全てあなたの傷です。
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434 | 未知の奥底に入り込み、 知らず知らず呑まれてく。 指を切られた穴の中で、 あなたの事を追いかけた。 海の底に落としたモノは、 未だ見つからず儘。 錆びた液体が霧となり、 蜃気楼を生み出して、 虚像の体がよく馴染み、 染み付きとろけました。 下水道の先に迷い込んで、 暗闇を照らして征く。 成れの果ては大きく膨らんだ。 白く染まっていった。 既知の偶像を崇拝し、 恐る恐る血か付くが、 心地よい音の贋作が、 在処を定め狙い撃つ。 脳裏に焼き付いた記憶は、 溶けてなくなりました。 いずれ心底は歪みゆき、 早々に消し去られて、 割れ目が生じてひび割れて、 傷跡が増えました。 下水道の先に迷い込んで、 暗闇に染まって征く。 成れの果ては大きく膨らんだ。 全てあなたの傷です。 下水道の先に迷い込んで、 暗闇に染まって征く。 成れの果ては大きく膨らんだ。 全て■■■の傷です。 いつまでも傷は消えない儘に、 白く染まっていった。 |
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858 | 解らない筈の心から、 沢山の矛盾を生む、 信号機を頼りにする様な、 おこがましいモノなのです。 どうしてなのかと問い詰めた、 ウナギ達に知らぬ間に、 せっかちに行う反芻作業、 みんな見ていたのに。 手を挙げず、 名前も呼ばず、 凍てついてしまいました。 今、錆びついた石像に、 声は届かない儘、 捻じれ落ちる音も聴こえず、 白く染まりました。 空を切った思考がまだ、 のたうち回っていた。 誰もがソレを疑わない。 青く光り朽ち果てる。 狡猾に感じ踏み躙り、 転げ落ちた人を見る、 肉片の良し悪しも判らずに、 配慮を失うのです。 鏡写しに近づく程、 魅せられて導かれた、 名前を知る故の心象詐称。 同類の道しるべ。 意に沿わず、 嘆き苦しみ、 凍てついてしまうのです。 今、錆びついた石像に、 声は届かない儘、 捻じれ落ちる音も聴こえず、 白く染まりました。 空を切った思考がまだ、 のたうち回っていた。 誰もがソレを疑わない。 青く光っていた。 這いずり方すらも、 忘れられずいるのなら、 全てあなたの傷です。 今、錆びついた石像に、 声は届かない儘、 捻じれ落ちる音も聴こえず、 白く染まりました。 空を切った思考がまだ、 のたうち回っていた。 誰もがソレを疑わない。 青く光り朽ち果てる。 塞いだ筈なのに、 まだ光が漏れている。 白く染まっていった。 |
光度 | 27 | |
668 | 見渡して 切を見る。 盲目の数杯の中で。 切を見る 発けずに。 息が酷く漏れてゆく。 発かずに 写し出す。 盲目の数杯の中で。 写し出す 見渡して。 絡まる声もそれっきり。 貌も見えなくなるのさ。 縺れ歪んだ身体の口、 誰かが神に願う声は、 下界へ響く。 五感が消え失せても、 誰かの神が見えるのなら、 ただ祈るだけ。 光り出す 度は知れず。 盲目の集会の中で。 度は知れず 限を見る。 指先が消え始める。 限を見る 界を引く。 盲目の集会の中で。 界を引く 光り出す。 続く暗闇の中で。 心在る死体となる。 朽ちて砕けた身体の指、 誰もが神に捧ぐ声は、 下界で止まる。 五感が消え失せてく、 誰にも神は見えない儘、 ただ祈るだけ。 |