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永久のまやかしは、 蒼天に儚く消えた。 足跡に漂う残滓に、 権衡なる寧静を…願おう。 ぬかるみに絵を描いた、 稚拙さに委ねた絵だ。 一時の想いを遮る風さえも、 魂に眩んで、 ただ空を埋めるのか。 嘆いた岐れは、 此後で花が咲く。 積み上げた矜持を遮るものは無く、 記憶通りの風が過ぎった。 あなたの風姿さえも、 やがてまた会えると告げて、 霧中に消えた。 全て十五の所為で。 炭から湧いた怨嗟を、 手のひらから飲み干した。 幼子が眠るツギハギは、 二度と歸らないと…誓おう。 抜殻に餌を撒いた、 他所の幸を識った報復に。 碧落を浴びた陽炎が絡まった、 「ここから去れ」と、 ただ息を潜めた侭。 喚いた絡繰に、 花の骸が宿った。 かつての街が渡した形見にすら、 遺貽した風が混ざった。 "別れを言うにはまだ早かったかな、" "力になれなかったね、" "…それは、" "どうせ僕の所為だ。" Lalala... 紅い季節を告げる珊瑚礁はあまりにも無垢で、 色を弔う彼らは悍ましい程に醜くて、 名前の無い道を名付けるあなたの音沙汰を待ち続けた、 これまでも、 これからも、 どうせ忘れてしまうんだろうな。