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電柱を見上げました。 絡みつく烏賊の足先が ジリリ、と焦げる瞬間 黒い夜の天井が落ちた。 暗む私の脚の爪先に流れてゆく 罪が 心地よい成分を溶かした。 歪む/廻る あなた/きみがわたし? 嗚呼、視界が眩む時/嗚呼、直ぐに消えるからね /待っていてね 頭/頭 溶かされて呂律が回らないのです。/溶かされて意識が消える。 蛸の大地を踏みしめ 蛍烏賊の歓楽街を するり、と抜けて行きます。 輪廻は終わり始めてました。 電柱を見上げました。 絡みつく烏賊の足先が ジリリ、と焦げる瞬間 黒い夜の天井が落ちた。 崩れ消えた。/崩れて消えた。 解け出す海馬の線が乱れる。 あなたとわたし、導かれていたの? 生きるには長い日々に麻酔かけたら 空も飛べるよ。 目を閉じて願う唄 届いて 夕日に駆け出した! 涙が落ちた。 それは下らない誤りで ポツリ、と街灯を蹴る。 輪廻は終わり始めてました。 電柱を見上げました。/電柱を見上げたら 絡みつく烏賊の足先が/首が折れ曲がった。 するり、と解ける瞬間/するり、と溶ける瞬間 黒い空の天井が落ちた。/黒い私に 光、差した。/光が差した。