海燕
色も音も消えた青い街 | 1039 | |
21863 | 光の届かない街を 独り歩き彷徨っていた 誰もいない青い街は ずっとただ続くだけ 冷たい雪は止むことなく 星は空を揺蕩う 空に生える塔を登って 見える世界には 何もなくて 色も音も呑まれたんだ 青く染まってた 光の消えた街はずっと 雪が降り続くだけ 光も影も呑まれたんだ 空は青が隠してた 暖かささえも冷たささえも 深く凍り付くだけ 色も音も呑まれたんだ 青く染まってた 光の消えた街はずっと 雪が降り続くだけ 青く深く沈み続け(寒くなっても見えなゐで) やがて立てなくなって(何もかも流されて) 圧に溺れ地に堕ちて這いずって(水は全て蔽イ隱し飲み込んで) 息もできなくなって(息を奪イ沈めタ) |
落園の華 | 159 | |
3059 | 天よ差せ 弓の光を 惑う星 歪む河川よ 狂う針 午前2時過ぎ 静か 調が夜を謳っていた 相も変わらぬ空は 溶けそうで 悍しくって 止まぬ底 見えない今も 下る螺旋 無機質の味 空仰いで 灯火持って/嗚呼 狂い咲く 呑まれてく 藍を伝う 日が沈む/何もない 届かない 街を見てた 待ち望んでた/離れてく これがもう これが最期の光よ/最期の光 届け 届けよ濡つ光よ 懐う光はただ見えなくて 塞ぐ帳と幾千の陰 希えど沈む花が咲っていた 取り残された形 色も音も何もなくて 沈む今日 沈まぬ鼓動 堕ちる影 噎せ返る味 空は無くて 足も着かない/嗚呼 消えていく 呑まれてく 藍を恨む 日が消える/もう二度と 届かない 海を見てた ただ見ていた/もう見えぬ あれがそう もう還らない光よ/最期の光 届け 届けよ濡つ光よ 懐う光はただ見えなくて 塞ぐ帳と幾千の陰 希えど沈む花が咲っていた 届けよ届け光よ 懐う光はもう見えなくて 塞ぐ帳と幾千の陰 もう芽吹くことない華が咲った 沈めよ沈めよ明日よ 懐う光は見たくなくって 降りた帳と幾千の雨 沈む 沈み消える華が咲った 届けよ枯れぬ光よ 懐う光はただ遠すぎて 塞ぐ帳と幾つ千の陰 希えど沈む華が咲った 届けよ届けよ届け 落ちる園の華よ |
夢幻の鎖 | 47 | |
711 | 湿る足音を辿る//月影が照らす徒路 取り落とさぬように//霧雲の中誘われ 郊外外れ//手招かれ 引き寄せられ 灯火もなく//空夜に染まる 星彩も呑まれて//只 染まるだけ 消える//進む 妙に温い蔭りが照らす/見飽きた鳥籠で独り待つ/白南風の絆されるままに 鬼気がさざめいている/刻む夜から忘れられ/愁う瞳が背を沁める 警鐘に止まる点と/もう描けない/呑まれてく 呑まれに行く 足に逆らえず/過ぎた春を見た/繋ぐ足音 もう置き去り /最期を託す/ /針を進め/ 影を辿る//温かく煌めく夢に抱かれ 手を伸ばす// 堕っこちていく//懐かしむ夢幻に囚われて 光に届かずに// もう届かない夜を見た//溺れてく籠の中閉ざされた 朝焼けに包まれ//夜明けが迎え 崩れ落ち//明日を待ってた 光辿る足進める//朝焼けが照らす帰路に 落っこちていった//雲一つ無く迎えられ 光を忘れていた//手招いて 届いた朝//今日へ戻る 違和さえも忘れ去って//光に染まる 若葉の風を追う//そう 染まる 風の音がする/風の音も無く/ 光が誘う/光さえ見えず/ 暖かく照らす/冷たく暗く/ /何もなく/ 青がある/灰色が包む/ 取り残していく/取り残されていく/ 遠ざかっていく/遠ざかっていく/ 照らす光が/止まりだす秒針/ 辺りを覆う/落ちる影も無く消え/ 音がする/ただ暗く/ずっと待っていた もとに戻る/荒ぶ大地/春を迎えた いつもの景色だ/異なりがる明日/託して進めた針を追う 暖風が妙に心地良い/手放した/やっと見る籠の外の景色は 清爽と鈍る/怨じ/何色で描くべきかな /霑る/ /手握りしめた/ /夜降ち待つ/ 唄音ウタ/兎音ロプ/重音テト |