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「返して」そう囁いた、 貴方が泣きじゃくるから、 絡まる蜘蛛糸を引いて毀れる。 月が沈む、 去りゆく無邪気さだとか、 要らない 思い出を 偲んだ、 君の事を忘れた。 降り止む雨、 掴んだモノ取りこぼして、 濡れていた、 心が冷えても、 何時か惑わぬ様に、 引き返し希い続ける様に! 叶うことない夢を、 何時までも信じ続けてた。 追いかけても追いかけても、 届かず、 空想でさえ朧気な儘。 叶うこと無い夢も、 抗えば叶うと信じた。 貶されても誹られても、 堪える。 雲隠れした望みは消えた。 「悲嘆に溺れないで」、 貴方はそう言うけれど、 私の意思は消えてしまった。 傷まみれの、 心は、振り回されるの。 疼きながら、 断ち切りましょう? 怨んだことも全て無くして。 反芻する言葉を、 飲み込みたくて、 息衝く、 諦めて また、また その記憶だけ、拭えず。 「帰ってきて」 愛した君の事を、 忘れられない、 懐かしい音をまた書き綴ってよ、 朽ちた記憶を灼いて。 昨日見えた筈の、 景が逃げてゆく、 追いかけても届かない。 代わる記憶の中で、 消えかけの思慮を振り落とすんだ! 叶うことない夢を、 何時までも信じ続けてた。 追いかけても追いかけても、 届かず、 空想でさえ朧気な儘。 叶うこと無い夢も、 抗えば叶うと信じた。 貶されても誹られても、 堪える。 雲隠れした望みは消えて、 記憶の中にまた灼き付いた。