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星空に飛んでいった、 言葉だけでは足りなくて。 あの日だけ雨が降っていて、 跡も残せず流れていった。 耳を貫くサイレンは、 はやく立ち去れよと、 懸命に教えてくれたけど、 気がついたら、 手遅れだった。 陽が沈んだ空は とても黒く、 何処かわたしを 追い出そうとする。 弔いの音を 空に響かせたら、 一緒に曲を 奏でました。 排水溝の方へ、 流されていくあなたの影。 苦しむ声が聞こえない様、 遠くの地へ逃げていった。 なかよく あそんでいて ひたすら わらっていて めをつむり やくそくをして うれしそうに てをふっていた 陽が沈んだ空は とても黒く、 何処かわたしを 追い出そうとする。 弔いの音を 空に響かせたら、 一緒に曲を 奏でましょう。 隠された言葉は、 二度と見つけられず、 ゆるやかに消されて、 翡翠が光りだすのでしょう。 陽が沈んだ空は とても黒く、 何処かわたしを 追い出そうとする。 弔いの音を 空に響かせたら、 一緒に曲を 奏でましょう。 陽が沈んだ空は とても黒く、 何処かわたしを 追い出そうとする。 弔いの音を 空に響かせたら、 一緒に曲を 奏でたかった。 星空に飛んでいった、 言葉だけでは足りなくて。