: 31052
トドメを刺す不可思議な付加体の安堵、 素粒子を鑑みた夕べの細胞は誰? 煙る顛末(てんまつ)を見た小夜は彼方。 収束の約束手形、 あなたの言の葉ふわりと突き刺した。 心ノ臓の其の最期。 明けない夜はとても大きくて、 押し潰されて涙は黒へと流れ出た、融けてく。 ズキズキして痛む、チカチカ眩む。 ズタズタにされた此の恋心。 赦さない。ねぇ!赦さない… 屹度五回目の殺害予告。 消えたキミの代わりを捜していた。 どの偶像も吐き出しては棄てた。 声を出せば私の首を絞めるだけ。 不確定性の鴉を嗜む(たしなむ)、二鼠藤(にそふじ)を噛む。 世紀末は此の身に斉しく(ひとしく)降り積もる。 幾星霜(いくせいそう)の夢を追い続けた。 邯鄲(かんたん)の歩みで縛り付けたその藁人形で。 誰を呪う、明日を呪う、キミを呪う。 硝子張り、蜷局(とぐろ)を巻けば。 毒々しい火花は咲き誇る。 躁鬱に塗れた怠惰を、 誰か救ってはくれませんか? 麗しい待雪草(まつゆきそう)の希死念慮の向こう側、 気色の悪い讒言(ざんげん)にメモリを盗られた 黒色矮星(こくしょくわせい)、現を抜かせよ何時迄も。 夢を見よ、愚者共よ。 未練がましくシオンを咲かせれば、 路傍の一人なぞ 振り向かせることくらい出来ましょうぞ。 枯れた水平思考。 展開する妄言、侃々諤々(かんかんがくがく)メタモルフォーゼ 幾何学の哀惜(あいせき)、久しく見ない彼の展望は。 金星の灼け付く天の中揺蕩う尾根の下。 月の心臓、息の根を止めた摩天楼。 最上階で見下ろした下界は総て海の中で。 息をするだけで罪の最終心理の黙示録を。