全てあの世の所為です。
露見 | ||
彼方へと行く、暮夜の霜焼けが。 遠く離れて消えてく世の満ち欠けを見た。 彼方へと行く、御影の相貌が。 事に嵩を迎えているだけだった。 嵐と水、欠片さえも、 何処かへと身罷る。 此方が誰かへ連れ込もうと、 したのは誰ですか。 朧月夜の夢が昇るのを見た。 体が溶けてく、 滲んで消えてた。 感情の痕跡すら無く、 胴体がうずくまっていた。 彼方へと行く、暮夜の霜焼けが。 遠く離れて見えてたあなたのうめき声。 彼方へと行く、御影の相貌が。 霊も悪か善かも分からないまま。 仄暗い過去に霙が落ちた。 海淀むだけで、 鯨だけ幽境なのでした。 星は欠けて陰りと為し、 影を追いかけているが、 暗闇になるのです。 永い暮色の夢が浮かぶのを見た。 口までも霞む、 苦く寂しくて。 感情の痕跡すら無く、 胴体がうずくまっていた。 朧月夜の夢が昇るのを見た。 体が溶けてく、 滲んで消えてた。 感情の痕跡すら無く。 永い暮色の夢が浮かぶのを見た。 口までも霞む、 苦く寂しくて。 感情の痕跡すら無く、 露だけが海に残ってた。 |
E403 | ||
亜種に見える瑪瑙の勾玉 久しくて 誰かが何時いるか? 否む裾の輝には、 あなたの相槌。 起案との拝見は、 翡翠で。 遥か遠くで、 威風通ずる 鴉に躱し果ててた。 遥か遠くで 威風通ずる 鴉に躱し果ててた |
メメント | ||
寂れた雲の下側で、 妖花すらも落ちない程に。 追儺乍ら前は暗くて、 廃れた耳鳴りを聞く。 目は眩み、 空は沈んで、 未だ世は去ず。 愚かしい人の上では、 妖花さえも舞わない様に。 不埒なれど常世は住み、 廃れた耳鳴りを見る。 目は眩む、 空は沈んだ、 未だ世は去ることなく。 澆漓の今は数知れず、 水は近づく、 黄昏時を聞くまでは、 ただそれを見つめた。 澆漓の今は数知れず、 水は近づく、 黄昏時を聞くまでは、 ただそれを見つめた。 |
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崩れ落ちてた花束を、 元に戻したら。 壊れそうなほど崩れ落ち、 何処かへなくなった。 その後石が打ち壊れ、 街灯が点滅した。 怖くなりそうになる程、 近づいてみたら。 いつしか光が差し込み、 目が見えていたのはなぜ? 脊髄が認めていたのは、 水滴が耳の中に浸み込む。 絶体絶命の意図ですか、 分からなくなりました。 明け方から後ろを衝いて、 驚くのでしょう。 揺れながら外へ抜け出し、 明滅していた。 ところが片目を失い、 水が蕩けてきました。 夢の中で引きずり込まれ、 懐かしむのでしょう。 やがて辺りは暗くなり、 目が見えなくなりました。 脊髄が認めていたのは、 水滴が耳の中に浸み込む。 絶体絶命の意図ですか、 全てあの世の所為です。 寝静まったその先で、 気付けば誰もかがいなくなり、 胸の奥を押し付けられ、 肝を抜かれる。 脊髄が認めていたのは、 水滴が耳の中に浸み込む。 絶体絶命の意図ですか、 全て███の所為です。 何処かへ消えた花束は、 幻覚だったか。 |
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霰が周りに降り注ぎ、 なにも成し遂げられずいる、 端末処理はあなたがやり、 咎めるのでしょう。 私たちはまだ尽くせども、 足りないモノはもう無くて、 屍はにわか雨に濡れ、 針を刺すのでしょう。 努力重ね、 燕を挽いて、 塵になってしまうのか。 それは誰かが思う、 哀れなものの欲望で、 暴れまわるような動き、 道端にいました。 それは誰もが思う、 哀れなものの妄想で、 偶数と奇数がまざり、 バラバラになっていた。 煙が家の中に入り、 蕾がまだ見えない頃、 シアン化水素の毒ガスで、 手足が痺れる。 影に色付けされても、 いつも誰かに押されてる、 銅牆鉄壁にみられて、 崩すのでしょうか。 進み始め、 累計をみて、 名残に襲われるのか。 それは誰かが思う、 哀れなものの欲望で、 暴れまわるような動き、 道端にいました。 それは誰もが思う、 哀れなものの妄想で、 偶数と奇数がまざり、 バラバラになっていた。 後ろへ逸れていく、 何も見えなくなりました。 全てあの世の所為です。 それは誰かが思う、 哀れなものの欲望で、 暴れまわるような動き、 道端にいました。 それは誰もが思う、 哀れなものの妄想で、 偶数と奇数がまざり、 バラバラになっていた。 歪み始めて、 此の世に生まれた暁、 死んで征くのでしょうか。 |
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一双の腕が引き抜かれて、 氷は掬い取れず、 朽ち果てた街は疾うに廃れ、 形骸化していった。 一双の腕が引き抜かれて、 灯すら壊せなく、 追いかける間にも時は進み、 誰もいなくなるのです。 臨み藻掻いて、 集い始めて、 薄明に聞こえた、 声は途絶えました。 押し寄せた靄の中、 縋る東雲に海豹鳴き。 手暗がりで何も見えず、 自我は消え失せ、 尚も見えなくて。 取り憑かる様になり、 泡沫に見る双の佇み、 後悔の末に死と為り、 屍となる。 全てあの世の所為です。 一双の口が引き抜かれて、 伝えることは出来ず、 朽ち果てた街は疾うに廃れ、 彷徨い続けていた。 一双の口が引き抜かれて、 音を出すことは出来ず、 誰かの所為と言った人すら、 彼の世に消えて行くのです。 臨み藻掻いて、 集い始めて、 仮初に聞こえた、 声は途絶えました。 行方は知らず、 雲隠れの当人に啄む、 心を尽くす風景の、 静が蕩けてゆく。 押し寄せた靄の中、 縋る東雲に海豹鳴き。 押し寄せた靄の中、 縋る東雲に海豹鳴き。 手暗がりで何も見えず、 自我は消え失せ、 尚も見えなくて。 取り憑かる様になり、 泡沫に見る双の佇み、 赤く染まった双の腕が、 引き抜かれてたのか。 |
呼/吸 | ||
薄暗い桜花の方で、 時雨は更けていて、 高鳴るサイレンが、 青ずむ四つ葉を仄めかす。 覚えてた空の景色で、 聞かす事は出来ず、 怠惰と踏切が月影に見上げた。 閉鎖された道と、 壊れたインク、 街灯に照らされた時計、 闇雲に静められた、 混濁を招くのです。 廃れた肺と遺る細胞、 意味のない小米雪、 雨夜に霞んだ鶫、 耳を塞いで叫ぶのです。 灰色に省み況いて、 時雨は更けていて、 拙いネオフォビア、 悴む四つ葉は惑わえず。 蘇る眼の外で土から土にえと、 懸詞は失せて、 ただ跪くのです。 蒔いた暖炉を見て、 叶わないまま、 ひた向きに結ばれた視線、 狼狽に気付かされた、 混濁を招くのです。 千切れた電車、 溺れる信号、 旨のある乾電池、 哀愁に凍えたコイン、 耳を塞いで喚くのです。 蒔いた暖炉を見て、 叶わないまま、 ひた向きに結ばれた視線、 狼狽に気付かされた、 混濁を招くのです。 廃れた肺と遺る細胞、 意味のない小米雪、 雨夜に霞んだ鶫、 千切れた電車、 溺れる信号、 旨のある乾電池、 哀愁に凍えたコイン、 耳を塞いで消えるのです。 |
‣[short] | ||
崩れ落ちてた花束を、 元に戻したら。 いつしか光が差し込み、 目が見えていたのはなぜ? 脊髄が認めていたのは、 水滴が耳の中に浸み込む。 絶体絶命の意図ですか、 分からなくなりました。 夢の中で引きずり込まれ、 懐かしむのでしょう。 やがて辺りは暗くなり、 目が見えなくなりました。 脊髄が認めていたのは、 水滴が耳の中に浸み込む。 絶体絶命の意図ですか、 全てあの世の所為です。 |
‣‣[short] | ||
私たちはまだ尽つくせども、 足りないモノはもう無くて、 屍はにわか雨に濡れ、 針を刺すのでしょう。 努力重ね、 燕を挽いて、 塵になってしまうのか。 それは誰かが思う、 哀れなものの欲望で、 暴れまわるような動き、 道端にいました。 後ろへ逸れていく、 何も見えなくなりました。 全てあの世の所為です。 私たちはまだ尽つくせども、 |