全て傾斜の所為です。
═[short] | 6 | |
153 | 差し込み散らばる残光が、 鮮烈に焼き付いて、 遭難信号は届かずに、 濁流に呑み込まれた。 揺らめいた灯火の不規則な影が、 緩急をつけていく、 応答が静寂を切り裂いて、 均衡が崩れるのです。 視界を曇らす霙、 幻覚に陥るが、 逆行し続ける時の間で、 狭窄に気付いたのか。 理路整然とした明晰夢の、 断片を呼び起こした。 脳裏で記憶と漂っていく、 全て傾斜の所為です。 |
刻一刻[short] | 2 | |
84 | 忘れたはずなのに、 未だに覚えている。 手紙は人の波に飲まれて。 在処も知れぬ儘、 嵩を増す。 境界で左右を忘れ、 二人きり 描いても、 意味は持てず されるが儘に、 焦燥となるのだった。 だれも しらないばしょで どこにいたのか わからなくなってしまったけど わすれさられて しまいそうで ここまできてしまったのなら 過去は隠すこと出来ずに、 背負い続けていく。 仕方がないと、 受け入れてみても、 針は何かを伝えているようで。 鍵のかかった箱を 開けてみたのか。 |
═ | 6 | |
129 | 差し込み散らばる残光が、 鮮烈に焼き付いて、 遭難信号は届かずに、 濁流に呑み込まれた、 見縊って電線を焼くのなら、 歪む道に身を伏せる。 彼方へ手招く猫の声、 意図的だと知るのなら、 拵えた詭弁を曝け出し、 すぐに錆びて往くのでしょう。 揺らめいた灯火の不規則な影が、 緩急をつけていく。 応答が静寂を切り裂いて、 均衡が崩れるのです。 視界を曇らす霙、 幻覚に陥るが、 深海へ続いた国道に、 妙に惹かれ身を濡らす。 断ち切った反動を受けるなら、 空に溺れ息絶える。 調和を忘れた区分、 誤謬を誘い出すが、 逆行し続ける時の間で、 狭窄に気付いたのか。 理路整然とした明晰夢の 断片を呼び起こした 脳裏で記憶と漂っていく 全て傾斜の所為です 揺らめいた灯火の不規則な影が、 緩急をつけていく。 応答が静寂を切り裂いた、 全て気分の所為で。 耳を塞いで目を閉じて、 物思いに耽るのか。 |
刻一刻 | 6 | |
213 | 忘れたはずなのに、 未だに覚えている、 望みを断ち切った言葉を。 思い出してしまうのは、 避けられないのか、 塞げば塞ぐほど、 嵩を増す。 限られた時の流れと、 消えていく思い出は、 昨日にでも 取り残されて、 実在しないものだった。 奥底で蝕んでゆく、 磨かれた水晶は、 意味を持てず されるが儘に、 焦燥となるのだった。 引き寄せたつもりでも、 そちらへ届くことなく。 手紙は人の波にのまれて。 失われた意味すらも 求められないのか。 在処を知れたなら、 是非を問う。 境界で左右を忘れ、 均衡を崩したら、 明日にでも 世界は割れて、 想定を超えるのだった。 逃れることを忘れて、 二人きり 描いたら、 存在を生み出すように、 反射光で照らしていく。 壊れた時計の針を、 穴が開いた 部屋の隅の隅で。 呑み込まれそうで 仕方がないから。 誰も知らない場所で どこにいたのか わからなくなってしまったけど 忘れ去られて しまいそうで ここまで来てしまったのなら。 過去は隠すことできずに、 背負い続けていく。 仕方がないと、 受け容れてみても、 針は何かを伝えているようで。 鍵のかかった箱を、 開けてみたのか。 |
══[short] | 9 | |
111 | 誘導された線路の奥くは只、 めくるめく要求の集積場、 応答が途絶えた今でも、 見栄を張り、 欲望が、映り込む。 閉ざされた、 住処を変えて、 類推できず、嘆く。 果実が赤く染まる頃、 託された唄の片割れが、 彼誰時に聞こえ、 傍らの光が差す。 明晰夢を奪って、 空に飛び込んで、 二つ折りの手紙が示す、 全て傾斜の所為です。 誘導された線路の奥くは只、 |
均衡 | 12 | |
173 | 全て傾斜の所為です。 操られた様に、 独り歩きを始め 目が眩み、 その姿では似つかない程、 輝きに満ちて見えたので、 ひとつ、またひとつと、 割り切れない思いは募るから、 そこから離れず、 耳を貸してはくれないか? 線路は途切れていて、 時間軸が捻じれた気がして、 もう二度と動くことはないと、 無常の儚さを知るのです。 隔たりが壊れたら、 過去の景色とは決別して、 思いのまま踊らされ、 予期せぬ不調は隣り合わせ。 遠すぎた目的地、 決して行き先は変えないが、 委ねられる道が無いのなら、 今すぐ立ち去るべきなのです。 それも策略でしょう。 均衡が崩れたら、 ありふれた話の続きと、 気づくことが出来るはずだから、 幻覚に惑わされぬように。 遠すぎた目的地、 決して行き先は変えないが、 委ねられる道が無いのなら、 今すぐ立ち去るべきなのです。 隔たりが壊れたら、 過去の景色とは決別して、 思いのまま踊らされ、 予期せぬ不調は隣り合わせ。 均衡が崩れても、 ありふれた話の続きと気付けず、 意の儘に踊らされ、 予期せぬ不調和と隣り合わせ。 全て傾斜の所為です。 |
⏜⏜⏜[short] | 6 | |
58 | 意識を失くした両腕で、 赤く染めた液体を飲む、 そこに混ぜられた欲望は、 やがては己に還るのです。 形をなぞった両の目の、 夢は現に溶け込んだ。 それらは顕著に現れて、 足場を崩す。 誤謬を正す為だけに、 言葉を裏返すなら、 切り取られた額縁も、 さぞ美しく見えるでしょう? 屈折したその光は、 痛々しく見えて、 とても目も当てられない程で、 腐敗臭を放ち出す上、 薄暗く 気味悪く、 浅学な者だけ、 寄せ集めて 自惚れて、 驕り高ぶる。 全て傾斜の所為です。 |