生涯、貴方を怨みます。
生涯、貴方を怨みます。(ショートバージョン) | ||
鳥の羽ばたきに、 まだ気づかない。 此の身は既に、 朽ち果てたのですから。 貴方と共に何処までも、 参りましょう。 その言葉を最後に、 彼は消えた。 そうして彼の居なくなった世界は、 とても綺麗で酷く、 醜いものだった。 私が此れ程迄に、 焦がれているものを、 どうして否定出来ましょうか。 許せない。 貴方と共に何処までも、 参りましょう。 その言葉を最後に、 彼は消えた。 そうして彼の居なくなった世界は、 とても綺麗で酷く、 醜いものだった。 生涯、貴方を怨みます。 |
生涯、貴方を赦しません。 | ||
弄ばれては、 揺らぎ隠せぬ様に、 罪の意識が次第に 色濃くなってゆくのです。 無辜ですが、 無謀でした。 溜飲は上がるばかり。 誤って投げられた石さえ、 解き 橈敗す。 誘い込まれ、 身を投じ誰が為に、 掌性を破り、終わらせる? 五噫の詩は貶される程に、 才の無き嗟歎です。 誘い込まれ、 身を投じ誰が為に、 掌性を破り、終わらせる? 五噫の詩は貶される程に、 才の無き嗟歎です。 才に泣く貴方です。 潰しても、潰しても、 湧き出るもので。 欲望と、欲望が、 錯綜していた。 嗚呼 それは、意味も無く 嫌悪していた様で。 ゆくりなく途絶えたが、 生涯、貴方を赦しません。 |
生涯、貴方を怨みます。 | ||
23927 | 貴方と共に、何処までも参りましょう。 その言葉を最後に、彼は消えた。 鳥の羽ばたきに、まだ気づかない。 此の身に纏わり、離れない。 がめつさに邪魔をされたから。 時の絡まりに、また囚われて。 後悔先に立たずなら、最初からやりません。 此の身は既に、朽ち果てたのですから。 貴方と共に、何処までも参りましょう。 その言葉を最後に、彼は消えた。 そうして、彼の居なくなった世界は、 とても綺麗で、ひどく醜いものだった。 私が此れ程迄に、焦がれているモノを。 どうして解らないのでしょう? ひとくちで全て破棄された。 確かな記憶と、幽かな思い。 どうしても羨ましいので、 見なかったことにしたが。 どうして否定出来ましょうか。 許せない。 許せるものか。 貴方と共に、何処までも参りましょう。 その言葉を最後に、彼は消えた。 何年前かに、行方を晦ました。 食塩水の見た目は、 奴を殺す為の、ふざけた言い訳です。 既視感とも言います。 揺らぎ、隙を見つけられた。 願うばかりで、 果たせなかった。 貴方と共に、何処までも参りましょう。 その言葉を最後に、彼は消えた。 そうして、彼の居なくなった世界は、 とても綺麗で、ひどく醜いものだった。 生涯、貴方を怨みます。 |
躁鬱[short] | ||
いつも通り、 ぐるり ぐるり 不協和音。 煩い。 縄が軋む音さえも、 気持ちのよいものでした。 全てもう、全て消してしまおうか。 上も、下も、 右も、左も、 前も、後ろも。 過去も、現在も、 貴方も、私も。 似た者同士です。 |
b | ||
標識も笑う丑三つ時に、 外側を封じるパイロンが、 意味も無く堕ちる。 心奪われた者の末路、 最初で最後の歌です。 心地よく死ねるのなら、 それも悪くなく。 似て非なるものでした。 |
散り菊 | ||
謬言を良しとするのならば、 空疎とも言えるモノに成る。 見え透いた考えなのですね、 論ずるにも値せず。 朝三暮四こそが、拙くて。 一喜一憂する様子は、 線香花火に似ていて、 非情に惜しいことをしました。 |
生涯、貴方を愛します。 | ||
11523 | とても、寂しい夢を見た。 貴方の頬を、撫でる夢。 首を絞められるような、日々です。 貴方に、戀をしてしまったのでしょうか。 罪の意識の懺悔は、乖離し。 硝子玉、撥ね退けた。 詩美も理解出来ず、忌み嫌う程。 怠惰な人生を、過ごしていたけど。 色が着けば、麗しい天気でした。 私と共に、 何処までも、お参りをしましょう。 貴方に向けた此の愛が、 指先だけでも掬われたら。 生涯も後悔も 霧に包まれて。 滲む。 消ゆる。 こんなだったら、初めから出会いなど、 無かった方が、良かったのです。 幽霊を背に、しゃがんでいた。 呼吸も止まりそうな、暮しです。 度々、夢に出ては罵られている。 あの日、吸い込んだ藍の酸素が。 胸を縛りつけている。 始まったものは、何時か終わりを迎えます。 失ってから、悔やみたくはありません。 たとえ、誰もが忘れ去ろうとしても。 私だけは、 何時までも、叫びつづけます。 貴方に向けた此の愛も、 月並みな願いに比べたら。 生涯の 後悔は 仏にも成れず。 還り、 枯れる。 こんなになって迄、出会える事を。 願った罰だ。 誰も悪くないなら、私の所為でいいさ。 八つの街灯が、進み数える隠し事。 透明になり、薄れ逝く。 灯滅らんとして、光を増す。 どうかまた逢える時まで。 貴方に向けた此の愛が、 指先だけでも掬われたら。 生涯も後悔も 霧に包まれて。 滲む。 消ゆる。 こんなだったら、初めから出会いなど、 無かった方が、良かったのです。 幽霊を背に、しゃがんでいた。 あまりにも、全てが遅すぎた。 理を破り、怨まれようが。 生涯、貴方を愛します。 とても、寂しい夢を見た。 貴方の頬を、撫でる夢。 |
≠キ | ||
合作 | 30829 | 鏡の中の世界などという 眉唾の噂もありますが 流石に信じ難く 御伽に思う それならば どれだけ良かったでしょう 事実 二度と戻れないのです 壁から壁へと抜け 消えてゆくのです 真夜中、丑三つ時の頃。 暗い、夜道を歩く。 背後から、気配がした。 振り返ってみたら、 そこに居た。 どこから見ても同じ姿 それなのにどこか不気味でした 彼方へと誘い込むように ただ見つめていました 翌日 目が覚めた 数時間気を失っていた様です 昨日の記憶はある 体が痛い 鏡に映る私はどこか変だ 見た目は変わらないのだけれど 声が少しおかしい 頭が重い 掻き曇る、暮れ方のお参り。 逆さ案山子、ひらひらと。 藁人形の私なら、 所詮は、豎子の過ちです。 どこから見ても違う姿 それなのになぜ騙されるのか 生涯 貴方を怨みます 叫ぶ声も封じられ ただ見つめていました 此方へと誘い込む為です どこか不気味な見た目をして 膨らむのは承認欲求 死に装束を脱がし、 手を差し伸べて。 貴方と共に、 最果の地まで、 歩みましょう。 どこから見ても同じ姿 それなのにどこか不気味でした 彼方へと誘い込まれたら 幽世へと飛ばされます どこから見ても同じ姿 それなのにどこか不気味でした 彼方へと誘い込む様に 見つめていました 見つかっちゃった。 |
躁鬱 | ||
8069 | 白く滲む世界 空を飛ぼうよ 逃げようの無い、彼我の邂逅でも、 どうせ考える事は、同じなのでしょう。 上手く、幽霊に成れたら。 貴方を、狙いたい。 生きる苦痛と、死に逝く苦痛とを。 天秤にかければ、解る事でした。 すぐに、君のもとへゆくよ。 共に、朽ち果てましょう。 いつも通り、 ぐるりぐるり 不協和音が、 煩い。 縄が軋む音さえも、 気持ちのよいものでした。 全て、もう全て消してしまおうか。 上も、 下も、 右も、 左も、 前も、 後ろも、 過去も現在も、 貴方も私も。 似たもの同士です。 足りない場所を、覆い隠す為に。 人を憎むのは、私も同じです。 唯一違うところがある。 優美さが、在るかです。 この名前にも、羨む者が居た。 貴方の手に渡る事は、無いのです。 どれだけ笑い飛ばそうと、 帰っては来ないのに。 ゆらり、ゆらり、 あらぬ怨みが 揺らいでいる。 気味悪い。 脳に響く音さえも、 いつか鳴り止むのですが、 一つ、 ただ一つ残されたものは、 貴方がくれた、 「言葉」「詩」「眼差し」 「無償の愛」 それらの前では、 怨みなど無力な モノでした。 忘れません。 もう、耳が溶けて両目も開かないけど。 体温だけは、感じられた。 愛されて初めて終わりを迎えた。 上も、 下も、 右も、 左も、 前も、 後ろも、 過去も現在も、 貴方も私も。 似たもの同士です。 生涯、貴方を怨みます。 その言葉だけを、 最期に残して、 彼は消えました。 心地よく眠った。 時が経てば、やがて 成仏してゆくでしょう。 |