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揺らいでいる光を追って、 迷走する羊の群れが、 夢見がちな瞼を下げて、 眼の裏に焼き付く。 夜を告げる静寂の中で、 三日月を映した川面が、 遠ざかる意識を見守り、 爛々と佇んだ。 流れ込んだ、 入江の先を、 泥岩が堰止めてた。 其処はどこか懐かしくて、 思い当らずに、 朧気に遺った記憶を、 徒に探るのです。 消えかける青い光に、 招かれるようで、 歩んでみるも思いがけず、 目が醒めてしまうのです。 逢魔時見えた瑞夢に、 泥む気持は隠せずとも、 時報の音が耳に絡まり、 迷宮へ誘われる。 鈍い脳裏の夢日記は、 儚く蕩けて消えていく、 後を濁す記憶の塵が、 蟠りを生み出す。 流れ込んだ、 入江の先で、 泥岩が砕けていた。 其処はどこか懐かしくて、 思い当らずに、 朧気に遺った記憶を、 徒に探るのです。 消えかける青い光に、 招かれるようで、 歩んでみるも思いがけず、 目が醒めてしまうのです。 銅色に 輝いた幻を、 掴めずに逃しました、 全て鎖国の所為です。 其処はどこか懐かしくて、 思い当らずに、 朧気に遺った記憶を、 徒に探るのです。 消えかける青い光に、 招かれるようで、 歩んでみるも思いがけず、 目が醒めてしまうのです。 銅色に 輝いた幻を、 独り籠る檻の中、 虚しく描いたのか。