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水面の傍、生い茂った木の根。 目にした鳥は還り、 泡の中に潜りますか? 薄暮に融けた、藍色の涙が、 二つの泡を隠し、 一つに纏まった。 実軸の二つの座標を写し、 虚軸に繋がった。 時の音は鳴りますが、 修正はできますか? 微かに縮んでゆく、 元に戻った様に。 夜を描いた、深海の蝶々。 終演の音がした、 再演とは知らず儘で。 海淵の底、紺色のタイルが、 静かな波を起こし、 其の儘立ち去った。 銀色の兎はただ軽快に、 奥へ走(もぐ)ってゆく。 一枚葉が落ちました、 泡になるのでしょうか? 泡は壊れて消える、 全て量子の所為です。 再演は続いて、 終えることもできず、 拒絶を拒むな、 迷霧の鳥たちはそう書き置いた。 時の音は鳴りますが、 修正はできますか? 泡は壊れて消える、 全て▇▇の所為です。 狼は銀ですか?