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凍てついた眼差しで、 今日も私を見る。 灯篭の様な光に、 縋ってみたけれど。 凍てついた眼光で、 今も私を知る。 灯篭の様な怨嗟に、 願ってみたけれど。 吐きそうな笑顔が、 私を貫くのです。 灯篭だけが、揺らいだ。 灯篭だけが、見ていた。 消えてしまいたくなる程に、 歓びを覚えるバケモノが、 何故か、私を虐げるよ。 夢の中だけで、生きていたい。 悪夢に魘され、色褪せた輝きを見ても、 それは即ち、無価値であり、淘汰されゆくので、 選択を強いられると、何時も、憂鬱だ。 とある星が、落ちる程に、今も、 私は、忘れていません、これは、 終わる事の無い束縛なのですから。 襖から覗いていた、 宴は灯されず。 灯篭の様な光の、 最期を目にします。 崩れゆく崖の上、 遥か向こうを指す。 灯篭の様な光が、 あなたを選びます。 私とは違って、 あなたは笑っています。 灯篭だけが、浮いていた。 灯篭だけが、呻いた。 消えてしまいたくなる程に、 歓びを覚えるバケモノが、 何故か、私を虐げるよ。 夢の中だけで、生きていたい。 夢の中だけで、生きたとして、 其処ではきっと、ひとりぼっち。 どうせ消えるのなら、温かく。 灯篭に、照らされていたいよ。 あの時あなたに着いて行けば、 何かが、変わっていたかもしれない。 消えてしまいたくなる程に、 歓びを覚えるバケモノが、 何故か、私を虐げるよ。 夢の中だけで、生きていたい。 消えてしまいたくなる程に、 歓びを覚えるバケモノが、 何故か、私を虐げるよ。 夢の中だけで、生きていたい。