全てあなたの声です。
No.1 | 55 | |
1051 | 携帯を見ていたら、 光が失われて。 黒く凍る配線の先、 二度と戻らないのです。 携帯を見ていたら、 影のできる場所へと。 奇妙に腐る充電器は、 二度と戻らないのです。 好奇心が生む羨望で、 桎の意図を探るのです。 仇となる彼岸を捧げた、 それを消費する迄。 もしまだそこに居るのなら、 間違っているはずで。 広がってゆく負の連鎖を、 空から眺めていたよ。 零れた器の中、 光が増していって、 赤く妬ける伝承の外、 二度と戻らないのです。 仇となる彼岸を捧げて、 桎の意図を探るのです。 好奇心が生む羨望で、 全てあなたの声です。 仇となる彼岸を捧げて、 桎の意図を探るのです。 好奇心が生む羨望で、 全て■■■の所為です。 沢山の窓の外に、 壊されていたのか。 |
No.2 | 33 | |
528 | 藁人形の戸が閉まる、 漂う模様を纏いながら、 締め付けるように消えた、 愚か者の意識。 壊されていく湖に、 露骨にそれを曝け出しては、 振幅を増して帰る、 照らされた場所にて。 腐ったのは、 駄作の山。 際限なく溢れていく。 それは灯籠の様に、 美しく輝いた。 あの夢に近付く程、 遠ざかっていく気がして。 それはニヒリズムの祖が、 示した方向へと、 あの彼岸を捧ぐ程、 羨望が生まれるのです。 色を失うこの道で、 冷たい音を聞いていながら、 丸い水に写るのは、 電気信号です。 空の色彩へと落ちていく、 混濁の中の砂嵐が、 虹が砕けたその日は、 息の音が止まる。 鏤骨を呑み、 残されていた、 神隠しの別れ人よ。 それは灯籠の様に、 美しく輝いた。 あの夢に近付く程、 遠ざかってゆく気がして、 それはニヒリズムの祖が、 示した方向へと、 あの彼岸を捧ぐ程、 羨望が生まれるのです。 錆びた鎖に囚われて、 曇り空の過去を断つ。 全てあなたの声です。 それは灯籠の様に、 美しく輝いた。 あの夢に近付く程、 遠ざかっていく気がして。 それはニヒリズムの祖が、 示した方向へと、 あの彼岸を捧ぐ程、 羨望が生まれるのです。 罅割れた窓の硝子を、 沢山の塵の上で、 壊そうとしていたのか。 |
sIDE_KoeUs0W | 20 | |
371 | 凍てついた眼差しで、 今日も私を見る。 灯篭の様な光に、 縋ってみたけれど。 凍てついた眼光で、 今も私を知る。 灯篭の様な怨嗟に、 願ってみたけれど。 吐きそうな笑顔が、 私を貫くのです。 灯篭だけが、揺らいだ。 灯篭だけが、見ていた。 消えてしまいたくなる程に、 歓びを覚えるバケモノが、 何故か、私を虐げるよ。 夢の中だけで、生きていたい。 悪夢に魘され、色褪せた輝きを見ても、 それは即ち、無価値であり、淘汰されゆくので、 選択を強いられると、何時も、憂鬱だ。 とある星が、落ちる程に、今も、 私は、忘れていません、これは、 終わる事の無い束縛なのですから。 襖から覗いていた、 宴は灯されず。 灯篭の様な光の、 最期を目にします。 崩れゆく崖の上、 遥か向こうを指す。 灯篭の様な光が、 あなたを選びます。 私とは違って、 あなたは笑っています。 灯篭だけが、浮いていた。 灯篭だけが、呻いた。 消えてしまいたくなる程に、 歓びを覚えるバケモノが、 何故か、私を虐げるよ。 夢の中だけで、生きていたい。 夢の中だけで、生きたとして、 其処ではきっと、ひとりぼっち。 どうせ消えるのなら、温かく。 灯篭に、照らされていたいよ。 あの時あなたに着いて行けば、 何かが、変わっていたかもしれない。 消えてしまいたくなる程に、 歓びを覚えるバケモノが、 何故か、私を虐げるよ。 夢の中だけで、生きていたい。 消えてしまいたくなる程に、 歓びを覚えるバケモノが、 何故か、私を虐げるよ。 夢の中だけで、生きていたい。 |
幻鎖 | 19 | |
315 | 誰もあなたを知らない、 そんな此の世界、 あなたを探しても、 誰も私を知らない、 泡沫の世で、 誰にも見つからず。 合わせ鏡に映った、 澱んだ釈明。 いつしか川も止まるのです。 疫病の名を持つ知覚の手は、 その穢れを撒き続けるでしょう。 いつもあなたさえ居ない、 こんな世の中で、 誰かに見られても。 何も得る事など無い、 混濁の中、 誰にも見られずに。 萎れた透明の花、 沈む視界をも。 光が失われたのです。 疫病の名を持つ知覚の手は、 その穢れを撒き続けるでしょう。 |
アストゥロ | 15 | |
198 | 夜空に浮かぶ星を眺め、 涙が出る。 色とりどりの光を見て、 前が見えず。 今でも憶えていますか、 あたたかさとは? 訝しさとは? 不気味な光に魅せられ、 暗闇すらも忘れたのでしょう。 夢の中で泳いでいたら、 月が光る。 渦を巻く大きな器が、 無意味に泣く。 拙劣な傀儡に沿う、 波打ち際で、 酔い痴れていた。 何も知らない宵闇に、 自らの懊悩を捧ぐのです。 蕩けた敬いが飛んでいった、 そして偽善と混ざり合い、 ぼやけた闇の中の空洞が、 何故か奇妙で恐ろしかった。 蕩けた敬いが飛んでいった、 そして偽善と混ざり合い、 ぼやけた闇の中の空洞が、 何故か奇妙で恐ろしかった。 |
No.3 | 14 | |
473 | 蝕まれる記憶の、 厭世だけが輝いて、 割れた窓の外から、 見つめていたのでしょう。 蝕まれる記憶の、 喜懼する寂寥が泣いた、 灼けるその伝承を、 覗いていたのでしょう。 虐げたはずなのに、 私を置いて笑う。 何も出来ない悔しさを、 忘れたのですか? 独りでに妬み続ける、 自分自身を怨んで。 突き刺された此の世界の中、 私を殺して欲しくて。 憎むべきモノを憎んで、 笑える時に笑って。 遠ざかるあの夢を追いかけ、 惨憺として。 全てあなたの声です。 蝕まれる心の、 創造だけが淘汰され、 背を向ける人々に、 恨まれていたのでしょう。 蝕まれる心の、 不純物を眺めていた、 思慮に欠けた栄誉が、 蔓延っていたのでしょう。 人を殺したのに、 無意識に忘れられ、 何も出来ない恐さすら、 忘れたのだろう。 尽きる事のない光を、 次々と殺していく。 眩いほどの光を持てば、 虐げて良いのでしょうか? 希望は、もうありません。 独りでに妬み続ける、 自分自身を怨んで。 突き刺された此の世界の中、 私を殺して欲しくて。 憎むべきモノを憎まず、 死を望む私はもう、 沢山の壊れた目が、 窓から見つめるのか。 |