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トドメを刺す不可思議な付加体の安堵、
素粒子を鑑みた夕べの細胞は誰?
煙る顛末(てんまつ)を見た小夜は彼方。
収束の約束手形、
あなたの言の葉ふわりと突き刺した。
心ノ臓の其の最期。
明けない夜はとても大きくて、
押し潰されて涙は黒へと流れ出た、融けてく。
ズキズキして痛む、チカチカ眩む。
ズタズタにされた此の恋心。
赦さない。ねぇ!赦さない…
屹度五回目の殺害予告。
消えたキミの代わりを捜していた。
どの偶像も吐き出しては棄てた。
声を出せば私の首を絞めるだけ。
不確定性の鴉を嗜む(たしなむ)、二鼠藤(にそふじ)を噛む。
世紀末は此の身に斉しく(ひとしく)降り積もる。
幾星霜(いくせいそう)の夢を追い続けた。
邯鄲(かんたん)の歩みで縛り付けたその藁人形で。
誰を呪う、明日を呪う、キミを呪う。
硝子張り、蜷局(とぐろ)を巻けば。
毒々しい火花は咲き誇る。
躁鬱に塗れた怠惰を、
誰か救ってはくれませんか?
麗しい待雪草(まつゆきそう)の希死念慮の向こう側、
気色の悪い讒言(ざんげん)にメモリを盗られた
黒色矮星(こくしょくわせい)、現を抜かせよ何時迄も。
夢を見よ、愚者共よ。
未練がましくシオンを咲かせれば、
路傍の一人なぞ
振り向かせることくらい出来ましょうぞ。
枯れた水平思考。
展開する妄言、侃々諤々(かんかんがくがく)メタモルフォーゼ
幾何学の哀惜(あいせき)、久しく見ない彼の展望は。
金星の灼け付く天の中揺蕩う尾根の下。
月の心臓、息の根を止めた摩天楼。
最上階で見下ろした下界は総て海の中で。
息をするだけで罪の最終心理の黙示録を。 |