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雨傘を差す晴れ模様、 風吹いて遠のく影の群れ、 麗らかに緋はまだ昇る、 果ても見えぬ程に。 ガラスの色、 巡って巡る、 跳ね除ける不和の褪せ黒と、 瓜二つ血滲む、 無線機の音鳴る侭に。 爪先の口実と、 篩にかけた常軌的、 「速やかに去れ、」 「耳を塞ぐな、」 「全て、全て、わたしの所為で。」 こき下ろす彫刻に、 蛇蝎の如く嫌うさま、 誰かのあと、 追いかけている、 全て正気のせいです。 死が入れ替わる時、/不埒な人がいた 溶けだした正体隠されて、/虚構なる事故で途絶し 摩擦熱すら酩酊し、/良心の苦痛が 死に逸れ屏息す。/ただ響き続けてる 風は吹雪き、/俗世は哭く 眩暈は怨み、 瑕疵が増し名花も鬼気迫る。/はみ出した平和を摘む会釈 瓜二つの血滲む、 弾圧は度を増す、 大義語る無垢に 足を掛けられて、 転ぶ。 畳牀架屋、 重ね重ねの叫喚を、 全て忘れて、 繰り返しても、 全て、全て、きみらの所為で。 下世話なる消費者は、 世間知らずの高枕、 枯れた土地を、 捨て去り消えた。 全て狂気のせいです。 現世の果て、 沈みゆくのは、 茶番と共に流された、 ヘゲモンの影でした。 千代に八千代に築き、 息吹き、 苔むした巌となるのでしょう。 跳ね上がる心拍と、 天秤掛けた正気的、 「息を殺して、」 「あなたを見てる、」 「雨も、風も、草木や土地も。」 富をなす彫刻と、 聖櫃求む骸ども、 何かの影、 迫り来ている、 全て正気のせいです。 あなたの息を訪ねて、 ただ無垢に漂った。