全てを失うのです。
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2012 | 意味を届けて此方へと来る、 息を畳み続け裏返し、 正解は何処にもないのです、 あなたが探し求め作り出す。 皮肉が混じる歌に意味はなく、 洗練される姿を見てて、 どれほど回りくどいのでしょう、 昔日を讃えていた。 切り刻まれる音の中には、 冷たく塗りたくる水田に、 言葉は既に廃れています、 反射した死角に水を零す。 皮肉が混じる歌に意味はなく、 洗練される姿を見てて、 どれほど回りくどいのでしょう。 全てを失うのです。 |
巽[short] | 168 | |
6759 | 情景へ泳ぐ陽炎で、 何から逃げるのですか? 溺れ行く文の音が、 所以たる始まりを翳す。 正し合う縺れの惨状は、 暦を引き継いでいた。 問い質すあなたの真意とは? 何を間違えていたのか? 行く末すら迷う回廊で、 いたずらに飛び込んでた。 前提を削いだ短三度、 歪をいわぎ泥みを問おう。 情景へ泳ぐ陽炎で、 全てを失うのです。 |
_[short] | 35 | |
1280 | 滞る思慮と指先で、 気配を隠す様、 霜に浸る。 窓枠に佇み、 色塗られて湿る、 綺麗な三面鏡。 小さく光った電灯は、 此方を見ているのですか? 届かない思いと、 積み重なる既知の思考。 すたり廃る鼓動、 連番の空、遥かな欲望。 間違わなければいけないのです。 |
シェイプ | 56 | |
1693 | 道先の雨は暗く、 足踏みをしていました。 這う町の意味も分からず、 見ていたのです。 何を思いますか? どんな形ですか? 謂れもなく筋もなく、 夕暮れに落ちた。 何かを追い求め、 何かを捨てていた。 静かに事切れていて、 夢を見続けた。 何かを追い求め、 何かを捨てていた。 静かに事切れていて、 夢を見続けた。 |
愉悦[short] | 66 | |
2056 | あなたがそこで描いたのは、 あなたの揺らぎでした。 あなたはそこで待ち続けて、 何かを落とすのでした。 過去った末路を掲げ、 無くしては繋いでいく。 今更何を得ようと、 変わる余地も無くて。 壊れた涙を捨てた、 濁る笑みに何を得る? 携えた言葉の中、 淡い光に飲まれた。 |
周遊伝記 | 109 | |
3070 | 眺めていた景色とその鋼色 翹望を胸に畢生を駆けた 未だ何も見つからないけれど 昔日の願いを追い続ける それは組み換えされて 真似し続けてた触媒の友と 但し 欺瞞は意思を正す 気がかりは行く末の思いです 託し連ねた ねがい を身に背負い ここまで歩き続けて来たよ 長く長く経た物語の意味は この証明で終わる 流れ彷徨う かたち を見続けた その理を追い続けたよ 全部全部未だ語り切れないけど 今は印を刻む |
┼¹ | 141 | |
3546 | 思考とか浅慮とか、 奪われ続けた。 声の道筋には、 移住した影の送り主が。 透く仰せの儘、 何方の笑み? 何方の叫びか? 俯いた、 関節のどよめきだ。 朧げね。 手繰り寄せ、煤の舞う頃、 心に咲かせた。 それはそれはおかしくて、 壊れてた、 あなたの手が。 いつもいつもそれは、 拒否し続けてた。 とにかくとにかく見た、 逃げた 灰になる。 いつもはいつもは一緒で、 一つ描いてたね。 何も知らず、何も知れず、 そこは進み行く。 いつもいつもそれは、 拒否し続けてた。 とにかくとにかく見た、 逃げた 灰になる。 いつもはいつもは一緒で、 一つ描いてたね。 赤く燃えて、黒く消えた。 あなたの依り代。 いつもいつもいつもいつも、 傾げるあなたは。 |
ロスト | 83 | |
2379 | 斜面の手 折れた不屈の弧、 傍に限るが 絡まる微笑み。 時が経つ 天気の懐、 願う言葉は いつ届くのか? 負い願われていく、 全てもらい受け、 少しだけ挟む、 唯、終日迄。 茎の通り 外すとは、 何を求めているのか? それは矜持を保つ、 縹渺とし、 歩き出して然る祷は、 徴を伏せていた。 首の指示 従う不毛か、 禰から千切れる 遊びの遠吠え。 楔にはお辞儀し 指さす、 穴を開けては 飛び跳ねつつ。 黒鉛の予防、 光る緑の絵、 物差しは傾げ、 未だ、昔日です。 矢印の音 会釈した、 四則演算のお陰ですか? それは矜持を保つ、 縹渺とし、 歩き出して然る祷は、 徴を伏せていた。 |
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1457 | 手鏡へと追い詰められて、 形を探し続けてました。 正対が留まる、 可笑しくなるのでした。 測りへと、 髄を汚し、 昔日を眺めていた。 弾かれる三重の、 身柄を集めるように、 滑り続け端から曇り、 賑やかに終わるのです。 蹲る事も出来ず、 怪しさを忘れました。 全てを失うのです。 手鏡へと追い詰められて、 |
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1895 | 音が出せない口では、 あなたに思いを告げれず、 後悔の指先から、 押し潰されていた。 音が出せない口では、 意思を届けれるはず無く、 消えかけた存在へと、 ゆっくり近づいていた。 訳も分からずに彷徨って、 答えを指し示せば、 間に合わず、色褪せず、 ふと閉じていくのです。 無秩序な場所では、 溺れてしまうのです。 気概へと押しのけされ、 道筋を断つのです。 それは曰く切なさで、 崩れて行くのでしょう。 目も回り気がつく頃、 辞世を汚す。 全てを失うのです。 |
酷く脆い灯を抱えて[short] | 64 | |
2015 | 少しだけ荒んでた、 隙間で歪んでいた。 思いは疾うに廃れ、 行く末すら分からずいる。 過去った日はもう戻らず、 帰りのベルが鳴り、 全てが杞憂に終わればと、 嘆き悲しむ。 何処かへと置いて 枯れる音は、 酷く脆い 灯を抱えて。 何も見えなくなる その日まで、 声を鳴らすのでしょう。 |
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2935 | 眺め続けた景色は、 濁り出すはずの歌を描き、 昔日の音を待ち続けてた、 虚実を探していた。 いわゆることばのかたりで、 向こう側の底を見て、 寵愛の末路を書き入れた、 全てを失うのです。 畳む意味を裏返しては、 断つ 形を探し続けた、 追う声は何処? 遠く遠く、 失われていく。 皮肉が混じった詩と、 弾かれた 身柄を集めるように、 無秩序な場所にいては、 全てを失うのです。 眺め続けた景色は、 |