: 3265
: 152
杞憂で終われば良いのですが。 真逆様になって、消えたから。 電子音の軌跡は明後日を気にかけず進む。 嫌だとは言わない、嫌だとは言えない。 神様の物語をなぞって行く、 妖かしの子は、此方に背を向け泣いている。 誰かの描く仮面で、 隠しきれないこの悲しみの行き場が、 分からない。 わからないよ。 誰か私に教えてくれよ! 一等星が消えた。 私の希望が消えた。 道標を失い彷徨うのです。 幽か聞こえる声は幻聴でしょうか、 手の温もりは幻覚でしょうが。 抗いたくなるこの思いは、 理想が続けばいいのですか? 蛍光灯に照らされる暗い日々と、 彼岸花(アマリリス)の葛藤に、心を見つめ直していた。 誰かには言えない、あなたにも見えない。 待ち惚け 他人(ひと)の手に振り回される、 そんな私で生きてきた、 そんな私を、変えられたら良いと願った。 汚れの付いた仮面を、 戸棚の奥に仕舞い込んで振り向いた、 縋りたい。 縋りたいよ。 「私」で生きるのが怖いの。 きっと望んでいたんだ。 私の夢だったんだ。 辿り着くのに時間をかけたけど。 幽か残る弱さが痛いと叫んだ、 塞ぐ傷口をそっと拭った。 奥底に秘めたこの思いで、 あなたに寄せた物語を。 嗚呼、思い出す。 背中を押してくれた言葉を。 未だ先は長いのだから、 手を取って、ついてきて。 あなたの姿を重ねていた。 一等星が見えた。 私の希望が見えた。 道標に向かいただ走るのです。 幽か聞こえる声は幻聴でしょうか、 手の温もりは幻覚でしょうが。 抗いたくなるあの思いは、 あなたを引き寄せてくれた。