全て正気のせいです。
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3117 | 雨傘を差す晴れ模様、 風吹いて遠のく影の群れ、 麗らかに緋はまだ昇る、 果ても見えぬ程に。 ガラスの色、 巡って巡る、 跳ね除ける不和の褪せ黒と、 瓜二つ血滲む、 無線機の音鳴る侭に。 爪先の口実と、 篩にかけた常軌的、 「速やかに去れ、」 「耳を塞ぐな、」 「全て、全て、わたしの所為で。」 こき下ろす彫刻に、 蛇蝎の如く嫌うさま、 誰かのあと、 追いかけている、 全て正気のせいです。 死が入れ替わる時、/不埒な人がいた 溶けだした正体隠されて、/虚構なる事故で途絶し 摩擦熱すら酩酊し、/良心の苦痛が 死に逸れ屏息す。/ただ響き続けてる 風は吹雪き、/俗世は哭く 眩暈は怨み、 瑕疵が増し名花も鬼気迫る。/はみ出した平和を摘む会釈 瓜二つの血滲む、 弾圧は度を増す、 大義語る無垢に 足を掛けられて、 転ぶ。 畳牀架屋、 重ね重ねの叫喚を、 全て忘れて、 繰り返しても、 全て、全て、きみらの所為で。 下世話なる消費者は、 世間知らずの高枕、 枯れた土地を、 捨て去り消えた。 全て狂気のせいです。 現世の果て、 沈みゆくのは、 茶番と共に流された、 ヘゲモンの影でした。 千代に八千代に築き、 息吹き、 苔むした巌となるのでしょう。 跳ね上がる心拍と、 天秤掛けた正気的、 「息を殺して、」 「あなたを見てる、」 「雨も、風も、草木や土地も。」 富をなす彫刻と、 聖櫃求む骸ども、 何かの影、 迫り来ている、 全て正気のせいです。 あなたの息を訪ねて、 ただ無垢に漂った。 |
蠅 | ||
3901 | 耳が裂け、 心も裂けて、 何を見つめているの? 清く、細く、遠く、 月の張る水面には、 贄の持たぬ者、 彼らの血は鈍く。 書き留めた明日の水銀は、 底なしを意味します、 南の方へ、ただ南方へ、 無数の羽音を垂れ流す。 銀色の翅が揺らぎ、 ぱたぱたゆらゆら空を舞う、 未だ生きている、 満ち満ちた胎の奥は、 粒すら見えなくて。 その火に入れば、焼け死ぬでしょう? 悪意に満ちた胎の中で、 揺れる木霊に、囚われていた、 全てお前らが悪いんだ。 酢漿草の頬が、 地に受け止められては、 閑古鳥が鳴いた。 巡る、巡る、血は巡ってく、 沈む、沈む、イデアは沈む、 清く、清く、脆く、破損していく、 あなたは誰だ。 死骸の香は、馥郁なり、 味覚を刺激するエステル、 深読みすらも、当てはめるアルツハイマー、 聞こうとはできません。 軽々しく、穢されてく、 その顔、その髪、その手足、 行方も知れぬ、あなたに告げる、 全て正気のせいです。 |
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8416 | 爆ぜたファミコンすら、 苦く楽しい味がしたの、 未練、未練、未練の影は、 呵責に過ぎない雨模様。 短く長いスパンで、 振り出し、かさ増し繰り返す。 片隅から隅へ、 舐めまわすように、 見積もりは1493の、 青々と光る夕日。 欽慕、凝視、西施之顰、 敷衍、羈束、二律背反、 懺悔、 懺悔、 懺悔、 又諄々と、 聞こえないのに。 焦げたルミノールの、 辛さ直ちに消え去って、 痛い、 痛い、 痛い、 痛い、 痛い、 痛いと腹を裂き、 明日また生き返る。 いや、隱槭j縺吶℃縺ッ驥取坩縺九? また忌を繋ぐ、 近似られて鋳亡かったのか。 残り時間がもう、 迫り来たようで、 見積もりは9523の、 青々と光る夕日。 蹉跌、孤影悄然、 胡乱、睨視、放歌高吟、 乖離、悔悟、瓦解、 五月蝿くていい、 聴こえているか! 鵠、告朔餼羊、 衢、汀、管窺蠡測、 晨、 晨、 晨、 夢枕に立つのは誰ですか? 平気、 嫌気、 寒気、 色気、 人気、 弱気、 狂気。 悪気、 強気、 勇気、 何が狂気で、 何が正気か? 殺された理由は知らされずに、 ただ耳を奪われ続けていた、 絡まったイトの解き方すらも、 「知らない」で済まされるのか。 陰陽。 貴方の鳴く声を、 一つ、一つづつ模倣する、 姿 形すら保てずに、 苦情だと吐き捨てて。 愛しさも、美しさも、 煩わしさも、自問自答の日々も、 薄い声に揺れる、 ただそれだけで。 ただそれだけで…? 全て正気の所為です。 なんと⁶だろうか。 |