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夢現と途切れた道の果て、 夜半に微睡む月明りに蕩かされ。 昨日までの記憶など、 あてどなく燻るだけでした。 現世に穿つ意図は彼誰、 吐く息の中甘く残る酖溺は、 ここからぬけだすため。 二度と戻れはしないと、 分かってたはずなのに。 幾ら叫べど、呼べども尚、 応えはないのでしょう? 昼想夜夢と翳の中で 何かが弾けた せめて夢で咲えたなら 此の心何時か癒えますか 幾許鮮やかな痛みは曝れ、 蒼茫たる泥む静寂に苛まれ。 掻き消した追懐は、 止め処なく零れるだけでした。 定か啄む企図は涙雨 翠霞に湛えた底なしの寂しさと あなたを忘れるため 永遠などないのだと、 分かってたはずなのに。 幾ら踠けど、足掻けど尚、 報われないのでしょう? 滔々たる意識の中で、 耳鳴りを聴いた。 何時か夢で逢えたのなら、 この永き夜は明けますか。 暁を希い、 虚を仰ぎ見た。 風は凪を知らぬのなら、 僕の言葉は届きますか。 昼想夜夢に透過され、 祈りは途絶えた。 何時か夢から醒めたとき、 あなたは僕を忘れるでしょう。