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一の腕さえ掴めず、 顧みず歩んでいく、 燦と映しためいぼうは、 二度と合わないのです。 一の腕さえ掴めず、 悔恨で埋め合わせず、 神さびた断片で、 安堵をするのです。 曙光の目を断ち、 錆びるまで址を隠す。 神威が消え去る宵の先まで 寂び震えています。 予知夢を誅戮しても、 折合傘は閉じぬままで、 汀濘に浸る綿服には、 愉悦を詰めて夢を裂きました。 澹乎求め撓消し、 頭を騙し保つ。 ハボタン腐り落ち滂沱に溺る。 釁にも乗ず。 全て静かな所為です。 /全てあなたの今朝です。 /全てはあなたの所為です。 一の霊も剥がせなく、 吾の跡形は祓われ、 あの匿名形成はもう、 杜撰に崩れていた。 一の霊も剥がせなく、 怪奇も礑と躱され、 愚かな不遜の意は、 誰が知り得ないのです。 つるかめと唱う、 博愛を望む死人は、 燻りを増大し。 他意も拉ぎ、 晦冥自覚する。 曙光しもせずを退嬰す、 もせずが可となれど、 未を見て、 しかりさえもせずに、 死に浸りりて心となる。 予知夢を誅戮しても、 折合傘は閉じぬままで、 汀濘に浸る綿服には、 愉悦を詰めて夢を裂きました。 澹乎求め撓消し、 頭を騙し保つ。 消息絶てず憚れる、 現実の中でした。