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耳が裂け、 心も裂けて、 何を見つめているの? 清く、細く、遠く、 月の張る水面には、 贄の持たぬ者、 彼らの血は鈍く。 書き留めた明日の水銀は、 底なしを意味します、 南の方へ、ただ南方へ、 無数の羽音を垂れ流す。 銀色の翅が揺らぎ、 ぱたぱたゆらゆら空を舞う、 未だ生きている、 満ち満ちた胎の奥は、 粒すら見えなくて。 その火に入れば、焼け死ぬでしょう? 悪意に満ちた胎の中で、 揺れる木霊に、囚われていた、 全てお前らが悪いんだ。 酢漿草の頬が、 地に受け止められては、 閑古鳥が鳴いた。 巡る、巡る、血は巡ってく、 沈む、沈む、イデアは沈む、 清く、清く、脆く、破損していく、 あなたは誰だ。 死骸の香は、馥郁なり、 味覚を刺激するエステル、 深読みすらも、当てはめるアルツハイマー、 聞こうとはできません。 軽々しく、穢されてく、 その顔、その髪、その手足、 行方も知れぬ、あなたに告げる、 全て正気のせいです。