全てあなたの為だろうか?
カダヴル | ||
10196 | 虚礼虚文し続けたナメクジは、 塩を掛けられ貌を崩して、 死に至るのでしょう。 軀が溶けて往く、 四肢の隅隅まで、 人は死して名を留むが、 あなたはどうなのか? マグロは飛んで来ず、 酔生夢死になる。 死人に口は無いのでしょう。 全てあなたの為だ。 |
Group 14, Period 6, Atomic weight 207.19 | ||
1124 | 空から射し込こんでくる、 浅葱に輝くリヒト、 照らしてくれるはずなのに、 辺りはまだ真っ暗でした。 灯りに群がって往く、 深紅の大きな瑕疵は、 幾ら払い除けてみても、 離れる事は無いの? 鈍色の鉛が含まれた、 彼の言葉を、 まるで快哉を叫ぶように、 虚しく飲み込んだのです。 空から射し込こんでくる、 |
嚥下 | ||
4131 | 空から射し込んでくる、 浅葱に輝くリヒト、 照らしてくれるはずなのに、 辺りはまだ真っ暗でした。 灯りに群がって往く、 深紅の大きな瑕疵は、 幾ら払い除けてみても、 離れる事は無いの? 鈍色の鉛が含まれた、 彼の言葉を、 まるで快哉を叫ぶように、 虚しく飲み込んだのです。 浅瀬から流れて来た、 古い争いの種は、 いつかは綺麗な花を咲かせ、 辺り一面覆いつくすのか。 黒い深淵から這いずる、 白く永く儚い火に、 恐怖を感じることさえも、 やがて忘れていった。 壞色の心は廃れてゆく、 意味の無い言葉で、 快楽を与えたのは、 全てあなたの為だろうか? 地面が消え、 謀りに呑まれ、 四肢を溶かされて往く。 金切り声を上げる姿は、 余りにも慘めだった。 鈍色の鉛が含まれる、 /鈍色の船を飲み干して、 ▇▇▇▇の言葉は、 /あなたの言葉は、 二度と聞こえはしないのです、 /二度と聴かないと誓うのに、 全てあなたの為だ。 /全て▇▇▇▇の為だ。 焦点は定まらず、 像は出来無かったのか。 |
ぬかるみ | ||
1280 | 狭い溝を横切る、 気付かない振りをして、 人我は隔たってゆき、 押し付け合う事もなく。 擦り切らした、 流謫の音色、 為すことなんて出来ずに それが気晴らしに彳む、 理由になる筈もなく、 放り投げていた四肢は未だ、 逃げ続けていました。 それに呼応してた様に、 格子状の思考は、 ぬかるみに浸かってたみたいに、 心地良い筈で。 |
濘 | ||
3335 | 狭い溝を横切る、 気付かない振りをして、 人我は隔たってゆき、 押し付け合う事もなく。 尾を引くその軌跡を、 柵に括り付けて、 約まるその因果から、 穢れ散っていったのです。 擦り切らした、 流謫の音色、 為すことなんて出来ずに それが気晴らしに彳む、 理由になる筈もなく、 放り投げていた四肢は未だ、 逃げ続けていました。 それに呼応してた様に、 格子状の思考は、 ぬかるみに浸かってたみたいに、 心地良い筈で。 怪訝そうな顔触れ、 熟熟と思い出して、 四角い箱の外には、 手が無数に伸びている。 瞞着を試みる、 佞奸邪智背信者は、 豪胆な彼の人を、 止めに行かず笑ってた。 擦り切らした、 流謫の音色、 為すことなんて出来ずに それが気晴らしに彳む、 理由になる筈もなく、 放り投げていた四肢は未だ、 逃げ続けていました。 それに呼応してた様に、 格子状の思考は、 ぬかるみに浸かってたみたいに、 心地良い筈で。 反駁を続けて、 傍観する事は、 全てあなたの為だろうか? それが気晴らしに彳む、 理由になる筈もなく、 放り投げていた四肢は未だ、 逃げ続けていました。 それに呼応してた様に、 格子状の思考は、 ぬかるみに浸かってたみたいに、 心地良い筈で。 矮躯な脚を、 無理矢理掴み続けていたのでした。 全てあなたの為だ。 |