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雨の中で独り歩く。吹いた風は強すぎて、 夜になって、花が散ってた。 ベルが鳴って、空気は冷えて、暗くなって溶けていって、 街灯に照らされる道の中、目を閉じると、夜が明けていた。 影が止まった その時から、振り向いて、目を合わせて。 時計の針が 止まる瞬間、遠くに何かが あったので。 紐を下げて別れ告げる。吹いた風すら虚しくて。高い空に飛んで行った。 かなしくて つきすすんだら めをとじて いとをむすび わかれのときへ ちかづくにつれ あめにうたれ もうきえていた 風が止まった その時から、手を振られた 夢を見て。 時計の針が 止まる瞬間、遠くに何かが あるのでしょう。 何処かに消えた、あの歌を追って、 あなたの影は消えてゆき、濁った空を見上げれば、赤色の水になるでしょう。 影が止まった その時から、振り向いて、目を合わせて。 時計の針が 止まる瞬間、遠くに何かがあったので。 影が止まった その時から、手を振られた 夢を見て。 時計の針が 止まる瞬間、遠くに何かが あるのでしょう。 風が止まった その時から、手を振られた 夢を見て。 時計の針が 止まる瞬間、あなたの後を 追いかけ続け。 雨の中で独り歩く、吹いた風は強すぎて。