全て死角の所為です。
⬚ | ||
待ち侘びた水浅葱、 撓む己が両目に。 憑かれた傘と水飛沫、 ひとり、ふたり、幽霊の声。 囁いた。 そして、響く。 草臥れうる黄昏に。 待ち惚け琥珀色、 腐る己が両手に。 喰わせども茹る。 故に啼けと。 草臥れうる暁に。 契りを交わす宵闇の空、 人知れず言葉を詰まらせた、 この先は道など在りやせず、 静かに朽ちるのでした。 喚いても見当たらず、 両側を焦らす矩形波と、 心辺りの無いモノが、 心無い言葉で迫り来る。 毒針を埋め込まれて、 制御不可能となった。 濯いでも満たされず、 両手から零れた水滴が、 歌い出す、心奪う、 揺らぎを隠すようにと。 契りを交わす真紅の糸が、 人知れず最後を濁らせた、 この先の道も灰と共に、 全て死角の所為です。 契りを交わす真紅の糸が、 人知れず最後を濁らせた、 この先の道も灰と共に、 全て██の所為です。 数え切れない程に、 憎まれていたのか。 |
⬚[short] | ||
待惚け琥珀色、 腐る己が両手に、 喰わせども茹る、 故に啼けと、 草臥れうる暁に。 契りを交わす宵闇の空、 人知れず言葉を詰まらせた、 この先は道など在りやせず、 静かに朽ちるのでした。 濯いでも満たされず、 両手から零れた水滴が、 歌い出す、心奪う、 揺らぎを隠すようにと。 契りを交わす真紅の糸が、 人知れず最後を濁らせた、 この先の道も灰と共に、 全て死角の所為です。 |
⬚⬚[short] | ||
意図せず喚いた本能は、 まるで幼く、 澄んだ水を求めては、 愚行に走るのです。 気味が悪く、 得体も知れず、 呂律が回りません。 季の凪げ躍る心臓が、 べく儘に。 見得たものなど既に、 無為な想いとなるのです。 忌み繰れう畦、 何が見ゆ? 出来損ないが涯と、 全て死角の所為です。 意図せず喚いた本能は、 |
成り済み | ||
一つの叫びが、封じられていた。 生じる負荷と、持たざる者。 何かが、砕ける音がした。 でっち上げの過ちを、信じてしまうのなら。 後ろめたい気持ちなど、ゆるやかに衰えるでしょう。 雨に濡れ、飛んでゆく、 琥珀色の目をした、 オバケが、逸れていた。 オバケは、夢を見ていた。 死角から覗き込む者が、ひゅ〜どろと出る。 怨めしそうにこちらを、見つめていたのです。 歎きや愁いの後に、綺麗な花が咲きました。 然すれば、不可能も可能になるのでしょう。 四面楚歌を避け、筆を持つ度。 過去の名残や遺伝子は、偏り歪められて行く。 交わした契りなども、守れられずに。 濁らないように、知らせに逝くのでした。 闇にのまれ、きえてゆく。 オーブが、空を舞うように。 きらきらと、きえてゆく。 涙さえ、きえてゆく。 ひとりぼっちは寂しいよ、叫んでいる。 もう耳は聴こえないけれど、想いは確かだった。 二度と逢えないようです、体が無いから。 きよらかな黒さや、虚無さえも。 愛していた。 嗚呼、頓挫してしまったようです。 心配はいりません、 嫌いになんかなりません。 白鳥の歌が響いた。 死角から覗き込む者が、ひゅ〜どろと出る。 寂しそうにこちらを、見つめていたのです。 歎きや愁いの先にこそ、蕾は開くのでしょう。 然すれば、不可能も可能になるのでしょう。 死角から覗き込む者が、ひゅ〜どろと出る。 怨めしそうにこちらを、見つめているだけ。 歎きや愁いの果に、何があるでしょう。 後悔が、あるでしょう。 涙さえ、きえるでしょう。 |