全て十五の所為です。
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37061 | 星の火に、 請いを描く種は無く。 欲望は、 重力の環に巻かれて。 不死の陽に、 誓う逢瀬は絶え。 黙祷は、 有毒な狭間と化す。 他人を欺いた記憶は、 汝の益を数ふ而。 無価値なるものも、 不埒なるものも、 帳を隔て理路を模していた、 全て十五の所為です。 枷の樹の、 逐が明るなれば、 属領は、 人徳の差に刈られて。 意図を傾けた目処は、 何時の情を含む而。 無価値なるものも、 不埒なるものも、 帳を隔て理路を模していた、 全て十五の所為です。 片腕の無い船着場、 拒むモノクロを抜けた先、 十五の曖昧な時を抱えた儘、 行く宛も無く。 |
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37617 | 長い道の先に、 袂を分けた貌が見える。 /地中二尺に埋められた約束は、 /今もあなたを待っている。 桜花の余韻を、/忘却して、 只管反芻した。/堪えた。 逸音を忘れた諧謔は、 誰の所為とも知らずに。 空返事の陽の向こう、 去れば惜しむ形見も勿れと。 誰かと誰かの過ちも消えた、 全て十五の所為です。 八合目の曇り空、/雨粒が伝ったのは、 覆われた低熱に抗い、/結露した誰かの感情で。 薄い装束を貼り続けていた、/あなたの背中を押し続けていた、 全て十五の所為です。 誰かの矜持を称えること、/何も誇れるものがなくとも、 巡る長針を見つめ耽っていた。/かつて惹き合った験ならば。 憂鬱と成就と心残りとが、/やがて、/やがて、 微かに棚引いていた。/やがて、/輝くだろう。 永劫に惻隠なる中継地/然れども輪廻は 来世は不明瞭にして/改悛の忘却を 悠然なるか/忘却する 剥がれた心、時化た流星、 急いて転んで▇り堕ちそうで。 破れた手紙を失ったのは、 まだ迷いがあるからなの? 忘れた故郷、/かざられたもの ずれた照準、/すてられたもの 僻み妬んで酔い痴れたことも。/うらがえしのおもいは/とどくはずもなく 祝福の音が飛び去ったのは、/とりのこされたあいことばは 全て十五の所為です。/すべてあなたのせいです 探し物と失せ物は、 そこで初めて苦さを知った。 刻まれた三十の証拠、 確かにまだ温度を帯びていた。 /長い道の先に、 /袂を分けた貌が見える。 地中二尺に埋められた約束は、 今もあなたを待っている。 |
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22141 | 醒めた光は、映すものを摺り替えて、 惰弱な報せから、視線は滑り落ちる。 なんでもない日に、意味を求めたくて。 路傍に晦む遷移を探していた… すれ違う叢雲、膨らんだ円筒、 お馴染みのパノラマから、色の閉ざす畷。 動き始めた、黎明を繰り返して、 網膜に宿る日和見は、 不可思議な燻りに置き換わる。 重力を帯びる歌声に、妖しさが混じり合って、 訝しんだ、 頬を染めた、 不知不識の所縁に。 谹する寒空に、血が通った気がした。 認めた覚えもない、遁げる術も知らないことを、 全てを捨ててでも、伝えたかった。 だから手を招いて、 遺風は屹度躱せないから、 忘れてしまおう。 陽差し交わる、故い若葉の庭で、 下界を啓き識る声は、粒に溶けて堕ちる。 なんでもない日は、価値を顕せずいて、 魁が背筋を撫でた、 岐れかけの、霧がかった記憶。 機の臓物の移ろいは、迷いもなく駆け出して、 請いを挙げた、 聴かれず居た、 別れの言葉の代わりに。 憐れみは匿されて、初春の薫りが残る。 諌む言葉も忘れて、想い為しは前だけを向いて。 全てが灼けるような、夢を見ていた。 心を避けて、 壊れた憂いが直せないのは、 十五の所為だ。 成就を賽に結ぶのは、 孰れ叶わぬと知っているから。 萌む言葉は不意に与えられて、 訝しんだ、 頬を染めた、 不知不識の所縁に。 谹する寒空に、血が通った気がした。 認めた覚えもない、遁げる術も知らないことを、 全てを捨ててでも、伝えたかった。 だから手を招いて、 遺風は屹度躱せないから、 忘れてしまおう。 |
すれ違い傍若無人 | 678 | |
41766 | 結く髪の束の匂い、 嗚咽知らずの栄枯盛衰。 暗く澱んだ椅子の影に、 融ける黒幕は八方美人。 通じる言質が違うのか、 どいつもこいつも陰湿で。 操縦席の無い機体には、 誰が訪れるだろう。 奇妙な二重生活、 寧ろ心地よく感じていた。 嘸かし良い気味か、 蔑め誹れ祟れ逃げ惑え! 叫ぶ声すら、 塵と同義か、 得体の知れない悪意に駆られ、 嗚呼。 虚空を仰ぐ驟雨の樹、 根が折れた気がした。 泥む躰は、 諦め悪く、 砂鉄の様な言葉を飲み込んだ、 是こそ凶兆哉、 死に至るでしょう。 全て十五の所為です。 結く花の束の香り、 濁世に微睡んだ琥珀色。 投げる亡骸のサイの目は、 逃亡を図る玉虫色。 生ずる因果は潜在か、 どうりで誰も味方がいない。 情報量に依存した死は、 平等に与えられる。 不本意な戯言も、 根拠を探すのは簡単で、 そうした催眠は、 執拗にあなたを憎むのだろう。 叫ぶ声すら、 塵と同義か、 得体の知れない悪意に駆られ、 嗚呼。 虚空を仰ぐ驟雨の樹、 根が折れた気がした。 爆ぜる思考は、 復讐芽生え、 宙吊りのまま過った涙。 如何せならその言葉、 遺言としよう。 「全て十五の所為です。」 |
回顧録 | 316 | |
13024 | 看過ごされた日々は潤を忘れ、 四肢を換えた鷺に、瓦礫を捧ぐ。 来る者拒み、去る者を追い、 何も知らずいた。 罪を重ねていた。 声は聞こえますか? 全て十五の所為です。 絢爛な右の手は祟を恐れ、 鐵を携えて、血液を注ぐ。 来し方忘れ、行く末も忘れ、 何かを避けていた。 史を割かれていた。 声は見えていますか? 全て十五の所為です。 濁世を厭い、楽園も厭い、 何も知らずいる。 罪を重ねている。 風姿が見えずとも、 焚べた詞を囁いた。 記憶を遺れた影の、 爪先から溢れた、 艶やかな不協和音は、 耳底を溶かし、 離を招く。 看過ごされた日々は潤を忘れ、 四肢を換えた鷺に、瓦礫を捧ぐ。 来る者拒み、去る者を追い、 何も知らずいた。 罪を重ねていた。 声も届かぬのです。 全て十五の所為です。 |
幻風景 | 660 | |
31738 | 徐に薫る、 刹那の火駆り。 綾模様の信号と、 舗装された痛覚。 御託に呼応する、 朧げな火駆り。 ノイズ交じりの川面に、 貌は映らず。 九路を抜け 世に在らぬ道塗を 霧と共に 足を踏み外す勿れ 幸と為れ、 誰が風に憑依し、 穢れた為人を 悔やみ眩ますのか。 朦朧は糧、 彼誰刻も死せず、 紐の付いた孤独を 蛇に擬えて。 九路を抜け 世に在らぬ道塗を 霧と共に 足を踏み外す勿れ 幸と為れ、 誰が風に憑依し、 穢れた為人を 悔やみ眩ますのか。 朦朧は糧、 彼誰刻も死せず、 紐の付いた孤独を 蛇に擬えて。/ 黒を抜け 世に在らぬ導徒を 錐と共に進め |
珊瑚 | 356 | |
19518 | 永久のまやかしは、 蒼天に儚く消えた。 足跡に漂う残滓に、 権衡なる寧静を…願おう。 ぬかるみに絵を描いた、 稚拙さに委ねた絵だ。 一時の想いを遮る風さえも、 魂に眩んで、 ただ空を埋めるのか。 嘆いた岐れは、 此後で花が咲く。 積み上げた矜持を遮るものは無く、 記憶通りの風が過ぎった。 あなたの風姿さえも、 やがてまた会えると告げて、 霧中に消えた。 全て十五の所為で。 炭から湧いた怨嗟を、 手のひらから飲み干した。 幼子が眠るツギハギは、 二度と歸らないと…誓おう。 抜殻に餌を撒いた、 他所の幸を識った報復に。 碧落を浴びた陽炎が絡まった、 「ここから去れ」と、 ただ息を潜めた侭。 喚いた絡繰に、 花の骸が宿った。 かつての街が渡した形見にすら、 遺貽した風が混ざった。 "別れを言うにはまだ早かったかな、" "力になれなかったね、" "…それは、" "どうせ僕の所為だ。" Lalala... 紅い季節を告げる珊瑚礁はあまりにも無垢で、 色を弔う彼らは悍ましい程に醜くて、 名前の無い道を名付けるあなたの音沙汰を待ち続けた、 これまでも、 これからも、 どうせ忘れてしまうんだろうな。 |
誤算 | 216 | |
11686 | 煩いを延ばす影の集落は、 いつも夏空と見間違えそうで、 渦巻の劣等感に 追われるように、 その人は去っていくのでした。 呪いを糺す明日の躁鬱は、 案の定忘れ去られたようで、 あの子なら死んだも同然だと 目くじらを立てていました。 病的にひしゃげた顔で、 ゴミ箱を漁るように、 掬っては零れ行く幸を求め、 何も掴めずにいるの? 災いを招く須臾の享楽は、 火のないところに立つ煙の如く、 周期的に疼く臓物に 怯え慄いて、 全てを敵と悟ったのか。 繁栄の消えた錆の洞察は、 タラレバを乱雑に炒めたようで、 砂塵が自らに酔う様 それは、 見るに堪えないモノでした。 終末を生きる少年よ、 記憶通りの風が恋しくとも、 堕ちゆく機体には乗り込むな、 それでも鳥は飛び続ける。 虚しさと孤独を抱いて、 あの子はいつも泣いていた。 蒼穹を見上げてはこう呟いた、 "嗚呼、" "全て十五の所為です。" 抗い続くも諦めるのも、 どうしようもなく薄汚くて、 指に絡みつく羽虫に 気を取られながら、 ただただ彷徨っていました。 愚かしさに燃える影の闇も、 塞ぎ込むばかりの絶望も、 ひたすらに足掻くことを恐れず、 その人はまた歩き出す。 |
幻風景[short] | 60 | |
1111 | インスト曲 |
回顧録[short] | 33 | |
613 | 看過ごされた日々は潤を忘れ、 四肢を換えた鷺に、瓦礫を捧ぐ。 来る者拒み、去る者を追い、 何も知らずいた。 罪を重ねていた。 声は聞こえますか? 全て十五の所為です。 絢爛な右の手は祟を恐れ、 鐵を携えて、血液を注ぐ。 来し方忘れ、行く末も忘れ、 何かを避けていた。 史を割かれていた。 声は見えていますか? 全て十五の所為です。 |
鵺[Re:interpreted] | 337 | |
16156 | 光を厭う紙の中、 何を見ているのですか? 未だ来ぬ事務室で、 義務と云う名のパズルを組む。 あなたの既知を辿っていた、 後で引き返すために。 蠢く自我の郷里とは? 詐欺師とは何者か? 遍く知る者に、 問うて問うて問うて問い続けるのです。 逢瀬を這える短二度は、 歪められた鳥居と知らずに。 光を厭う紙の中、 何を見ているのですか? 既に手の中に在らず 中途半端なパズルを見ゆ 己の無知に絶望した あなたの顔が見たくて 轟く朱の本意とは? 顧慮者は何をすべきか? 瑕瑾に託せども、 聞けば「牽強付会の説に過ぎず」と。 柘榴に求む長三度、 頭蓋の線が繋がらずとも。 朱く塗られた現実は、 全てあなたの所以です。 歯向かおうとするなれば、 卑しき誤謬を抱えていて。 唸り、悔み、迷い星になり、 天命を待つのでしょう。 逢瀬を這える短二度は、 歪められた鳥居と知らずに。 光を厭う紙の中、 何を見ているのですか? 朱く塗られた現実は、 全てあなたの所以です。 |