に嗚咽する~~~が したたり落ちていた 彼の墓には カラスが集まり騒めきだし 思いさえも忘れ去られ カラスは墓で鳴く泣く 徒に冗漫の辞/彼の墓には がかくて降り注いだ/数多のカラスが惹きつけられ 画面に映ったこれの/模倣するものが現れ 全ては■■■■■のせいです/カラスは何処へ飛ぶ飛ぶ |
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468 | トップページへ戻れば 見られる側になった 入れ替わった空と乾杯 今日はここまで 流れて早き月日 規制なしといっても 擦りむいたここは是非 気をつけて入ってきてね 5度とは言えないけど ここの時間は深いのか 諦めないで!私は 完全放射体なの 冬ぞ寂しさまさりける 淡雪を噛み締めて 歪んだ字がうっすら笑ったこと をフォルテで読め! 電車の窓から雪を見上げて/5度とは言えないけど /ここの時間は深いのか 今夜は積もるようだ/諦めないで!私は /完全放射体なの 町は静まり返っていて/冬ぞ寂しさまさりける /淡雪を噛み締めて 終着駅までちょっとだけ/歪んだ字が /うっすら笑ったこと 寝ようかな/をフォルテで読め 冬ぞ~まさりける ~を噛み締めて ~だ字がうっすら笑ったこと を██で読め |
ここにつづいた私のみだれた足跡…それだけ | 28 | |
527 | 冬が窓枠に 染み付いた桜色を通り抜けて 遠くから私を見つめている 湖畔には 裸木が静かにたたずんでいる 風が日光を絹のように 漉して流れる 私は考えた 死は蕾む花の甘美な後味で 生は過ぎ去った冬の影だと そして私は もう悲しみも喜びも出せず ただ春風に つぶやきを吹き落とす 澄み渡った空がまだ 芽吹いていない枝を透かして 細かく裂けて 吹き飛ばされるようだ 生ぬるい空気が心臓を 柔らかく包み込み それを大地に託した 私は考えた(私の熱く赤い血液が) 死は蕾む花の甘美な後味で(溶けて川の流れに沿って) 生は過ぎ去った冬の影だと(愛だとか感情とか失くなっていく) そして私は(キミのために編んだ古い) もう悲しみも喜びも出せず(言葉が胸を刺す) ただ春風に(背中を押す) つぶやきを吹き落とす(もう、想いは届かないから) |
別れ〱 | 334 | |
3654 | 温かくて長い夜。 目を開けるとそこには、 心地よくて静かに広がる闇です。 これまでの記憶は、 ただ無意味な言葉で、 引き延ばされ、 膝元に過ぎ去っていたのです。 蛍光灯が、 ちらついていて、 そこから湧いてきたものは? ここで、 もし窓の外へ歩み出してみたら、 まだ姿を見せぬ眩しい明日と、 絡み合うであろう。 そしてあちこちに隠れている、 蝉の声を聞いた。 むき出しの月光を見た。 膨れた空気に触れた。 それらが神経に流れ込む瞬間、 すべてに意味が生まれた。 もしこの蒸し暑い夜から、 目覚めなければ、 窓の外は変わらずに、 初夏の音を奏でていただろう。 ここで、 もし窓の外へ歩み出してみたら、 まだ姿を見せぬ眩しい明日と、 絡み合うであろう。 蒿雀、 水鶏、 眼細、 日雀、 雪加、 柄長が鳴いて、 月は流れゆく雲に包まれて。 藜、 青葦、 藺草、 岩菲が根を張って、 万緑の中、 全て貴方の所為です。 |
プリュイ | 59 | |
1260 | 木々の隙間から覗くと 雨音に包まれた海水が 山の麓にある揺りかごの中で 岸辺の岩を洗い流している 遠くの都市は 厚い雲に包まれて 胎動を感じさせる湿り 参道には人影がちらほらとあり 私はそれに目もくれず 視線がたださまよっていて 雨とともに石苔の隙間に 染み込む その下には 私をここに捕えられた 土の響きがあった 冷たい空気が肌を痛める 雨に打たれた花が 揺らし続けて 槿花色が一面に散り敷いた 固くなった風を受け止めて 唇と歯の狭間で あわてて捨て去る 重なり合う言葉の渦を 私は再び聞こえるようになった あの鳴き声と 草に積み重なってる 数え切れないささやきを |
帰路 | 639 | |
7253 | 七月のある日曜日に お出かけしてみた そこは誰も知らなかった 森のなかのトンネルでした 光が流れ、影は動く 聞き覚えのある足音が まどろんだ耳のそばに 聞こえていた 振り向くのが怖くて 出口に向かって ひたすら前へ進んでいた 足が重くてだるくなり もう立ち止まるしなかった、ふと 懐かしい線香の匂いが どこからか漂ってきた そしてトンネルの出口から 亡き母の声が私を呼び寄せた 目を見張って 出口の反対側へと駆け抜けた 再び数えきれない 足音がトンネルに響き渡り 何十年もの夏を経て 次々と自分の影と交錯した 目の前に広がるのは、また 同じ森で、同じく炎天下 の日差しが降り注いだ 変わったのは 入口の規制線だけだった それを越えたとたんに 茂みの中に倒れ込んだ |
☆赤いカラス☆ | ||
何か懐かしいものを触ったら 薄汚さが亡霊のようだ 首を撫でてみると 痛みが残ってる 同じ夢の中で起きたら それもまだ夢で 君のことを繰り返すような 明けの金星です 意識がはっきりしないまま朝起きたとき 耳にした足音が 未成線に沿って 遠のいていく 川の岸に近いあたり 死んだ君の後ろ姿が現れ 水を照らすような 宵の金星です 体感温度が1℃上がり 桜の森の中で 言葉そのものも歌ってるわたしも金星です 体感温度が2℃上がり 桜の森の中で 言葉そのものも歌ってるわたしも金星です (融けた秒針が刺さって 碧い土鳩が鳴きました 迎えた終わりをかき消す ような声でした) 体感温度が3℃上がり 桜の森の中で 言葉そのものも歌ってるわたしも金星です (でも歌っていてごめんなさい 君がくれたこの魂だから 生まれ変わってもまた君に この和音を捧げよう) 体感温度が4℃上がり 桜の森の中で 言葉そのものも歌ってるわたしも金星です (融けた秒針が刺さって 碧い土鳩が鳴きました 迎えた終わりをかき消す ような声でした) (でも歌っていてごめんなさい 君がくれたこの魂だから 生まれ変わってもまた君に この和音を捧げよう) |
msr2 | 30 | |
254 | 簡素に呆けた憧憬 それは惨憺壮麗 末枯れの音が直願うは、 あなたの痕跡。 沙汰の楼門に直情を 流し込みすれば、 清かに暮れ弄う音。 甚だ早計なりて、 詭詐の心情そのものと、 詭詐の醜聞の中、 詭詐の綻び紛う事亡きよ。 今瀬で何時瀬。 詭詐の籠絡は過渡なりか 未だ立つ瀬もなく、 詭詐の佚楽 手弱女に 徒 勝鬨上げる衆生 均衡を詰る側頭、 抜かればまた絆し 絆され、 幽霊話が咲く。 衝動為尽く あな泡沫の何処へ行く、 其処へ往く。 寂れた布石、駄目、 総じて圧し流され。 係る雁金小夜更けず、 徐ら天泣は降れ。 砕けたあなたのその自我、 いつか信じられるでしょ 詭詐の蜃気楼が朔なれば、 攫え宵待月。 画するキミの後ろ面、 さぁ。 話は随分長かったが、 要するに 全てttsの所為です。 些か具静謐さ、 操作見る悍ましさ、 鵲清かに囁いた さらば宛ら散打。 笹搔け逆さ咲かせた。 言葉遊びもいいけど、 キミ「さささ」 言い過ぎじやないの…? |