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矜持を拒んだモノに、 慄いて逃げ出して行くのは何故? 虚像が映り出すのは、 数本の放物線の欠片。 未来を刻む時計は、 焼け焦げた墓標の中で動く。 孤高な星の破片は、 地上での道標となるだろう。 針が時を進め軈て「今」は消えるだろう。 天球は今、姿を変え何処か遠くに、 タナトスは死を望む者に力を。 この領域を超えた先に見える景色は、 黒の広がる果てであるのだろう。 運命を退くモノが、 惨劇を引き起こしているのは何故? 模造を繰り返すのは、 幾千の焦燥感の欠片、 過去を刻む時計は、 錆び落ちた箱の中で朽ていく。 未練を遺し時計は、 感情すら削ぎ落とし消えるだろう。 針が止まり朽ちた先に「過去」は消えるだろう。 天球は今、扉を開けどこか遠くに、 タナトスは死を拒むモノに祟りを、 この領域を超えた先に見える景色は、 白く揺らめく無へと消えるだろう。 天球は今、再び此の場所に戻って、 タナトスは姿を消し夢は崩れ、 この領域も冷えた指を包み込んでは、 全てをゼロへ還し凍てつくでしょう。