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全て鎖国の所為です。

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全て鎖国の所為です。 1211 建て付けられた格子の、 外を覗いてみて。 青い光が照り付け、 眩しく目が眩んで。 もたれ掛かり、 眠りに堕ち、 痛みに苛まれた。 観音開きの内側、 やおらに手をついたら。 勢いづいて、 戸が開いて、 外に放り出された。 乾いた寒色の閃光を、 徒に思い出し、 求め続け遂に朽ち果てて、 戻れなくなりました。 霧を浴び視界揺らぎ、 其処で意識が壊れ。 目を開ければ洞の中、 寒風が肌を撫で。 動こうとも、 できない儘、 百足と嗤っていた。 奇怪な音を鳴らして、 垂れる滴を畏れ。 のたうち回り、 外へ出たら、 全てを忘れ去った。 乾いた寒色の閃光を、 徒に思い出し、 求め続け遂に朽ち果てた、 全て鎖国の所為です。 まやかしにはもう気付き得ず、 排他的な快に縋って、 何も見えず、 忘れ去られ、 振出しを探すのでしょう。 乾いた寒色の閃光は、 二度と思い出せずに、 求め続け遂に朽ち果てた、 全て██の所為です。 照り付けてた閃光は、 もう見えないのか。
㋴㋴ 11
全て鎖国の所為です。 288 揺らいでいる光を追って、 迷走する羊の群れが、 夢見がちな瞼を下げて、 眼の裏に焼き付く。 夜を告げる静寂の中で、 三日月を映した川面が、 遠ざかる意識を見守り、 爛々と佇んだ。 流れ込んだ、 入江の先を、 泥岩が堰止めてた。 其処はどこか懐かしくて、 思い当らずに、 朧気に遺った記憶を、 徒に探るのです。 消えかける青い光に、 招かれるようで、 歩んでみるも思いがけず、 目が醒めてしまうのです。 逢魔時見えた瑞夢に、 泥む気持は隠せずとも、 時報の音が耳に絡まり、 迷宮へ誘われる。 鈍い脳裏の夢日記は、 儚く蕩けて消えていく、 後を濁す記憶の塵が、 蟠りを生み出す。 流れ込んだ、 入江の先で、 泥岩が砕けていた。 其処はどこか懐かしくて、 思い当らずに、 朧気に遺った記憶を、 徒に探るのです。 消えかける青い光に、 招かれるようで、 歩んでみるも思いがけず、 目が醒めてしまうのです。 銅色に 輝いた幻を、 掴めずに逃しました、 全て鎖国の所為です。 其処はどこか懐かしくて、 思い当らずに、 朧気に遺った記憶を、 徒に探るのです。 消えかける青い光に、 招かれるようで、 歩んでみるも思いがけず、 目が醒めてしまうのです。 銅色に 輝いた幻を、 独り籠る檻の中、 虚しく描いたのか。
海鵜 17
全て鎖国の所為です。 493 浮雲が波間を漂ってる、 潮風に黒髪が靡いてる、 行先知れない海の向こう、 当てもなく見つめ続けている。 幼子の記憶に絡みついてる、 戯けてた仄甘い談笑が、 気づけば忙しい渡鳥になり、 思い出の片側を咥えて、 雲と戯れるように何処か羽ばたいてった。 言葉足りずに忘れ去れなくて、 いつの日にか舞い戻る気がして、 今日を照らす青空が朱く染まる迄、 唯、偏に、偏に、偏に、待ち望む。 浮雲は海の上を流れて、 潮騒の閑談を聴きながら、 名前も知らない街を見つけ、 雨となり地に馴染むのでしょう。 掴めずに揺れている惜別も、 心拍で掠れた備忘録も、 道路を見上げて広がる水面に、 棄てて仕舞えれば楽だろうに、 脳裏に散らかって未だに手放せずにいる。 言葉足りずに忘れ去れなくて、 いつの日にか舞い戻る気がした、 束の間の夕凪が静寂を運んで、 塩辛い潮が心を撫でおろした。 月夜烏が鳴いて流れ星が堕ちて、 見つめている先で照れくさそうに、 赤熱してる大空のほとぼり冷めても、 唯、侘しく、侘しく、侘しく、待ち侘びる。 待ち侘びてる、 焦がれてんだ。

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2024-12-18(ver.1470)

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