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またいつか。 街を往くあなたの背中 足跡、探し辿っていた。 「傘を差すことも忘れて、 雨に打たれて、 立ち尽くす 貴方のためだ」と、 「私のせい」と、 言う、あなたの声がする。 痛かった記憶も、 愛情も熱も、 全て歌にしたから。 旅を続けよう。 歌を唄おう。 いつか忘れられるとしても。 波を紡ごう。 涙と共に、 茜落ちる窓に手を振ったの。 「街を出た貴方の言葉、 美しい色、 でも、暗く。 何時か描いた景色も、 毒の姿がちらついて。 加速する記録、 想像と事実の狭間に立つことを、 旅人は言う。 『詩と同じ』と。 雨の匂いに染まる道に 足跡つけた記憶はやがて、 夕焼けに照らされ消えるから。」 轟いた青い光に。 偽物でも、逃走でも、 命の色がある。 氷雪の積もる道を 振り返らずに。 旅を続けよう。 詩をうたおう。 いつか遺れられるとしても。 浪を紡いだあなたのように いつか画ける、そんな気がしたの。 旅を続けよう。 時は流れて。 誰もがきっと描く故郷も、 空の青さも、 見えなくなっても、 流れていく時に抗うのは、 いつか見た色を貽す為。