彼方へと行く、暮夜の霜焼けが。 遠く離れて消えてく世の満ち欠けを見た。 彼方へと行く、御影の相貌が。 事に嵩を迎えているだけだった。 嵐と水、欠片さえも、 何処かへと身罷る。 此方が誰かへ連れ込もうと、 したのは誰ですか。 朧月夜の夢が昇るのを見た。 体が溶けてく、 滲んで消えてた。 感情の痕跡すら無く、 胴体がうずくまっていた。 彼方へと行く、暮夜の霜焼けが。 遠く離れて見えてたあなたのうめき声。 彼方へと行く、御影の相貌が。 霊も悪か善かも分からないまま。 仄暗い過去に霙が落ちた。 海淀むだけで、 鯨だけ幽境なのでした。 星は欠けて陰りと為し、 影を追いかけているが、 暗闇になるのです。 永い暮色の夢が浮かぶのを見た。 口までも霞む、 苦く寂しくて。 感情の痕跡すら無く、 胴体がうずくまっていた。 朧月夜の夢が昇るのを見た。 体が溶けてく、 滲んで消えてた。 感情の痕跡すら無く。 永い暮色の夢が浮かぶのを見た。 口までも霞む、 苦く寂しくて。 感情の痕跡すら無く、 露だけが海に残ってた。