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姿見を叩き割り、 その向こうへと入ろうとした。 放物線を描いて動き、 それに慄き逃げ出したので、 暗い場所へと連れ込まれて、 命を絶つのでした。 いたずらに裂けた両腕が、 踏切を押し止めて、 奪い、攫い、足を取られて、 動けなくなりました。 廃れた辰宿を見て、 緋色の空に耳を立てる。 巡り着いた懶い場所で、 訳も分からず彷徨うが儘。 食らい尽くしてしまったので、 行方を眩ましました。 いたずらに裂けた両腕と、 踏切を崇め立てて、 淀み、泥み、足を引き摺る、 全て誰かの為に。 消えることのない傷跡を、 鏤刻されていたので、 在りし日の記憶の中でまた、 あなたに近付くのです。 いたずらに裂けた両腕と、 踏切を崇め立てて、 淀み、泥み、足を取られた、 全て▇▇の為に。 無数の傷跡を残し、 静謐に転じるのか。