全て永別の所為です。
感覚 | 8 | |
147 | シニカルを望んだ曙光、 病は渇きを売りますか? 彼方任せな溝と、 多頭飼いの焦点。 わたしは悔いますが、 さけやき月の、 かげはさしけり。 あなたには見えるのですか、 対岸の景色は? 世を厭わずに、 感覚だけを失った。 全て永別の所為です。 |
覚 | ||
7343 | 浅瀬に打つ仇波が、穴に流れ込み。 歪曲する玄同後、 鹿は日に鳴きますが、 寒心な水薬は、煩わしい儘で。 薄氷を履むも尚、 追い続けていた。 二つ折りの煙霞から、 縺れを生み続ける覚え書き。 忽焉に刺す夜露が、 塊を破りました、 今以て惜しまれる別れに、 何を見出しますか? 兎の死を、鶴が哀しんでいる。 信号が響もす街を、 滲ます雨が落ちる。 貼り付いた細胞が、燈籠の様で。 言霊が思想を象る。 塗り重ねたのは誰? 咽を絞められているのは、 全てあなたの所為です。 忽焉に刺す夜露が、 塊と流れ落ちる、 融ける様な夢を見ていた。 全て永別の所為です。 「どうか覚えていて」 とは、傲慢ですが。 彼が云うには、 「去る者は日々に疎し」と。 忽焉に刺す夜露が、 塊を破りました、 今以て惜しまれる別れに、 何を見出しますか? 忽焉に刺す夜露が、 塊と流れ落ちる、 融ける様な夢を見ていた。 全て永別の所為です。 祈りが失われるまで。 |
発覚 | 436 | |
7575 | 思い出したのは、あなたの末路。 雪に埋め、隠した。 思い出したのは、シアンの錯誤。 秘密は糸を、縫い付けた。 白んだ空気に、 脚を滑らせていた。 熱が融け、冷えてゆく躰は、 何かを叫ぼうとしていた。 乱反射する陽の光は、 薄れる眼を灼くのです。 覚えているのは、あなたの発露。 雪に埋め、溺れた。 覚えているのは、朱色の錯綜。 希む意図が、袖を引く。 深まる雪は、 あなたの足跡を隠す。 繰り返す落魄に、 目を背けていたから。 熱が融け、冷えてゆく躰は、 何かを忘れようとしていた。 凍り付く手が滑り落ちる。 全て永別の所為です。 熱が融け、冷えてゆく躰は、 何かを叫ぼうとしていた。 乱反射する陽の光に、 未だ何も見出せず。 思い出したのは、あなたの末路。 雪に埋め、隠した。 覚えているのは、あなたの発露。 白い息が塗り潰した。 |