双の耳が抜き取られて、 風の音は聞き取れず、 荒び果てた地を歩けど、 心地よさを覚える。 双の耳が抜き取られて、 逸楽は聞き取れず、 瞬く間に時は進み、 頭蓋を葬るのです。 臥すも悶えて、 濁り淀んで、 泡沫を見ていた、 息は絶えました。 夜鳴きした燕の、 雲路を追いかける様に、 とめどなく続くが、 先は見えず双の目見えず。 当て擦る程壊れて、 闇路を追いかける様に、 後戻り出来ずに、 亡骸となる。 全て此の世の所為です。 双の腕が抜き取られて、 薄氷は壊せなく、 荒び果てた地を歩けど、 自我は消えて無くなる。 双の腕が抜き取られて、 困憊は止められず、 元々世は狂っている、 誰の所為でもないのです。 臥すも悶えて、 濁り淀んで、 混濁を見ていた、 息は絶えました。 彷徨い続け、 やがては雲隠れした商人の、 矯めつ眇めつ眺めた、 景がやがて溶ける。 夜鳴きした燕の、 雲路を追いかける様に。 夜鳴きした燕の、 雲路を追いかける様に、 とめどなく続くが、 先は見えず双の目見えず。 当て擦る程壊れて、 闇路を追いかける様に、 青ざめた双の耳が、 抜き取られたのか。